材料工学入門

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 材料工学入門
科目番号 0035 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質環境工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 自作プリント(Teamsにアップロード)、オンデマンド動画
担当教員 小林 淳哉

到達目標

1. 代表的な無機材料、有機材料、金属材料について、その製法、用途、機能を説明できる
2. 材料開発と自然環境との関係をリサイクル技術から理解し、技術者の社会的責任を説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1用途に応じて求められる材料の適切な機能を挙げることができる用途に応じて求められる材料の機能を挙げることができる用途に応じた材料の機能を挙げることができない
評価項目2持続可能な発展のためのリサイクル技術の現状を多様な観点から評価できる持続可能な発展のためのリサイクルの現状を特定の例から説明できるリサイクルの現状を説明できない
評価項目3自己の学習到達度を客観的に正しい文章で表現できる自己の到達度をほぼ正しい日本語で客観的に表現できる左記に達していない

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
現代社会の発展は、目的に応じた材料の開発とともになされているといえる。この講義では、産業を支える代表的な無機材料、有機材料、金属材料について、その製法、用途、機能の理解を通して、これからの社会における材料開発と社会の持続可能性との関係を学ぶ。これまで学んだ化学の知識を、物質環境工学が関連する具体的な課題の解決のために使うことができるようにするための入門科目である。
授業の進め方・方法:
<毎回PCなどFormsにアクセスできるデバイスを持ってくること> 毎回の教材はTeams常にアップロードする。
技術者の卵として専門知識を活用できるような局面を想定して授業を進める。また動画教材、ICT機器も活用し理解を図る。演習問題はFormsやBlackboardに公開する。授業動画も公開しているので必要に応じてオンデマンド教材を活用できる。
注意点:
動画教材とFormsの課題を対応させる。グループワークは積極的に聞く・話す・チームに貢献する・回りに目配りするなどできるようになることも目的である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
(1)材料とは何か
金属材料、セラミックス材料、有機材料の特徴を理解し、目的の用途に応じた選択ができる。
2週 無機材料
(1)セラミックス
セラミックスとは何かを理解している。身の回りのセラミックス製品を指摘でき古代の陶磁器作成から現代のファインセラミックス作成までの変遷について、材料合成に必要なエネルギーの変遷から説明でき、環境負荷の少ない材料開発が望まれる背景を説明できる。
3週 (2)リサイクルを意識した無機材料開発 リサイクルを意識した材料開発が必要であり、さらにリサイクルによる省資源への影響としてのLCA(ライフサイクルアセスメント)の基本的計算ができる。
4週 (3)先端材料としての光ファイバ 屈折率から臨界角が計算でき、光ファイバの原理が説明できる。また、ファイバ内での光の吸収をランバートベールの法則から計算できる。
5週 有機材料
(1)汎用高分子材料
汎用高分子(プラスチック)の性質と用途、構造について理解し、目的の用途に応じた選択ができる。
6週 同上 同上
7週 (2)生分解高分子 バイオマス資源としての生分解プラスチックの構造、用途、地球環境負荷低減への効果、現状の課題について説明できし、世界の今後の研究の方向性を認識できる。
8週 単元の達成度確認テスト 演習問題としてのここまでの範囲の内容に解答できる
2ndQ
9週 金属材料 代表的な金属材料としての合金について、その用途と性質を理解している。また金属のリサイクルに関して無機化学の知識を活用できる。
10週 金属材料 代表的な金属材料としての合金について、その用途と性質を理解している。また金属のリサイクルに関して無機化学の知識を活用できる。
11週 金属材料 る。また金属のリサイクルに関して無機化学の知識を活用できる。
12週 今日の社会が求める材料・技術の理解
(1)新しい電池の開発
リチウムイオン電池、燃料電池などについてその原理や用途、それがもたらす社会的な影響について説明でき、材料開発に携わる研究者としての使命を認識できる。
13週 (2)新しい電池の開発 リチウムイオン電池、燃料電池などについてその原理や用途、それがもたらす社会的な影響について説明でき、材料開発に携わる研究者としての使命を認識できる。
14週 (3)資源のリサイクルと国際社会 資源のリサイクルは国際情勢の影響にも大きな影響を受けることを説明でき,工学技術者への道として,「社会科目」の重要性も認識できる。
15週 期末試験
16週 期末試験の解答・解説、ポートフォリオ作成 間違った箇所も解けるようになる、授業を通して習得した知識を客観的に文章で表現できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3前4
自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。3前2,前4,前5,前6,前7,前10,前11,前12
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3前13
一次電池の種類を説明できる。3前13
二次電池の種類を説明できる。3前13
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。3前3,前13,前14
人文・社会科学社会地理歴史的分野世界の資源、産業の分布や動向の概要を説明できる。3前3,前14
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。3前14
工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3前14
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3前14
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3前14
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3前14
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。2
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。2
分析化学Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。3前4
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3前14

評価割合

試験単元の達成度確認テスト課題態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合702010000100
基礎的能力105000015
専門的能力6015500080
分野横断的能力0050005