概要:
生物工学の中でも,微生物を利用したバイオテクノロジーは,食糧生産,医薬品,環境保全の分野において,極めて大きな役割を果たしてきた。本講義では,微生物の分類,構造,代謝,増殖環境,利用法,微生物に起因する感染症とその予防法などについて学習する。
授業の進め方・方法:
バイオテクノロジーの進歩は目覚ましく,21世紀を支える最も重要なテクノロジーとも言われている。新聞やニュース等で取り上げられるバイオ関係の記事には良く目を通しておくこと。定期試験は,授業で学習した内容からほとんど出題するので,授業中に真剣に取り組み,学習内容をしっかり定着させるよう努力すること。授業の最後に授業内容の定着を確認する演習をForms形式で実施することがあるので,授業中に理解する意識で臨んでください。
注意点:
授業中の居眠り・携帯電話の使用・私語など,受講態度の悪い学生は減点とするので,十分に注意すること。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
0.ガイダンス 1.微生物学の初期研究 |
本科目の学習内容と重要性を説明できる。 顕微鏡の発明,微生物の発見,自然発生説に関する実験などの初期研究について理解できる。
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2週 |
2.微生物の種類と細胞構造 |
微生物の定義と五界説における分類を説明できる。 有用な微生物の学名を書くことができる。 微生物の大きさを説明できる。
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3週 |
〃 |
細菌(原核生物)の種類,形,増殖方法,細胞構造,グラム染色による細菌の分類方法を理解できる。
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4週 |
〃 |
カビ・酵母(真核生物)の種類,増殖方法,細胞構造を説明できる。 ウィルス,原生生物,アーケアに属する生物の特徴を理解できる。
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5週 |
3.微生物の増殖と代謝 |
微生物実験に用いる滅菌方法を理解できる。 微生物の増殖曲線,全菌数と微生物の生菌数の調べ方を説明できる。
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6週 |
〃 |
計算盤を用いて微生物数が計算できる。 基本的な微生物の培養方法を理解できる。 DNAの構造,塩基の相補性,DNA・染色体・ゲノム・遺伝子の関係について理解できる。 生物試料からDNAの抽出方法を説明できる。
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7週 |
〃 |
DNAの複製と細胞周期につい理解できる。 発生過程における組織の分化について説明できる。
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8週 |
中試験 |
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4thQ |
9週 |
試験答案返却・解答解説 3.微生物の増殖と代謝 |
試験問題を通じて間違った箇所を理解できる。 DNAの遺伝情報からタンパク質を合成する転写・翻訳の過程の概要を説明できる。
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10週 |
〃
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同化・異化の定義およびエネルギー物質としてのATPについて説明できる。 炭酸同化(光合成)の過程を理解し,光合成色素の働きを説明できる。
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11週 |
〃 |
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)と好気呼吸の過程の概要を説明できる。
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12週 |
4.病気と微生物 |
免疫反応による生体防御のしくみとフィードバック制御による体内の恒常性のしくみを理解できる。
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13週 |
〃 5.利用される微生物 |
動物や植物に感染する微生物,食中毒を引き起こす微生物について理解できる。 微生物を利用した醸造や発酵食品について適切な微生物と製造方法を理解できる。
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14週 |
〃 6.環境と微生物 |
微生物を利用した主な抗生物質の生産方法について理解できる。 特殊な環境に生息する微生物の応用例について説明できる。 地球環境保護・改善に果たす微生物の役割について説明できる。
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
試験答案返却・解答解説 微生物を利用した研究に関するビデオ鑑賞 |
試験問題を通じて間違った箇所を理解できる。 最新の微生物研究を知り,理解した内容を文章にまとめることができる。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 基礎生物 | 原核生物と真核生物の違いについて説明できる。 | 2 | 後3,後4 |
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。 | 2 | 後3 |
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。 | 2 | 後10,後11 |
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。 | 2 | 後11 |
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。 | 2 | 後11 |
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。 | 2 | 後6 |
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。 | 2 | 後10 |
染色体の構造と遺伝情報の分配について説明できる。 | 2 | 後6 |
細胞周期について説明できる。 | 2 | 後7 |
分化について説明できる。 | 2 | 後7 |
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。 | 2 | 後6 |
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。 | 2 | 後12 |
免疫系による生体防御のしくみを説明できる。 | 2 | 後12 |
生物化学 | ヌクレオチドの構造を説明できる。 | 2 | 後6 |
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。 | 2 | 後6 |
DNAの半保存的複製を説明できる。 | 2 | 後7 |
RNAの種類と働きを列記できる。 | 2 | 後10 |
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。 | 2 | 後10 |
解糖系の概要を説明できる。 | 2 | 後11 |
クエン酸回路の概要を説明できる。 | 2 | 後11 |
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。 | 2 | 後11 |
各種の光合成色素の働きを説明できる。 | 2 | 後11 |
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。 | 2 | 後11 |
炭酸固定の過程を説明できる。 | 2 | 後11 |
生物工学 | 原核微生物の種類と特徴について説明できる。 | 2 | 後3 |
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。 | 2 | 後4 |
微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。 | 2 | 後5 |
微生物の育種方法について説明できる。 | 2 | 後6 |
微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。 | 2 | 後6 |
アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。 | 2 | 後11,後13 |
食品加工と微生物の関係について説明できる。 | 2 | 後12,後13 |
抗生物質や生理活性物質の例を挙げ、微生物を用いたそれらの生産方法について説明できる。 | 2 | 後9,後14 |
微生物を用いた廃水処理・バイオレメディエーションについて説明できる。 | 2 | 後14 |
分野別の工学実験・実習能力 | 化学・生物系分野【実験・実習能力】 | 生物工学実験 | 適切な方法や溶媒を用いて、生物試料から目的の生体物質を抽出し、ろ過や遠心分離等の簡単な精製ができる。 | 2 | 後6 |