電子回路概論

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電子回路概論
科目番号 0378 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 大熊康弘著「図解でわかるはじめての電子回路」(技術評論社)
担当教員 高田 明雄

到達目標

1.半導体素子の構造および電流―電圧特性について説明できる
2.電子部品としての半導体素子の使い方がわかる
3.素子が動作する電流・電圧レベルを求め、トランジスタの増幅機能について説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各種素子の構造を図示でき、さらに電流―電圧特性を描き、その根拠を説明できる。与えられた素子の電流―電圧特性を描くことができる。与えられた素子の電流―電圧特性を描くことができない。
評価項目2各種素子の使い方を具体的な回路図を描き説明できる。素子の使い方について、図を用いて説明できる。素子の使い方を図を用いて、説明できない。
評価項目3素子の電圧、電流を計算によって求められ、素子の機能を説明できる。素子の電圧、電流について計算できる。素子の電圧、電流について計算できる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
この世に存在する電子機器のほとんどに半導体素子が使われている。その素子の基本となる三つの部品(素子)が、ダイオード、バイポーラトランジスタ、FET(電界効果トランジスタ)である。これらの素子の構造および特性(例:各端子に流れる電流と端子間電圧の関係)について学び、電子回路に応用する場合の基本的な取り扱い方法について学ぶ。
授業の進め方・方法:
・半導体には電子(負電荷)とホール(正電荷)が電流の担い手として存在するが、電界によって力を受ける方向
・オームの法則(V=IR)
抵抗値が零(R=0)の場合にはV=0となる(電圧が生じない)
  回路内の二点間においてV=0ならば、その二点間には電流がながれない
・電圧と電流の互いの極性の関係(例えば、抵抗に流れる電流とその両端の電圧の+、-)
・理想ダイオードに電流が流れている場合(導通時)は、陽極-陰極間には電圧が発生しない(短絡と同じ)
・キルヒホッフの法則(電流則、電圧則)
・信号増幅では回路の入力電圧を正弦波として扱う
注意点:
キルヒホッフの法則や電流および電圧の極性を正しく理解しておくことが大切である。不明な点は質問をして解消することをお勧めする。

JABEE教育到達目標評価 定期試験100%(B-3)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
ダイオード
◇基本構造
授業計画および学習の留意点を知る。

pn接合の性質と整流特性について説明できる
2週 ◇理想ダイオードモデル
◇電流-電圧特性
理想的なダイオードのモデルについて説明できる
実際のダイオードの電流-電圧特性について説明できる
3週 ◇各種ダイオード

◇ダイオード回路
整流用ダイオード、LED(発光ダイオード)、定電圧(ツェナー)ダイオードの特徴を説明できる
ダイオードを使った基本的な回路の設計ができる
4週 ◇整流回路 ダイオードを用いた整流回路の動作について説明できる
5週 ◇バイアス、負荷線解析 負荷線に基づいてダイオードのバイアス量を決定できる
6週 トランジスタ
◇電界効果トランジスタ
・JFET

接合形電界効果トランジスタ(JFET)の動作、バイアス方法について説明できる
7週 ・MOSFET

◇CMOS
MOS(Metal-Oxide-Semiconductor) FETの動作、バイアス方法について説明できる
CMOSの基本構造とその動作について説明できる
8週 中間試験
2ndQ
9週 試験答案返却・解答解説
◇バイポーラトランジスタの概念
試験問題の解説を通じて自分の理解不足を補う
バイポーラトランジスタの電流増幅動作について理解できる
10週 ◇バイポーラトランジスタの特徴 バイポーラトランジスタの動作について説明できる
11週 ◇電流-電圧特性 バイポーラトランジスタの電流-電圧特性が説明できる
12週 ◇トランジスタのバイアス トランジスタのバイアスと動作点の関係を説明できる
13週 ◇負荷線解析 負荷線を使ってバイアスされたトランジスタの電流および電圧を求めることができる
14週 ◇増幅回路 信号増幅用トランジスタ回路の動作を説明できる
15週 期末試験
16週 試験答案返却・解答解説 ・間違った問題の正答を求めることができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000