生物工学入門

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 生物工学入門
科目番号 0052 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質環境工学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 浜本哲郎・浜本牧子著「Q&Aで学ぶやさしい微生物学」(講談社サイエンティフィック)
担当教員 藤本 寿々

到達目標

1.微生物の分類,構造,代謝,増殖環境,利用法(食品や環境改善)について説明できる。
2.微生物に起因する感染症とその予防法について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1微生物の分類,構造,代謝,増殖環境,利用法について十分理解し,他の生物との差異や応用例について説明できる。微生物の分類,構造,代謝,増殖環境,利用法について説明できる。微生物の分類,構造,代謝,増殖環境,利用法について説明できない。
評価項目2微生物に起因する感染症やその予防法について十分理解し,免疫機能についても説明できる。微生物に起因する感染症やその予防法について説明できる。微生物に起因する感染症やその予防法について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
生物工学の中でも,微生物を利用したバイオテクノロジーは,食糧生産,医薬品,環境保全の分野において,極めて大きな役割を果たしてきた。本講義では,微生物の分類,構造,代謝,増殖環境,利用法,微生物に起因する感染症とその予防法などについて学習する。
授業の進め方・方法:
バイオテクノロジーの進歩は目覚ましく,21世紀を支える最も重要なテクノロジーとも言われている。新聞やニュース等で取り上げられるバイオ関係の記事には良く目を通しておくこと。また,4年次の「バイオ環境コース」のガイダンス的要素も含むので,興味をもって学習してもらいたい。定期試験は,授業で学習した内容からほとんど出題するので,授業中に真剣に取り組み,学習内容をしっかり定着させるよう努力すること。
注意点:
授業中の居眠り・携帯電話の使用・私語など,受講態度の悪い学生は減点とするので,十分に注意すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
微生物学の初期研究
微生物を用いたバイオテクノロジーの重要性を説明できる。
顕微鏡の発明,微生物の発見,自然発生説に関する実験,微生物培養法の確立,抗生物質の発見などの初期研究について理解できる。
2週 微生物の種類と細胞構造(1)(コア) 微生物の定義,大きさ,微生物の命名法,生息環境について理解できる。
3週 微生物の種類と細胞構造(2)(コア) 細菌の種類,形状,増殖方法について理解できる。
4週 微生物の種類と細胞構造(3)(コア) 細菌(原核生物)の内部構造と表面構造を理解し,グラム染色による細菌の分類方法を説明できる。
5週 微生物の種類と細胞構造(4)(コア) 真菌の種類と増殖方法,酵母の細胞構造(真核細胞)について説明できる。
6週 微生物の種類と細胞構造(5)(コア) ウィルス,原生生物,アーケアの種類と構造について理解できる。
7週 微生物の増殖と代謝(1)(コア) 微生物実験に用いる滅菌方法や微生物の増殖曲線について理解できる。
同化・異化の定義およびエネルギー物質としてのATPについて理解できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 試験答案返却・解答解説
微生物を利用した研究に関するビデオ鑑賞
試験問題を通じて間違った箇所を理解できる。
最新の微生物研究を知り,理解した内容を文章にまとめることができる。
10週 微生物の増殖と代謝(2)(コア) 好気呼吸と嫌気呼吸(発酵)による微生物のエネルギーの生産方法について理解できる。
11週 微生物数の測定法
微生物の培養方法
全菌数と生菌数を測定する方法を説明できる。
微生物の培養実験の基本について理解できる。
12週 病気と微生物(コア) 動物や植物に感染する微生物について理解できる。
ワクチンや免疫反応について理解できる。
13週 利用される微生物(コア) 微生物を利用した発酵食品や抗生物質の生産に関わる微生物について理解できる。
14週 環境と微生物 微生物の生育に及ぼす環境因子について説明できる。
地球環境保護・改善に果たす微生物の役割について説明できる。
15週 期末試験
16週 試験答案返却・解答解説 試験問題を通じて間違った箇所を理解できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物原核生物と真核生物の違いについて説明できる。3後3,後5
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。3後2
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。3後7
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。3後7
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。3後10
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。2
生物工学原核微生物の種類と特徴について説明できる。3後4
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。3後5
微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。3後3,後7
微生物の育種方法について説明できる。3後7
微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。3後7
アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。3後13
食品加工と微生物の関係について説明できる。3後13
抗生物質や生理活性物質の例を挙げ、微生物を用いたそれらの生産方法について説明できる。3後13
微生物を用いた廃水処理・バイオレメディエーションについて説明できる。3後14
遺伝子組換え技術の原理について理解している。2
バイオテクノロジーの応用例(遺伝子組換え作物、医薬品、遺伝子治療など)について説明できる。2後9
バイオテクノロジーが従来の技術に対して優れている点について説明できる。3後14
遺伝子組み換え技術のリスクと安全策について説明できる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力5000010060
専門的能力3000010040
分野横断的能力000減点法000