分析化学

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 分析化学
科目番号 0044 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質環境工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 ステップアップ大学の分析化学 斎藤勝裕・藤原学著(裳華房)
担当教員 松永 智子

到達目標

1. 定性分析および定量分析について種類・原理を説明できる.
2. 定量分析に必要な計算ができる.
3. 機器分析法について種類・原理を説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1定性分析および定量分析について実例をもとに種類・原理を説明できる.定性分析および定量分析について種類・原理を説明できる.左記について説明できない.
評価項目2定量分析の実例から必要な計算を自ら導き正しく解答できる.定量分析に必要な計算ができる.左記について説明できない.
評価項目3機器分析法について実例をあげて種類・原理を説明できる.機器分析法について種類・原理を説明できる.左記について説明できない.

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
化学物質がどのような元素や化合物から構成されるかを知る目的で,分析化学では化学的方法で物質の組成を決め,化学的計測を行い,分離を行う技術の原理を学びます.授業の前半は基本となる定性・定量分析法を,後半は溶液中の物質の分離法および機器分析法と固体試料の機器分析法を学びます.全体を通して溶液の濃度計算や化学平衡などの基本的事項も学びます.
授業の進め方・方法:
・実験を通じて実用的な分析技術を習得することが重要であるため,授業は第2学年の「物質工学実験I」と密接な関連をもってなされる.
注意点:
・配布されたプリント,課題、試験問題はファイルに綴じて整理し,予習復習を容易にし,自己の学習歴を見直すことが出来るようにすることを推奨する.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
〔序章〕
分析化学の概要を理解できる.
2週 溶解と濃度① 
〔第1章〕
溶解と濃度の基本を理解する.
3週 定性分析
〔第5章〕
各種イオンの定性分析法について説明できる.
4週 酸・塩基の容量分析①
〔第4章〕
中和反応を理解する.
5週 酸・塩基の容量分析②
〔第4章〕
強酸と強塩基および弱酸と弱塩基に関する説明と計
算ができる.
6週 酸化還元分析①
〔第7章(電池・起電力を除く)〕
酸化還元反応を理解する.
7週 酸化還元分析②
〔第7章(電池・起電力を除く)〕
酸化還元滴定における基本的な濃度計算ができる.
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 答案返却・解答説明 間違った問題の正答を求めることができる.
10週 重量分析
〔第6章〕
重量分析を理解し,沈殿法における基本的な濃度計算ができる.
11週 錯体生成分析
〔第8章〕
錯体生成分析を理解し,キレート滴定法における基本的な濃度計算ができる.
12週 電気化学分析
〔第9章〕
pHメーターの仕組みを理解する.
13週 原子吸光分析とUVスペクトル
〔第10章(IRを除く)〕
スペクトル測定の原理と種類を理解する.
14週 クロマトグラフィー①
〔第13章(液クロ・ガスクロを除く)〕
クロマトグラフィーの原理と種類を理解する.
15週 前期期末試験の試験答案返却・解答解説
16週
後期
3rdQ
1週 溶解と濃度②
〔第1章〕
前期学習範囲の標準的な演習問題が解ける.
2週 平衡反応①
〔第2章〕
化学平衡の考え方を理解し,各種反応に関係する化学種の濃度計算ができる.
3週 平衡反応②
〔第2章〕
化学平衡の考え方を理解し,各種反応に関係する化学種の濃度計算ができる.
4週 酸・塩基①
〔第3章〕
酸と塩基の定義,および酸性・塩基性を理解する.
5週 酸・塩基②
〔第3章〕
強酸と強塩基および弱酸と弱塩基に関する説明と計
算ができる.
6週 溶解度と溶解度積①
〔第1章・第6章〕
水の特性と溶解度について説明できる.
7週 溶解度と溶解度積②
〔第1章・第6章〕
溶解度・溶解度積に関する説明と計算ができる.
8週 後期中間試験
4thQ
9週 答案返却・解説 間違った問題の正答を求めることができる.

・強酸と強塩基および弱酸と弱塩基に関する説明と計
算ができる.
10週 UVスペクトル・IRスペクトル
〔第10章〕
UVおよびIRによるスペクトル分析の原理と特徴が説明できる.
11週 マススペクトル・NMRスペクトル
〔第11章〕
マススペクトル分析およびNMRスペクトル分析の原理と特徴が説明できる.
12週 固体試料の分析
〔配布プリント〕
X線分析法,蛍光X線分析法および電子線分析法の
原理と特徴が説明できる.
13週 蒸留・抽出・再結晶
〔第12章〕
物質の分離手段について,その原理と種類を理解する.
14週 クロマトグラフィー②
〔第13章〕
クロマトグラフィーの原理と種類を理解する.
15週 答案返却・解説 間違った問題の正答を求めることができる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。4前3
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。4前5,前7
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。4前2
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。4前2
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。4後4,後5
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。4後4,後5
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。4後4,後5
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。4後4,後5
中和反応がどのような反応であるか説明できる。4前4,前5
中和滴定の計算ができる。4前4,前5
酸化還元反応について説明できる。4前6,前7,前11
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。3
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。3
水素結合について説明できる。2
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。1前14
配位数と構造について説明できる。1前14
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。1
分析化学いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。4前3
電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。4後2,後3
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。4後6,後7
沈殿による物質の分離方法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。4前10
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。4後5
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。4後5
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。4前5,後5
錯体の生成について説明できる。4前11
陽イオンや陰イオンの関係した化学反応について理解し、溶液中の物質の濃度計算(定量計算)ができる。4前5,前7
中和滴定についての原理を理解し、酸及び塩基濃度の計算ができる。4前4,前5
酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。4前6,前7
キレート滴定についての原理を理解し、金属イオンの濃度計算ができる。4前11
光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。3前13
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。3前13
イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。4前14,後14
溶媒抽出を利用した分析法について説明できる。4後13
物理化学平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。3後5
化学工学SI単位への単位換算ができる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力500000050
専門的能力500000050
分野横断的能力0000000