論理と計算理論

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 論理と計算理論
科目番号 0396 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産システム工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 論理学 野矢茂樹 東京大学出版会/論理と計算のしくみ 萩谷昌己 他 著 岩波書店
担当教員 河合 博之

到達目標

1. 論理式を用いて推論を表現することができる
2. 公理系による演繹的証明を行うことができる
3. 計算可能性の概念を説明することができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1推論を表現する論理式を作ることができ,その真偽を調べることができる対偶,逆,裏の概念を理解し命題論理として表現することができる対偶,逆,裏の概念を理解し命題論理として表現することができない
評価項目2述語命題による定理を証明することができる公理系LPを用いて,さまざまな命題を定理として証明することができる公理系のサンプルを利用し,簡単な命題を証明することができない
評価項目3λ計算のモデルを理解しプログラムの数学的意味論について説明することができる計算可能性の概念とチューリング機械および帰納関数について説明することができる計算可能性の概念とチューリング機械および帰納関数について説明することができない

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
命題論理および述語論理の基礎を理解し,論理と計算機における計算の意味との関係について学習する.
計算機科学においても形式論理は,計算機の機能や性質,計算機に関連する様々な現象を的確に表現するための枠組を与えてくれる.プログラミング言語の意味論を定義することは,ソフトウェア科学の中心的課題の一つである.命題論理と述語論理を通して,構文論と意味論の区別,それらの間の関係について学ぶ.
授業の進め方・方法:
半期で集中的に学習するため,予習および復習が必要である.また,記号が多く出現するため記号の意味をしっかり確認しておくこと.関連科目は「オートマン」,「ソフトゥエア工学」,「プログラミング言語論」などであり,最終的には論理を意識したうえでのプログラミング開発に役立てて欲しい.
注意点:
JABEE教育到達目標評価:定期試験100%(B-2)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
命題論理
・推論を形式化でき,命題論理の意味論を理解することができる
2週 ・真理関数 ・否定,連言,選言などの基本的な真理関数を理解し,それらを真理表で表すことができる
3週 ・条件法 ・対偶,逆,裏の概念を理解し命題論理として表現することができる
4週 ・論理式 ・論理式の定義および真理値分析を理解することができる
5週 ・推論 ・推論を表現する論理式を作ることができ,その真偽を調べることができる
6週 ・命題論理の公理系1 ・公理系LPを用いて,さまざまな命題を定理として証明することができる
7週 ・命題論理の公理系2 ・公理系LPを用いて,さまざまな命題を定理として証明することができる
8週 中間試験
2ndQ
9週 答案返却・解答解説
述語論理
・三段論法
・間違った問題の正答を求めることができる
・推論の三段論法を理解し,その真偽について議論することができる
10週 ・命題関数1 ・全称量化と存在量化を理解し,述語論理として記号を用いて表現することができる
11週 ・命題関数2 ・全称量化と存在量化を理解し,述語論理として記号を用いて表現することができる
12週 計算可能性
・チューリング機械と帰納関数
・不完全性定理
・λ計算
・計算可能性の概念とチューリング機械および帰納関数について説明することができる
13週 計算可能性
・チューリング機械と帰納関数
・ゲーデルの不完全性定理を通じて計算の意味を理解することができる
14週 計算可能性
・λ計算
・λ計算のモデルを理解しプログラムの数学的意味論について説明することができる
15週 期末試験
16週 答案返却・解答解説 ・間違った問題の正答を求めることができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野情報数学・情報理論論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。4前9

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力500000050
専門的能力500000050
分野横断的能力0000000