物質工学実験Ⅰ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 物質工学実験Ⅰ
科目番号 0048 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質環境工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 富田 功・長島弘三 著「分析化学」(裳華房)
担当教員 鹿野 弘二,松永 智子

到達目標

1. 主なイオンの性質を理解し、与えられた混合試料中の陽イオンを検出できる。
2. 滴定による容量分析法を理解し、実験結果から濃度を求めることができる。
3. 実験テーマを理解し、班員と協力しながら正しい実験結果を導くことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1主なイオンの性質を理解し、与えられた混合試料中の未知陽イオンを正しく検出できる。主なイオンの性質を理解し、与えられた混合試料中の未知陽イオンを検出できる。主なイオンの性質について理解が足りず、混合試料中の未知陽イオンの分属操作が出来ない。
評価項目2滴定による容量分析法を理解し、実験結果から求めた濃度について正しく検証できる。滴定による容量分析法を理解し、実験結果から濃度を求めることができる。滴定による容量分析法を理解できず、実験結果を導くことが出来ない。
評価項目3実験テーマを理解し、班員と協力しながら正しい実験結果を導き、検証を加えることができる。実験テーマを理解し、班員と協力しながら正しい実験結果を導くことができる。実験テーマへの理解が足りず、班員と協力しても実験結果を導くことが出来ない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
無機元素の分析技術の基礎を身につける。後半の応用実験では、機器を用いた測定を行うことにより、分析機器の操作に関する基礎知識を得る。
授業の進め方・方法:
・無機分析実験は、すべての化学実験の基礎である。無機元素分析の技術を身につけるとともに、無機化合物の化学的性質を理解することも期待する。後半の応用実験では、2~3名の班にわかれて実験を行う。各自がチームの一員としての役割と責任を理解して自主的に行動してほしい。
・実験テーマの理解を深める為に、レポートは実験前(実験方法と関連事項の調査を主とする)と実験後(実際に自分の行った操作手順と結果・考察)の2種類を自筆で書くことを原則としている。尚、未提出のレポートがある場合は不合格となるので注意すること。
・実験実技は毎回の実験状況を実験器具の取り扱い、予想外の結果に対する対処、実験への取り組みの観点から評価します。
・座学と関連するので分析化学の講義も予習復習に努め十分理解していること。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 陽イオンの定性分析についてのガイダンス(コア) 主な陽イオンの性質を理解し、水溶液中での簡単な化学反応式を導くことができる。
2週 陰イオンの定性分析についてのガイダンス(コア) 主な陰イオンの性質を理解し、水溶液中での簡単な化学反応式を導くことができる。
3週 第1~3属の各陽イオンについての定性反応 ・与えられた実験器具を適切に使用できる。また予想した反応と実験結果を比較することができる。
・第1~3属の陽イオンが検出できる。
4週 第1~3属陽イオンの分離・確定 ・未知試料の陽イオンを定性分析できる。
5週 第4~6属の各陽イオンについての定性反応 ・第4~6属の陽イオンを検出できる。
6週 陰イオンの定性反応 ・各種陰イオンの検出ができる。
7週 滴定についてのガイダンス(コア) 滴定による容量分析法が理解できる。実験結果から濃度を求めることができる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 酸化還元滴定(コア) 滴定用ガラス器具が適切に使用できる。酸化還元反応を理解し、濃度の計算ができる。
10週 機器分析につてのガイダンス(コア) 次回以降の4テーマの実験の進め方がわかる。使用する機器についての注意事項を理解できる。
11週 各種滴定及び原子吸光法による水質分析 ・器具や機器を的確に扱うことができる。
・得られた結果から求める答(濃度、イオンの同定、相関関係など)を導くことができる。
12週 ミョウバンの合成とその組成決定 ・器具や機器を的確に扱うことができる。
・得られた結果から求める答(濃度、イオンの同定、相関関係など)を導くことができる。
13週 ペーパークロマトグラフィとイオン交換 ・器具や機器を的確に扱うことができる。
・得られた結果から求める答(濃度、イオンの同定、相関関係など)を導くことができる。
14週 pH計を用いた中和滴定曲線と指示薬の関係 ・器具や機器を的確に扱うことができる。
・得られた結果から求める答(濃度、イオンの同定、相関関係など)を導くことができる。
15週 期末試験
16週 実験予備日 不足した実験データを補い、レポート作成できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】分析化学実験中和滴定法を理解し、酸あるいは塩基の濃度計算ができる。3前10
酸化還元滴定法を理解し、酸化剤あるいは還元剤の濃度計算ができる。3前7,前9
キレート滴定を理解し、錯体の濃度の計算ができる。3前10
陽イオンおよび陰イオンのいずれかについて、分離のための定性分析ができる。3前1,前2
代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。3前10
物理化学実験温度、圧力、容積、質量等を例にとり、測定誤差(個人差・器差)、実験精度、再現性、信頼性、有効数字の概念を説明できる。1前7,前9

評価割合

レポート実技相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力300000030
専門的能力4030000070
分野横断的能力0000000