電気電子材料

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電気電子材料
科目番号 0340 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生産システム工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 電気・電子材料、中澤達夫他著、コロナ社
担当教員 山田 一雅

到達目標

1. 各種材料のエネルギーバンド構造と電気的特性について説明できる。
2. 誘電体について代表的な特性を原理にもとづいて説明できる。誘電体について代表的な特性の計算ができる。
3. 磁性体について代表的な特性を原理にもとづいて説明できる。磁性体について代表的な特性の計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各種材料のエネルギーバンド構造の生成と電気的特性について説明できる。各種材料のエネルギーバンド構造と電気的特性について説明できる。各種材料のエネルギーバンド構造と電気的特性について説明できない。
評価項目2誘電体について説明し、その特性に関する代表的な特性の計算ができる。誘電体の特性に関する代表的な特性の計算ができる。誘電体について説明できない。誘電体の特性に関する計算ができない。
評価項目3磁性体について説明し、その特性に関する代表的な特性の計算ができる。磁性体の特性に関する代表的な特性の計算ができる。磁性体について説明できない。磁性体の特性に関する計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電気・電子機器はさまざまな電気電子材料によって成り立っている。これらの材料の諸性質に関する基礎知識がなければ、機器や部品を壊すだけでなく、事故を招くことにもなりかねない。本科目では、各種電気電子材料の基礎物性と応用について学習する。この科目では、電子物性の基礎を学び、電気電子材料の基本的事項を習得することを目標とする。
授業の進め方・方法:
注意点:
本科目では電気電子材料の中で半導体材料を除く、主な材料について学習する。本科目を理解するためには「化学」、「電気磁気学」や「電子工学」の知識を必要とするので、関連する部分に関してはしっかりとした予習が必要である。暗記に頼る勉強ではなく、系統だて理論に基づいて理解することを常に意識して勉強すること。

JABEE教育到達目標評価:定期試験80%(B-2),課題20%(B-2)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、原子の構造(コア) 原子の構造について説明できる
2週 化学結合 化学結合について説明できる
3週 固体の構造 固体の構造について説明できる
4週 結晶と回折 結晶と回折現象について説明できる
5週 電子状態とエネルギーバンド構造(コア) 電子状態とエネルギーバンド構造について説明できる
6週 抵抗とオームの法則 抵抗とオームの法則について説明できる
7週 抵抗発生の要因 抵抗が発生する要因について説明できる
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 試験答案返却・解答解説 間違った問題の正答を求めることができる
10週 導電材料(コア) 導電材料の特徴について説明できる
11週 抵抗材料 抵抗材料の特徴について説明できる
12週 誘電体の電気的性質(コア) 誘電体の電気的性質について説明できる
13週 誘電分極 誘電分極について説明できる
14週 強誘電体材料 強誘電体材料の特徴について説明できる
15週 前期期末試験
16週 試験答案返却・解答解説 間違った問題の正答を求めることができる
後期
3rdQ
1週 誘電分散と誘電損 誘電分散と誘電損について説明できる
2週 圧電体材料 圧電体材料の特徴について説明できる
3週 焦電体材料 焦電体材料の特徴について説明できる
4週 磁性の根源(コア) 磁性を発生させる起源について説明できる
5週 常磁性 常磁性について説明できる
6週 反磁性 反磁性について説明できる
7週 強磁性 強磁性について説明できる
8週 後期中間試験
4thQ
9週 試験答案返却・解答解説 間違った問題の正答を求めることができる
10週 反強磁性とフェリ磁性 反強磁性とフェリ磁性について説明できる
11週 磁化曲線、磁区、磁壁 磁化曲線、磁区、磁壁について説明できる
12週 各種磁性材料 各種磁性材料の特徴を説明できる
13週 超伝導体の基本的性質 超伝導体の基本的性質について説明できる
14週 各種超伝導材料 各種超伝導材料の特徴を説明できる
15週 学年末試験
16週 試験答案返却・解答解説 間違った問題の正答を求めることができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3前1,前2
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3前1,前2
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。3
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3
重ねの理を説明し、直流回路の計算に用いることができる。3
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。4
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。4
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。4
瞬時値を用いて、簡単な交流回路の計算ができる。4
フェーザを用いて、簡単な交流回路の計算ができる。4
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流の複素表示を説明し、これを交流回路の計算に用いることができる。4
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。4
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。4
網目電流法や節点電位法を用いて交流回路の計算ができる。4
重ねの理やテブナンの定理等を説明し、これらを交流回路の計算に用いることができる。4
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。4
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。4
理想変成器を説明できる。3
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。4
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。3前1
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。3前1
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。3前1
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。3前1
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。3前1
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。3前1
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。3前1
静電エネルギーを説明できる。4前1
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則およびアンペールの法則を用いて説明でき、簡単な磁界の計算に用いることができる。4前1
電流に作用する力やローレンツ力を説明できる。4前1
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。4前1
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。4
自己誘導と相互誘導を説明でき、自己インダクタンス及び相互インダクタンスに関する計算ができる。4
磁気エネルギーを説明できる。4
電子回路ダイオードの特徴を説明できる。3前1
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。4前1
FETの特徴と等価回路を説明できる。4前1
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。4
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。4
演算増幅器の特性を説明できる。3
反転増幅器や非反転増幅器等の回路を説明できる。3
電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。4前1,前6,前7,前10,前11,前12,前14,後1,後2,後3
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。4前1,前6,前7,前10
原子の構造を説明できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後10,後11,後12,後13,後14
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。4前1,後4,後7
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。4前1,前4,前5,前7
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。4前1,前10
真性半導体と不純物半導体を説明できる。4前1,前5
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。4前1,前5
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。4前5
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。3前5
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。4前5
電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。4
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。4
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。4
同期機の原理と構造を説明できる。4
変圧器の原理、構造、特性を説明でき、その等価回路を説明できる。4
半導体電力変換装置の原理と働きについて説明できる。4
水力発電の原理について理解し、水力発電の主要設備を説明できる。3
火力発電の原理について理解し、火力発電の主要設備を説明できる。3
その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。3
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。2
計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。3
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。3
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。3前1
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。3
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。4
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。4
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。4
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。4
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。4
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。3
電力量の測定原理を説明できる。3
オシロスコープの動作原理を説明できる。4
オシロスコープを用いた波形観測(振幅、周期、周波数)の方法を説明できる。3
制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。4
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。4
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。3
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。4
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。4
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。4
情報基本的なアルゴリズムを理解し、図式表現できる。4
プログラミング言語を用いて基本的なプログラミングができる。4
整数、小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4
基数が異なる数の間で相互に変換できる。4
基本的な論理演算を行うことができる。4
基本的な論理演算を組み合わせて任意の論理関数を論理式として表現できる。4
MIL記号またはJIS記号を使って図示された組み合わせ論理回路を論理式で表現できる。4
論理式から真理値表を作ることができる。4
論理式をMIL記号またはJIS記号を使って図示できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000