有機化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 有機化学Ⅰ
科目番号 0057 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質環境工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 有機化学(PBL編集委員会 実教出版)
担当教員 宇月原 貴光

到達目標

1.有機化合物をIUPAC命名法により命名できる
2.シクロヘキサンの安定な立体配座について説明できる
3.アルケン・アルキンの反応について説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1難しい構造の有機化合物を、IUPAC命名法により命名できる。平易な構造の有機化合物を、IUPAC命名法により命名できる。平易な構造の有機化合物を、IUPAC命名法により命名できない。
評価項目2シクロアルカノンのシスートランス2つの配座異性体の立体安定性について詳細に説明できる。シクロアルカノンのシスートランス2つの配座異性体の立体安定性について説明できる。シクロアルカノンのシスートランス2つの配座異性体の立体安定性について説明できない。
評価項目3アルケン、アルキンの反応に関して反応機構から得られる生成物を説明できる。アルケン、アルキンの反応に関して得られる生成物を説明できる。アルケン、アルキンの反応に関して得られる生成物を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
有機化学の構造と反応性を関連づけて理解するための基礎を養う。有機化学反応を決定する化学的要因、命名法、アルカン、アルキルラジカルの構造、シクロアルカン、立体異性体、アルケン、アルキン、求電子付加反応についての基本的な概念や法則を理解できることを到達レベルとする。
授業の進め方・方法:
本講義の内容は、「有機化学Ⅱ」につながる基礎の内容であるので基本的な内容を理解すること。電子論・量子論や立体化学について、できるだけ平易に時間をかけて講義するので授業中のノート作成や復習に力を入れて勉強すること。なお、教科書以外にもプリントによる説明も多くなる。また、分子構造模型の扱いに習熟できるようになってほしい。
・毎回、授業の終わりに理解度を確認するプリントを実施する。
定期試験(B,100%)
※本講義で扱う内容はすべてコアである.化学系の卒業生として習得していて当然の知識として期待されることに留意してほしい.
注意点:
・授業中態度が悪い(居眠り、携帯電話の使用)場合は減点とするので十分に注意すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、有機化合物とは(コア) 有機化合物の特徴について理解できる
2週 官能基による分類(コア) 有機化学で用いられる代表的な官能基を理解できる
3週 イオン結合と共有結合(コア) イオンと共有結合、π、σ結合について理解できる
4週 炭素の混成軌道(コア) sp3、sp2、sp混成軌道について理解できる
5週 イオンと形式電荷(コア) ルイス構造式について理解できる
6週 共鳴(コア) 共鳴構造について理解できる
7週 結合の分極と電気陰性度(コア) 極性結合について理解できる
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 アルカンの命名法(コア) IUPAC命名法を理解できる
10週 アルカンの命名法(コア) アルコール、アルデヒド、ケトン等のIUPAC命名法を理解できる
11週 シクロアルカンの命名法(コア) シクロアルカンのIUPAC命名法を理解できる
12週 ブタンの立体配座(コア) ニューマン投影図およびフィッシャー投影図を理解できる
13週 アルカンの物理的性質(コア) アルカンの物理的性質を理解できる
14週 アルカンの反応(コア) アルカンの反応について理解できる
15週 前期期末試験
16週 試験答案返却・解答解説 間違った問題の正答を求めることができる
後期
3rdQ
1週 シクロアルカンの物理的性質(コア) シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタンの物質的性質について理解できる
2週 シクロヘキサンの立体配座(コア) アキシアル水素、エクアトリアル水素について理解できる
3週 シクロヘキサンの立体配座(コア) 1,3-ジアキシアル相互作用について説明できる
4週 シクロヘキサンの立体配座(コア) シスートランス2つの立体配座について理解できる
5週 シクロヘキサンの立体配座(コア) シスートランス2つの立体配座について理解できる
6週 アルケンと共役ジエン(コア) アルケンのIUPAC命名法を理解できる
7週 CIP則(コア) CIP則による化合物命名法を理解できる
8週 後期中間試験
4thQ
9週 アルケンの反応(コア) 求電子試薬、求核試薬について理解できる
10週 アルケンの反応(コア) マルコフニコフ則について理解できる
11週 アルケンの反応(コア) ヒドロホウ素化、1,4-付加、1,2-付加反応を理解できる
12週 アルケンの反応(コア) アルケンのエポキシ化反応について理解できる
13週 アルケンの反応(コア) アルケンのオゾン分解について理解できる
14週 アルキンの反応(コア) アルキンの命名法および反応について理解できる
15週 学年末試験
16週 試験答案返却・解答解説 間違った問題の正答を求めることができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。4前1
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。4前2,前9,前10,前11
σ結合とπ結合について説明できる。4前3
混成軌道を用い物質の形を説明できる。4前4
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。4前7
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。4前4
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。4前5
共鳴構造について説明できる。4前6
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。4前13,前14,後9,後10,後11,後12,後13,後14
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。4後2,後3
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。4後4,後5,後7
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。4後6,後7
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。4
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。4
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力200000020
専門的能力800000080
分野横断的能力0000000