電子回路Ⅲ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電子回路Ⅲ
科目番号 0376 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 根岸照雄、中根 央、高田英一 共著「電子回路基礎」(コロナ社)/ 植田佳典・小柴典居共著「発振・変復調回路の考え方」(オーム社)、 丹野頼元著「電子回路」(森北出版)、 R.L.Boylestad著 「Electronic Devices and Circuit Theory」(Prentice Hall)
担当教員 高田 明雄

到達目標

1.演算増幅器を応用した回路の利得を算出できる
2.RC過渡現象に関連するパルス回路の動作を説明できる
3.変調方式について回路を理解し、その動作について数式を用いて説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1演算増幅器を用いた回路を設計できる。演算増幅器を用いた回路の解析ができる。演算増幅器を用いた回路の入出力の関係を導くことができない。
評価項目2RC過渡現象に関連するパルス回路の動作を式の導出を交えて説明できる。RC過渡現象に関連するパルス回路の動作を説明できる。RC過渡現象に関連するパルス回路の動作を説明できない。
評価項目3変調方式が数式を用いて説明でき、変調回路についても回路図を描いて説明できる。変調方式について数式を用いて説明できる。数式を用いて変調を説明することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
論理レベル“0”および“1”を出力する論理素子や方形波発振回路はトランジスタのスイッチングを利用してつくることができる。この教科では、トランジスタのスイッチング動作原理を説明でき、簡単な回路の設計ができるようになることを目標とする。また、振幅変調および周波数変調についてその目的、特徴および実現方法についても説明できることを目指す。
授業の進め方・方法:
電子回路あるいは電気回路に関する様々な知識が必要となる。特に、以下の◆印項目は重要である。

◆≪OPアンプ回路≫理想OPアンプの特徴、すなわち(1)バーチャルショート(仮想短絡)、(2)入力インピーダンス∞、および(3)開ループ利得∞の知識でほぼ回路解法ができるようになる。

◆≪トランジスタのスイッチング≫CR回路の過渡現象についての知識は必要不可欠である。線形一次微分方程式の解法を再確認することが望ましい。また、電子回路Ⅱで勉強する負荷線の知識も使う。

◆≪波形操作回路≫理想ダイオードの二つの状態(導通、非導通状態)の応用が適切にできる必要がある。

◆≪変調≫三角関数と波形の対応をしっかりと理解する必要がある。三角関数の倍角・半角の公式についても確認する。
注意点:
試験勉強に際し、過去テストの出題傾向などは参考程度に留めるべきであり、またその解説(解答)はしない[過去テストと同様な出題を期待し、失敗したケースが多々報告されている]。ノートを中心とした学習が有効である。
JABEE教育到達目標評価 定期試験100%(B-3)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス(1h)
1.演算増幅回路の応用(コア)(1h)
反転・非反転増幅器、
加減算・微積分回路
・授業計画および学習の留意点を知る。

・増幅器、加減算回路、および微積分回路の利得を導出できる。基礎的な回路設計ができる
2週 1.演算増幅回路の応用(コア)
反転・非反転増幅器、
加減算・微積分回路
・増幅器、加減算回路、および微積分回路の利得を導出できる。基礎的な回路設計ができる
3週 2.パルス回路 
パルス波、CR回路の過渡応答
・パルス波の特徴について理解し、CR回路の過渡応答を定量的に説明できる
4週 2.パルス回路 
パルス波、CR回路の過渡応答
・パルス波の特徴について理解し、CR回路の過渡応答を定量的に説明できる
5週 CRによる微積分回路(1h)
 
トランジスタ・パルス回路(1h)
・CR微積分回路の入出力特性を計算して描ける

・トランジスタのスイッチング特性を理解するとともに,回路内のパラメーターを計算できる
6週 トランジスタ・パルス回路(1h)

インバータ回路(1h)
・トランジスタのスイッチング特性を理解するとともに,回路内のパラメーターを計算できる
・トランジスタを用いたインバータ回路を設計できる
7週 インバータ回路(1h)

マルチバイブレーター(1h)
・トランジスタを用いたインバータ回路を設計できる

・マルチバイブレーターの種類と基本形がわかる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 試験答案返却・解答解説(1h)
マルチバイブレーター(続き)(1h)
試験問題の解説を通じて自分の理解不足を補う
・各種マルチバイブレーターの動作を説明でき、トリガ波形と発振波形が描け、パルス幅や発振周期などが決定できる
10週 マルチバイブレーター(続き) ・各種マルチバイブレーターの動作を説明でき、トリガ波形と発振波形が描け、パルス幅や発振周期などが決定できる
11週 マルチバイブレーター(続き)(1h)
波形整形回路(1h)
・各種マルチバイブレーターの動作を説明でき、トリガ波形と発振波形が描け、パルス幅や発振周期などが決定できる
・波形整形回路の入出力特性を求められる
12週 波形整形回路 ・波形整形回路の入出力特性を求められる
13週 3.変調回路・位相同期回路
振幅変調回路
角度変調回路

位相同期回路*
・変調をかける意義と,各種変調回路の特長を説明できる。

・位相同期ループの基本動作を説明できる*
 *(授業進行上、時間的余裕がある場合にのみ実施する)
14週 3.変調回路・位相同期回路
振幅変調回路
角度変調回路

位相同期回路*
・変調をかける意義と,各種変調回路の特長を説明できる。

・位相同期ループの基本動作を説明できる*
 *(授業進行上、時間的余裕がある場合にのみ実施する)
15週 期末試験
16週 試験答案返却・解答解説 ・間違った問題の正答を求めることができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000