物質工学実験Ⅰ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 物質工学実験Ⅰ
科目番号 0030 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質環境工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 「分析化学」富田 功・長島弘三著 (裳華房)/「好きになる化学基礎実験」丸田銓二朗他(三共出版)
担当教員 松永 智子,田中 孝

到達目標

1. 主なイオンの性質を理解し、与えられた混合試料中の陽イオンを検出できる。
2. 滴定による容量分析法を理解し、実験結果から濃度を求めることができる。
3. 実験テーマを理解し、班員と協力しながら正しい実験結果を導くことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1主なイオンの性質を理解し、与えられた混合試料中の未知陽イオンを正しく検出できる。主なイオンの性質を理解し、与えられた混合試料中の未知陽イオンを検出できる。主なイオンの性質について理解が足りず、混合試料中の未知陽イオンの分属操作が出来ない。
評価項目2滴定による容量分析法を理解し、実験結果から求めた濃度について正しく検証できる。滴定による容量分析法を理解し、実験結果から濃度を求めることができる。滴定による容量分析法を理解できず、実験結果を導くことが出来ない。
評価項目3実験テーマを理解し、班員と協力しながら正しい実験結果を導き、検証を加えることができる。実験テーマを理解し、班員と協力しながら正しい実験結果を導くことができる。実験テーマへの理解が足りず、班員と協力しても実験結果を導くことが出来ない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
無機元素の分析技術の基礎を身につける。後半の応用実験では、機器を用いた測定を行うことにより、分析機器の操作に関する基礎知識を得る。
授業の進め方・方法:
・無機分析実験は、すべての化学実験の基礎である。無機元素分析の技術を身につけるとともに、無機化合物の化学的性質を理解することも期待する。後半の応用実験では、2~3名の班にわかれて実験を行う。各自がチームの一員としての役割と責任を理解して自主的に行動してほしい。
・「分析化学」と関連するので座学での講義も予習復習に努め十分理解していること。
注意点:
・B5ノート(リング綴を推奨)を用意し、実験内容を事前にまとめておくこと。
・実験時には上記ノートを携帯し、当日の実験結果は必ずノートに記録すること。
・どの実験も授業時間内に終了するように設計されている。実験を時間内に終わらせる能力も評価対象(実技)としているので、予習を怠らないこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ・ガイダンス
・実験器具の確認と準備
・実験室でのふるまい、ルールなどを理解する。
・基本的な実験器具の名称と使い方を理解する。
2週 ・ミョウバンの合成
・定性分析ガイダンス
・与えられた実験器具を適切に使用できる。
・各種陽イオンの性質を理解し、関係する化学反応式を正しく表すことができる。
3週 第1属陽イオンの各個定性反応 ・第1属陽イオンが検出できる。
4週 第2~3属陽イオンの各個定性反応 ・第2~3属の陽イオンを検出できる。
5週 第4~6属陽イオンの各個定性反応 ・第4~6属の陽イオンを検出できる。
6週 未知試料の系統分析 ・未知の陽イオンを定性分析できる。
7週 滴定練習(中和滴定) 滴定による容量分析を理解し、実験結果から目的試料の濃度を求めることができる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 酸化還元滴定 ・滴定用ガラス器具を適切に使用できる。
・酸化還元反応を理解し、濃度の計算ができる。
10週 テーマ実験ガイダンス ・次回以降の実験(4テーマ)の進め方がわかる。
・使用する機器についての注意事項を理解できる。
11週 各種滴定及び原子吸光法による水質分析 ・器具や機器を的確に扱うことができる。
・得られた結果から必要な答えを導くことができる。
12週 ミョウバンの合成とその組成決定 ・器具や機器を的確に扱うことができる。
・得られた結果から必要な答えを導くことができる。
13週 ペーパークロマトグラフィとイオン交換 ・器具や機器を的確に扱うことができる。
・得られた結果から必要な答えを導くことができる。
14週 pH計を用いた中和滴定曲線と指示薬の関係 ・器具や機器を的確に扱うことができる。
・得られた結果から必要な答えを導くことができる。
15週 期末試験
16週 総括 授業を振り返り、何を身に付けたか説明できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学実験化学実験測定と測定値の取り扱いができる。3前2,前7,前9
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。3前2,前7,前9
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3前4,前5,前6,前9,前11,前12,前13,前14
ガラス器具の取り扱いができる。3前1,前7,前9
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3前1
試薬の調製ができる。3前9
代表的な気体発生の実験ができる。2前5
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。3前6,前12
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。2前2,前7,前10
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。2前2,前3,前4,前5,前6,前7,前11,前12,前13,前14
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。2前2,前3,前4,前5,前6,前7,前11,前12,前13,前14
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。2前4,前5,前6,前7,前9,前11,前12,前13,前14
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。2前4,前5,前6,前9,前11,前12,前13,前14
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。2前9,前11,前12,前13,前14
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。2前11,前12,前13,前14
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。2前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前11,前12,前13,前14
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。2前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前11,前12,前13,前14
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。2前11,前12,前13,前14
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。2前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前11,前12,前13,前14
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】分析化学実験中和滴定法を理解し、酸あるいは塩基の濃度計算ができる。4前7,前10,前11
酸化還元滴定法を理解し、酸化剤あるいは還元剤の濃度計算ができる。4前7,前9
キレート滴定を理解し、錯体の濃度の計算ができる。4前10,前11
陽イオンおよび陰イオンのいずれかについて、分離のための定性分析ができる。4前3,前4,前5,前6
物理化学実験温度、圧力、容積、質量等を例にとり、測定誤差(個人差・器差)、実験精度、再現性、信頼性、有効数字の概念を説明できる。1前7,前9

評価割合

レポート実技相互評価態度ポートフォリオ実験ノート合計
総合評価割合602000020100
基礎的能力4000001050
専門的能力20200001050
分野横断的能力0000000