概要:
化学物質がどのような元素や化合物から構成されるかを知る目的で,分析化学では化学的方法で物質の組成を決め,化学的計測を行い,分離を行う技術の原理を学びます.授業の前半は基本となる定性・定量分析法を,後半は溶液中の物質の分離法および機器分析法と固体試料の機器分析法を学びます.全体を通して溶液の濃度計算や化学平衡などの基本的事項も学びます.
授業の進め方・方法:
実験を通じて実用的な分析技術を習得することが重要です。そのため「物質工学実験I」とリンクする形での授業になります。
注意点:
配布されたプリントや課題・試験問題はファイルに綴じて整理し、予習復習をしっかり行いましょう。学習履歴を残しながら学習を進めることで振り返りが容易になり、理解度の向上につながります。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
分析の基礎/化学測定の基本概念 |
化学測定の基本概念を理解する
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2週 |
定性分析/定性分析実験の解説 |
定性分析実験で扱う反応を収支の取れた化学反応式で表すことが出来る
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3週 |
溶解と濃度 |
化学量論計算が出来る モル濃度/パーセント濃度/百万分率/溶液希釈率/溶液の密度と比重を使った化学量論計算ができる
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4週 |
酸と塩基 |
酸と塩基について理解し,簡単なpHの計算ができる
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5週 |
化学平衡 |
化学平衡の概念を理解し,平衡定数式を使った濃度計算ができる.
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6週 |
溶解度と溶解度積 |
溶解度積を用いて難溶性物質の溶解度を計算できる.また,共通イオン効果についても考慮できる.
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7週 |
酸・塩基の容量分析 |
中和滴定を例に滴定法の概略を説明できる. 実験器具の精度について理解し,有効数字を正しく扱うことが出来る.
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8週 |
前期中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
答案返却・解答説明 |
間違った問題の正答を求めることができる.
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10週 |
酸化還元分析 |
酸化還元式を正しく導くことが出来る.
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11週 |
容量分析計算 |
当量と規定度を用いて正しく容量分析計算ができる.
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12週 |
酸と塩基の滴定とpH曲線 |
滴定データからpH曲線を描くことが出来る. また.それをもとに滴定に用いる指示薬を正しく選択出来る.
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13週 |
錯体生成分析と沈殿滴定 |
錯形成を理解し,EDTA滴定を正しく計算できる. 沈殿滴定の種類と概要を理解し,目的のイオン種の濃度を正しく計算できる.
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14週 |
ランバートベール/検量線 |
分光光度法の概要を理解し,濃度を求める際に検量線または標準添加法を正しく用いることが出来る. ランバートベールの法則に基づいた計算ができる.
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15週 |
クロマトグラフィーとイオン交換 |
抽出分離の原理を理解出来る. クロマトグラフィーの概略を知り,特にイオン交換法について説明できる.
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16週 |
前期期末試験の試験答案返却・解答解説
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後期 |
3rdQ |
1週 |
総合演習 |
前期学習範囲の標準的な演習問題が解ける.
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2週 |
総合演習 |
化学反応の種類について説明できる.
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3週 |
総合演習 |
各種溶液の濃度・活量等の計算ができる.
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4週 |
総合演習 |
各種溶液の濃度・活量等の計算ができる.
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5週 |
総合演習 |
反応が化学平衡に達したときの化学種の濃度を計算できる.
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6週 |
総合演習 |
反応が化学平衡に達したときの化学種の濃度を計算できる.
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7週 |
総合演習 |
酸と塩基の定義と名称を説明できる.
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8週 |
後期中間試験 |
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4thQ |
9週 |
答案返却・解説 |
間違った問題の正答を求めることができる. 強酸と強塩基の水溶液について説明できる.
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10週 |
総合演習 |
弱酸と弱塩基の水溶液について説明できる. 緩衝液を用いた際のpH変化を計算できる.
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11週 |
総合演習 |
弱酸と弱塩基の水溶液について説明できる. 緩衝液を用いた際のpH変化を計算できる.
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12週 |
総合演習 |
酸塩基滴定における濃度計算ができる.
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13週 |
総合演習 |
沈殿滴定における濃度計算ができる.
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14週 |
総合演習 |
キレート滴定における濃度計算ができる.
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15週 |
答案返却・解説 |
間違った問題の正答を求めることができる.
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学(一般) | 化学(一般) | 化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。 | 4 | 前3 |
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。 | 4 | 前5,前7 |
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。 | 4 | 前2 |
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。 | 4 | 前2 |
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。 | 4 | 後4,後5 |
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。 | 4 | 後4,後5 |
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。 | 4 | 後4,後5 |
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。 | 4 | 後4,後5 |
中和反応がどのような反応であるか説明できる。 | 4 | 前4,前5 |
中和滴定の計算ができる。 | 4 | 前4,前5 |
酸化還元反応について説明できる。 | 4 | 前6,前7,前11 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 無機化学 | 価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。 | 3 | |
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。 | 3 | |
水素結合について説明できる。 | 2 | |
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。 | 1 | 前14 |
配位数と構造について説明できる。 | 1 | 前14 |
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。 | 1 | |
分析化学 | いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。 | 4 | 前3 |
電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。 | 4 | 後2,後3 |
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。 | 4 | 後6,後7 |
沈殿による物質の分離方法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。 | 4 | 前10 |
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。 | 4 | 後5 |
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。 | 4 | 後5 |
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。 | 4 | 前5,後5 |
錯体の生成について説明できる。 | 4 | 前11 |
陽イオンや陰イオンの関係した化学反応について理解し、溶液中の物質の濃度計算(定量計算)ができる。 | 4 | 前5,前7 |
中和滴定についての原理を理解し、酸及び塩基濃度の計算ができる。 | 4 | 前4,前5 |
酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。 | 4 | 前6,前7 |
キレート滴定についての原理を理解し、金属イオンの濃度計算ができる。 | 4 | 前11 |
光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。 | 3 | 前13 |
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。 | 4 | 前13 |
イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。 | 4 | 前14,後14 |
溶媒抽出を利用した分析法について説明できる。 | 4 | 後13 |
物理化学 | 平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。 | 3 | 後5 |
化学工学 | SI単位への単位換算ができる。 | 2 | |