機械工学実験Ⅰ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 機械工学実験Ⅰ
科目番号 0492 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生産システム工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 各実験室で用意する実験マニュアルおよびテキスト
担当教員 川上 健作,本村 真治,剱地 利昭,鈴木 学

到達目標

1. 機械材料の性質と種類,強さなどの機械的性質を調べる試験方法を説明できる.
2. 炭素鋼の各種熱処理の目的と操作を説明できる.
3. 流体の速度,流量,圧力などの測定原理と測定方法を理解し説明できる.
4. エンジンの出力,トルクの計測原理と方法を理解し説明できる.
5. 各種測定法を用いて精密測定ができ,測定結果について考察し説明できる.
6. 実験・実習の心得を理解している.
7.実験の内容をレポートにまとめることができ,口頭でも説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1JIS規格に基づく標準試験片を用いた引張試験,硬さ試験から材料の強さ,硬さなどを調べることができる.JIS規格から機械材料の性質と種類,材料の機械的性質を調べ,利用できる.機械材料の性質と種類,強さなどの機械的性質を調べる試験方法を説明できない.
評価項目2各種熱処理を行った炭素鋼の機械的性質を説明できる.各種熱処理の目的,原理および処理方法を説明できる.炭素鋼の各種熱処理の種類を説明できない.
評価項目3流体測定の原理と流れの損失を理解し流体機械の性能評価に適用できる.流速,流量,圧力などの測定原理を理解し,説明できる.流速,流量,圧力などの測定原理を説明できない.
評価項目4エンジンの出力,トルクの計測原理を理解し,他の熱機関にも適用できる.エンジンの出力,トルクの計測原理を理解し,説明できる.エンジンの出力,トルクの計測原理を説明できない.
評価項目5各種測定法を用いて精密測定ができ,測定結果を機械工学の基礎知識や技術と関連させて考察し,説明できる.各種測定法を用いて精密測定ができ,測定結果について考察し説明できる.精密測定機器及び測定方法を用いて測定ができない.
評価項目6実験の目標を理解し,安全に実験を行うことができる.実験の心得を理解し,安全確保のためにすべきことがわかる.実験の心得を理解せず,安全に実験を行うことができない.
評価項目7実験のデータをレポートにまとめ,結果についての考察をまとめることができる.実験のデータをレポートにまとめ,結果について考えることができる.実験の内容をレポートにまとめることができない.

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 A 説明 閉じる
函館高専教育目標 B 説明 閉じる
函館高専教育目標 E 説明 閉じる
函館高専教育目標 F 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械工学に関連した基本実験(材料力学実験,流体力学実験,熱力学実験,精密測定実験)を行い,得られた実験結果を基に報告書を作成することにより,実験方法,実験結果等を理解するとともに,これまで学習した理論に基づく実験報告書のまとめ方を習得する.実際に実験を行う際に実験方法の検討ができ,結果を報告書にまとめ,他者と討論できることを到達レベルとする.
授業の進め方・方法:
本実験では,4つのグループに分かれて,それぞれ材料力学実験,流体力学実験,熱力学実験,精密測定実験を1グループずつ順番に行う.実験に際しては,それぞれの実験に関連する材料力学,流体力学,熱力学,機械力学,計測工学の内容を予習または復習しておくべきです.
注意点:
実際の実験に関しては以下の点に留意してください.
◎ それぞれの実験の目的,実験報告書の形式,提出方法,評価基準などを十分理解して行うこと.
◎ これまで学んだ講義内容と実験内容の有機的な関連に留意して実験を行うこと.
◎ 欠席,欠課,遅刻は絶対にしないこと.
◎ 実験報告書の提出期限を厳守すること.
◎ 安全に十分注意し,担当教員の指示に従い実験すること.

学習教育到達目標評価:レポート100%(A:20%,B:40%,E:20%,F:20%)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス(0.5h) 
すぐに各パートで実験
材料力学実験
1)引張試験(4h,コア)
・実験の目標と,心構えがわかる.

担当:川上
・金属の引張特性およびその試験法を理解する.
2週 2)硬さ試験(4h,コア) ・金属の硬さ特性およびその試験法を理解する.
3週 3)ひずみ測定と構造解析(4h,コア) ・ひずみゲージによるひずみ測定法とFEMによる構造解析を理解する.
4週 流体力学実験
1)直角三角セキの流量測定試験(4h,コア)
担当:本村
・直角三角セキによる流量測定の原理と流れの損失を理解する.
5週 2)ピトー管による風速測定(4h,コア) ・ピトー管を用いた風速測定の原理を理解する.
6週 3)円柱の抗力測定試験(4h,コア) ・円柱に作用する抗力の測定原理を理解する.
7週 追実験,実験報告書の指導(4h,コア) ・実験の内容をレポートにまとめることができる.また,不足がある場合は追実験を行う.
8週 熱力学実験
1)潤滑油の粘度測定(4h,コア)
担当:剱地
・潤滑油の粘度測定を理解し,基礎知識と技術を身につける.
2ndQ
9週 2)蒸留試験(4h,コア) ・燃料の揮発性試験を理解し,基礎知識と技術を身につける.
10週 3)スターリングエンジンの性能試験(4h,コア) ・スターリングエンジンの性能試験を通して,熱機関の基礎知識と計測技術を身につける.
11週 精密測定実験室
1)工具顕微鏡を用いた平歯車形状パラメータの測定(4h,コア)
担当:鈴木
・工具顕微鏡を用いて平歯車形状パラメータの測定を通して計測工学に関する基礎知識と技術を習得する.
12週 2)片持ち梁の振動モード測定(4h,コア) ・微小変位測定を用いた非定常測定を通して計測工学と振動工学に関する基礎知識と技術を習得する.
13週 3)3次元測定器を用いる長さ測定(4h,コア) ・自由曲面精密測定を通して計測工学に関する基礎知識と技術を習得する.
14週 追実験,実験報告書の指導(4h,コア) ・実験の内容をレポートにまとめることができる.また,不足がある場合は追実験を行う.
15週 追実験,実験報告書の指導(4h,コア) ・実験の内容をレポートにまとめることができる.また,不足がある場合は追実験を行う.
16週 学年末試験無し

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前12,前13
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前12,前13
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前12,前13
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前12,前13
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前12,前13
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前12,前13
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前12,前13
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前12,前13
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前12,前13
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前12,前13
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前12,前13
専門的能力分野別の専門工学機械系分野材料引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。3前1
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。3前2
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。2前1
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。1前1
焼きなましの目的と操作を説明できる。3前1,前2
焼きならしの目的と操作を説明できる。3前1,前2
焼入れの目的と操作を説明できる。3前1,前2
焼戻しの目的と操作を説明できる。3前1,前2
計測制御計測の定義と種類を説明できる。4前1,前2,前3,前12,前13,前14
測定誤差の原因と種類、精度と不確かさを説明できる。4前1,前2,前3,前12,前13,前14
国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。4前1,前2,前3,前12,前13,前14
代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できる。4前1,前2,前3,前11,前12,前13
分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。4前1,前3
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。4前1,前3
ダイヤルゲージ、ハイトゲージ、デプスゲージなどの使い方を理解し、計測できる。4前12
加工学実験、機械力学実験、材料学実験、材料力学実験、熱力学実験、流体力学実験、制御工学実験などを行い、実験の準備、実験装置の操作、実験結果の整理と考察ができる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合00000100100
基礎的能力0000000
専門的能力00000100100
分野横断的能力0000000