物質工学化学

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 物質工学化学
科目番号 0046 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 物質環境工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 Professional Engineer Library 化学(小林淳哉編著,実教出版):1年次より継続使用
担当教員 小原 寿幸,阿部 勝正

到達目標

1.酸塩基に関する定義ができ,関係する基本的な計算ができる.
2.酸化還元に関する基本的な計算,電池や電気分解における必要な計算ができる.
3.単元における語句や法則,関係性を理解し,説明したり計算したりすることができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1酸化還元に関する定義や計算,電池や電気分解における量的関係を把握しており,必要な計算ができる.酸化還元に関する定義や計算,電池や電気分解における量的関係を概ね把握し,基本的な反応式や基本的な計算ができる.酸化還元に関する定義や計算,電池や電気分解における量的関係を把握しておらず,反応式や計算ができない.
評価項目2単元における様々な語句や気体の法則,溶液,化学平衡等の関係性を十分理解し,化学的に説明できる.単元における様々な語句や気体の法則,溶液,化学平衡等の関係性を理解し,記述することができる.単元における様々な語句や気体の法則,溶液,化学平衡等の関係性を理解しておらず,記述・説明をすることができない.
評価項目3液体の束一的性質について理解し,関連した計算問題を解くことができる.液体の束一的性質に関連した計算問題を解くことができる.液体の束一的性質に関連した計算問題を解くことができない.

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
化学系の専門科目への橋渡しとして,基本的な知識の理解と化学的な物質の捉え方を習得し,それを応用できる力を養う.また,無機化学,物理化学,有機化学,生物化学,分析化学など,種々の科目に関連する知識を習得することを目標とする.
なお、授業内容は公知の情報のみに限定されている.
授業の進め方・方法:
基本的には,黒板およびプリントを使用して講義を行う.ノートは前年度使用の物でも良い.
提出物を求める場合があるため、ルーズリーフを使用している学生は,別途とじられるような状態を想定しておいてほしい.
注意点:
・1年次の科目名「化学Ⅰ」の内容をよく復習しておくこと.
・配付プリントは紛失しないよう,各自が保管すること.
・授業中の板書は,学習のポイントとなるので,しっかりノートにとること.
・授業に支障をきたす行為(具体的には,過度な私語,講義に集中しない・寝るなどの態度,忘れ物が多いなど)は減点対象とする.
※ただし,隠蔽しようとする行為は,上記より重い減点対象とする.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス(1.0h)
酸と塩基(2.0h)
・授業の進め方,採点や評価の説明,把握をする.
2週 酸と塩基,中和反応(3.0h) ・酸塩基の定義を復習し,価数や酸塩基の強弱,中和反応式をつくることができる.
・量的関係を復習し,計算することができる.
・中和滴定を把握し,器具の名称,使い方,計算をすることができる.
3週 酸化還元反応(3.0h) ・酸化還元反応の定義を理解し,定義や酸化数の変化から酸化還元を判別することができる.
・酸化剤,還元剤を判断できる.
・イオン反応式から化学反応式を作ることができる.
4週 酸化還元反応(3.0h) ・酸化還元反応の定義を理解し,定義や酸化数の変化から酸化還元を判別することができる.
・酸化剤,還元剤を判断できる.
・イオン反応式から化学反応式を作ることができる.
5週 イオン化傾向,反応,電池(3.0h) ・イオン化傾向を把握し,反応性を理解する.
・電池の原理を把握し,電極での反応および水溶液中での反応を説明できる.
・実用電池について構造や用途を説明できる.
6週 電池,電気分解,演習問題(3.0h) ・電池と電気分解の違いを説明することができる.
・電気分解の原理を把握し,各極でのイオン反応式を作ることができる.
7週 電気量とファラデーの法則(3.0h) ・両極での反応,発生する物質などを示すことができ,発生量をファラデーの法則を用いて計算することができる.
8週 到達度確認試験(中間試験相当)
2ndQ
9週 試験答案返却・解答解説,計算復習(3.0h) ・間違った問題の正答を求めることができる.
・電気分解における計算ができる.
10週 物質の三態①(3.0h) ・分子の熱運動による状態変化がわかる.
・状態図から任意の温度圧力から状態を示すことができる.
・状態変化を把握し,現象を説明することができる.
11週 物質の三態②,気体に関する法則①(3.0h) ・熱量の計算ができる.
・気体の基本的な性質とボイル・シャルルの法則から計算ができる.
12週 気体に関する法則②と計算(3.0h) ・理想気体と実在気体の状態方程式より計算ができる.
・混合気体中の物質量や分圧の法則よりモル分率分圧全圧を計算することができる.
・計算問題を解くことができる.
13週 溶解 ・溶液についての語句を理解し,極性と溶解性について説明ができる.
14週 溶液の濃度 ・質量%濃度,モル濃度,質量モル濃度の計算ができ,任意の濃度調整を計算で求めることができる.
・溶液についての語句を理解し,極性と溶解性について説明ができる.
15週 前期期末試験
16週 試験答案返却・解答解説,復習(3.0h) ・間違った問題の正答を求めることができる.
後期
3rdQ
1週 溶解度①(3.0h) ・溶解平衡を理解し,溶解度や温度変化・蒸発による析出量を計算することができる.
2週 溶解度②(3.0h) ・水和水を含む物質の溶解度に関する計算ができる.
3週 希薄溶液の性質(3.0h) ・電解質,非電解質物質の気迫溶液に関する現象を理解し,溶質の濃度や分子量が計算できる.
4週 蒸気圧降下、凝固点降下 ・蒸気圧降下,沸点上昇,凝固点降下について基本的な計算ができる.
5週 浸透圧とコロイド①(3.0h) ・ファントホッフの式を元に,浸透圧に関する計算や分子量の計算ができる.
6週 浸透圧とコロイド②(3.0h) ・コロイドの定義,例,性質,種類や沈殿方法を説明できる.
7週 計算練習,解説(3.0h) ・計算に関する問題演習を通して,計算ができる.
8週 到達度確認試験(中間試験相当)
4thQ
9週 化学反応とエネルギー①(3.0h) ・ヘスの法則を理解し,反応熱の計算ができる.
10週 化学反応とエネルギー②(3.0h) ・生活における各種エネルギーの変換方法について説明できる.
11週 化学反応の速度と平衡①(3.0h) ・活性化エネルギーを理解し,計算ができる.
12週 化学反応の速度と平衡②(3.0h) ・濃度平衡を理解し,計算ができる.
13週 化学反応の速度と平衡③(3.0h) ・圧平衡,ルシャトリエの原理を理解し,考えることができる.
14週 計算練習,解説(3.0h) ・計算に関する問題演習を通して,計算ができる.
15週 学年末試験
16週 試験答案返却・解答解説(3.0h) ・間違った問題の正答を求めることができる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3
水の状態変化が説明できる。3
物質の三態とその状態変化を説明できる。3
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3
酸化還元反応について説明できる。3
イオン化傾向について説明できる。3
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。3
ダニエル電池についてその反応を説明できる。3
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。3
一次電池の種類を説明できる。3
二次電池の種類を説明できる。3
電気分解反応を説明できる。3
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。3前6
ファラデーの法則による計算ができる。3

評価割合

試験小テスト相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力800000080
専門的能力150000015
分野横断的能力5000005