電磁波工学

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 電磁波工学
科目番号 0600 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 鹿子嶋憲一  光・電磁波工学 (電子情報通信レクチャーシリーズ) 電子情報通信学会
担当教員 丸山 珠美

到達目標

1.Maxwell方程式から波動方程式を導くことができ,電界,磁界と電波の進行方向との関係から,平面波について説明できる.
2.平面波の波動方程式から,楕円偏波を導く方法を説明できる. また,楕円偏波から直線偏波,円偏波を導き,各偏波における電界,磁界,電波の進行方向の向きを示すことができる.
3.電磁界の反射,屈折について,反射係数を導きスネルの法則を説明できる.
4.微小ダイポールからの電磁波放射を理解し,アンテナ放射指向性,利得などの主なアンテナ特性を説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1Maxwell方程式から波動方程式を導くことができ,自由空間における波動方程式を解いて電界と磁界が平面波となることを導くことができる.Maxwell方程式から波動方程式を導く方法を説明できるMaxwell方程式から波動方程式を導く方法を説明できない.自由空間における波動方程式を解いて電界と磁界が平面波となることを説明できない.
評価項目2平面波の波動方程式から,楕円偏波を導くことができる.平面波の波動方程式から,楕円偏波を導く方法を説明できる.平面波の波動方程式から,楕円偏波を導く方法を説明できない.また,楕円偏波から直線偏波,円偏波を導き,各偏波における電界,磁界,電波の進行方向の向きを示すことができない.
評価項目3電磁界の反射,屈折について,TM,TEの各反射係数を導きスネルの法則を導出できる. 電磁界の反射,屈折について,TMとTEの区別ができる. スネルの法則を説明できる.電磁界の反射,屈折について,TMとTEの区別ができない. スネルの法則を説明できない.
評価項目4微小ダイポールからの電磁波放射解から,遠方散乱界を導き放射指向性を示すことができる.微小ダイポールの遠方散乱界から放射指向性を示すことができる.微小ダイポールの遠方散乱界から放射指向性を示すことができない.

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科目では,まず電磁波の振る舞いを解析する上で重要な式であるMaxwell方程式を理解し,電界,磁界の関係と電磁波が波動であることを学習する.また,アンテナによる電磁波の発生とアンテナの基本特性,電磁波伝搬に関する基礎知識を学習する.平面波について理解し,電界と磁界が電波の進行方向に対して垂直となること,および垂直,水平,円偏波がどのようにして導出されるかを理解し,これをもとに電波の伝わるしくみを説明できるようになることを目標とする.
授業の進め方・方法:
・電気磁気学,電気回路の知識に加えて,ベクトル解析,偏微分,積分,三角関数,対数,複素数等の数学の知識が必要となるので,必要に応じて復習が必要である.
・電磁波は目に見えず,基本的に数式でしか表現できないため,電磁波伝搬に対して物理的イメージを持つことが必要である.
・様々な電磁界の物理現象について電磁波伝搬の立場から考察を行えるような目を養うこと.
・課題,演習等は必ず自分で解き,授業中でわからない場合は担当教員に積極的に質問をして解決すること.
・参加型のインタラクティブな授業を実施する.
注意点:
JABEE教育到達目標評価:
・レポート20%(B-3:100%)
・試験80%(B-3:100%)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス(0.5h)
波長と周波数(1.5h),Maxwell方程式ベクトル解析の発散と回転を理解する
授業の内容,評価方法,到達目標を理解するベクトル解析の発散と回転を理解する
電磁波の波長と周波数の関係を説明できる
Maxwell方程式を理解できる
2週 境界条件 ガウスの発散定理、ストークスの定理を用いて境界条件を導く ガウスの発散定理、ストークスの定理を用いて境界条件を導ける
3週 波動方程式 Maxwell方程式から波動方程式を導ける
4週 波動方程式の解と平面波 波動方程式の解を導き,平面波を導出できる.
5週 電界・磁界と電磁波の伝搬方向ポインティングベクトル 電界・磁界の方向と伝搬方向の関係をMaxwell方程式から平面波の波動方程式から導ける.
6週 偏波 平面波の波動方程式から,電界の楕円偏波を導ける.楕円偏波から,円偏波,直線偏波を導ける
7週 中間前まとめと総合演習 中間前に講義した内容に関する演習問題を解くことができる.
8週 中 間 試 験
4thQ
9週 試験答案の返却と解説(0.5h)
任意の方向に進む平面波の定式化(1.5h)
試験で間違った問題の正しい解法を理解する
任意の方向に進む平面波の定式化を内積の定義から理解する.
10週 TE反射における,入射波,反射波,屈折波の電磁界. 任意の方向に進む波の数式を用いて,TE反射における,入射波,反射波,屈折波の電磁界を導出できる.
11週 TE・TM反射係数,スネルの法則の導出. TE・TM反射における電磁界から,TE・TM反射係数,スネルの法則を導出できる.
12週 微小ダイポールからの電磁波放射解から,遠方散乱界を導く 微小ダイポールからの電磁波放射解から,遠方散乱界を導く
13週 アンテナの放射指向性,利得,VSWR アンテナの放射指向性と利得の関係を説明できる.VSWRを示すことができる.
14週 期末前まとめと総合演習 期末前に講義した内容に関する演習問題を解くことができる.
15週 期 末 試 験
16週 試験答案返却・解答解説 間違った問題の正答を求めることができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表レポート態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80020000100
基礎的能力0000000
専門的能力80020000100
分野横断的能力0000000