1. 化学反応にともなう熱の出入り、化学反応速度の計算および化学平衡状態における物質量の計算ができる
2. 原子、イオンを電子配置や電子軌道から説明できる
3. 代表的な金属や非金属元素の単体・化合物の原子配置、性質、製法を説明できる
4. 錯体に関する基本的な性質や構造を説明できる
5.技術者の社会に対する役割や責任について説明できる
概要:
原子の構造や結合状態など物質の本質を理解する根幹となり、近年の材料開発の発展を無機材料開発分野から支えるための基礎となる科目である。このため、物質を構成する基本単位である様々な元素の性質を理解し、各元素が持つ特異な性質が原子核を取りまく電子の様々な振る舞いによることを周期表と関連付けて説明でき、 元素の組み合わせからなる様々な無機元素や化合物の構造、結合状態、性質、反応性について説明することができるようになる。したがって、今後「化学が関係する様々な課題に対して無機化学の関連の基礎知識を適用(応用)してこれを解決していける」ための基本となる科目である。
授業の進め方・方法:
高校生が学ぶ内容であるが,それをより発展させて,実社会において使える知識としてイメージできるような授業を心がける。このため,グループワークを行なうとともにICTを活用し,単に知識の暗記ではなく「使える知識」にすることが必要であることを気づいてもらえるような授業にする。演習問題を必ず毎回解くがこの際はBlackBoarddやOffice365を活用する。自宅学習用の教材も用意するので解いてみること。
注意点:
ポートフォリオとは、「自分が備えた無機化学の知識の理解を他の人にも説明する」ためのものである。
たとえば、会社の面接で「私は無機化学の知識をここまで理解し△△に活用できるから、御社にふさわしい人材だと自己評価します」など自分の評価の資料となる。このためにこの学校で蓄積されていく知識を継続してまとめていくことが重要である。ポートフォリオでは「自身のなりたい姿へのデザイン(キャリアデザイン)を考えることができる態度志向性の能力」を評価する。自学自習も主体性と自己管理能力として評価する。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス 化学反応と熱 |
反応熱の定義を理解して熱化学方程式をたて、反応熱の算出ができる。 ・発電におけるエネルギー変換について説明できる。
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2週 |
化学反応と熱 |
反応熱の定義を理解して熱化学方程式をたて、反応熱の算出ができる。 ・発電におけるエネルギー変換について説明できる。
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3週 |
化学平衡 (1)化学平衡と平衡定数の計算 |
反応速度や平衡定数の計算ができる
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4週 |
(2)平衡移動の法則 |
平衡移動の法則について理解して、実社会における化学平衡反応に対して知識を適用できる。
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5週 |
(3)溶解平衡 |
溶解度積から沈殿の生成条件につい説明できる
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6週 |
原子の構造と化学結合 (1)原子の構造と電子軌道 |
電子殻・電子軌道・量子数について説明できる
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7週 |
(2)希ガス構造とイオンの生成 |
イオン化エネルギーや電子親和力について説明でき、希ガス構造と価電子からイオンの価数を説明できる
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8週 |
前期中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
答案の解答 |
わからなかった問題を解けるようになり、現状の理解度を確認する
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10週 |
(3)周期律と周期表 |
周期律と、典型元素・遷移元素の特徴を電子配置から説明できる。 同族元素での性質について説明できる。
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11週 |
(4)化学結合 |
結晶格子の原子やイオンの充填率・密度、原子量等の計算ができる
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12週 |
(5)結晶構造 |
結晶格子の原子やイオンの充填率・密度、原子量等の計算ができる
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13週 |
無機物質の性質 (1)元素の性質
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水素、ハロゲンなど代表的な元素の製法、性質、工業的な用途や将来性について説明できる。
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14週 |
同上 |
同上
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15週 |
前期期末試験 |
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16週 |
試験答案返却・解答解説 |
間違った問題の正答を求めることができる
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後期 |
3rdQ |
1週 |
ポートフォリオの作成 |
現状としての自らの到達度をポートフォリオとして自己評価できる
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2週 |
(2)元素の性質(典型元素) |
代表的な金属元素とその化合物について製法、性質、工業的な用途について説明できる。 水溶液中の金属イオンの分離方法について説明できる
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3週 |
同上 |
同上
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4週 |
同上 |
同上
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5週 |
(3) 元素の性質(遷移元素) |
代表的な金属元素とその化合物について製法、性質、工業的な用途について説明できる。
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6週 |
同上 |
同上
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7週 |
同上 |
同上
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8週 |
後期中間試験 |
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4thQ |
9週 |
錯体の化学
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錯体化学の用語や、代表的な錯体の性質、構造、色を理解している。 錯体が生成する反応についての基本的反応式から代表的な金属の分離・定性の方法を示すことができる。
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10週 |
答案返却・解答 |
間違ったか所に解答できる
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11週 |
同上 |
同上
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12週 |
同上 |
同上
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13週 |
技術による社会貢献 |
アンモニア合成など新しい技術が社会をどのように変えてきたか代表的な例について説明できる
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14週 |
同上 |
同上
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15週 |
学年末試験 |
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16週 |
試験答案返却・解答解説 ポートフォリオ作成 |
間違った問題の正答を求めることができる。現状としての自らの到達度をポートフォリオとして自己評価できる
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。 | 3 | 前3,前5 |
分数式の加減乗除の計算ができる。 | 3 | 前3 |
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。 | 3 | 前3 |
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。 | 3 | 前3,前4 |
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。 | 3 | 前3 |
簡単な連立方程式を解くことができる。 | 3 | 前3 |
自然科学 | 化学(一般) | 化学(一般) | 物質が原子からできていることを説明できる。 | 3 | 前1,前6 |
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。 | 3 | 前7,前10 |
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。 | 3 | 前10 |
純物質と混合物の区別が説明できる。 | 3 | 前11 |
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。 | 3 | 前10 |
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。 | 3 | 前6,前7,前13,後2,後10 |
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。 | 3 | |
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。 | 3 | 前6 |
同位体について説明できる。 | 3 | 前6 |
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。 | 3 | 前6 |
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。 | 3 | 前6 |
価電子の働きについて説明できる。 | 4 | 前7 |
原子のイオン化について説明できる。 | 3 | 前7 |
代表的なイオンを化学式で表すことができる。 | 3 | 前7 |
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。 | 4 | 前7,後2 |
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。 | 3 | |
イオン式とイオンの名称を説明できる。 | 3 | 前7 |
イオン結合について説明できる。 | 3 | 前12 |
イオン結合性物質の性質を説明できる。 | 3 | 前12 |
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。 | 3 | 前12 |
共有結合について説明できる。 | 3 | 前12 |
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。 | 3 | 前11 |
金属の性質を説明できる。 | 3 | 前11 |
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。 | 3 | 前1 |
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。 | 3 | 前1 |
気体の体積と物質量の関係を説明できる。 | 3 | 前1 |
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。 | 3 | 前1 |
酸化還元反応について説明できる。 | 3 | 後5 |
イオン化傾向について説明できる。 | 4 | 後5 |
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。 | 4 | 後5 |
電気分解反応を説明できる。 | 3 | 後2,後5 |
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。 | 2 | 後2,後5 |
工学基礎 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 社会における技術者の役割と責任を説明できる。 | 3 | 後2,後5,後13 |
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。 | 3 | 後2,後5 |
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。 | 3 | 後2,後5 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 無機化学 | 主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。 | 3 | 前6,後2 |
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。 | 3 | 前6 |
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。 | 3 | 前6 |
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。 | 3 | 前10 |
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。 | 3 | 前10 |
イオン結合と共有結合について説明できる。 | 4 | 前11 |
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。 | 4 | 前11 |
金属結合の形成について理解できる。 | 4 | 前11 |
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。 | 4 | |
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。 | 4 | 前11,前12 |
配位結合の形成について説明できる。 | 4 | 後10 |
水素結合について説明できる。 | 4 | 後2 |
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。 | 4 | 後10 |
錯体の命名法の基本を説明できる。 | 4 | 後9 |
配位数と構造について説明できる。 | 4 | 後9 |
代表的な錯体の性質(色、磁性等)を説明できる。 | 4 | 後9 |
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。 | 4 | 後2,後5 |
分析化学 | 錯体の生成について説明できる。 | 2 | 後9 |