化学工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 化学工学Ⅰ
科目番号 0059 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質環境工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 川崎・種茂監修 化学工学 実教出版/ プリント
担当教員 寺門 修

到達目標

1.SI単位への単位換算ができる.
2.化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる.
3.流動の基本的性質を理解し,レイノルズ数を求めることや,ファニングの式による計算ができる.
4.粉粒体の基本的性質を理解し,粒径分布や粉体の分離法について説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1複雑な組立単位をSI単位へ単位換算ができ,必要な物理量の単位の推定ができる.単純なSI単位換算ができる.単純なSI単位換算ができない.
評価項目2多くの化学種を含む物質収支の計算ができる.簡単な場合の物質収支の計算ができる.物質収支の計算ができない.
評価項目3レイノルズ数やファニングの式を用い,様々な管の圧力損失を計算できる.円管内のレイノルズ数の計算とファニングの式によるエネルギー損失を計算できる.レイノルズの計算ならびにファニングの式による計算ができない.
評価項目4粒径分布や様々な粉粒体分級法の原理から,それぞれの分級法の性能評価ができる.粒径分布の計算ができ,遠心分離やろ過などの粉粒体分離法を説明できる.粒径分布の計算ができず,遠心分離やろ過などの粉粒体分離法を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
化学工業で必要な物質の量・温度・圧力・エネルギーなどの取り扱い,各プロセスでの物質収支式の解き方を学ぶ.流体の流れの概念を理解するため,装置内の流れ,流れの各収支について学び,また,固体の単位操作を理解するために,粉体,粒径分布,粉砕,沈降,ろ過,集塵,粉体の固定層の流動などについて,その概念を学ぶ.化学工業分野での生産技術システムとして重要な単位操作を学び化学工業プロセスの基礎知識を修得する.
授業の進め方・方法:
化学関連の基礎的知識に基づき,その理論を実社会での生産技術へ適用する上で,重要な各単位操作の計算方法と操作方法を理解することを特に重視する.
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1. ガイダンス ・科目の位置づけ,必要性,学習の到達目標および留意
点を理解できる.
2週 2. 化学工学とは(コア) ・化学工学の役割を説明できる.
・バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。
3週 3. SI単位と単位の換算(コア) ・SI単位と単位換算を計算できる.
4週 4. 物質収支とエネルギー収支 (コア) ・物質収支とエネルギー収支の概念を説明できる.
5週 5. プロセスの物質収支の演習(コア) ・様々なプロセスにおける物質収支の計算ができる.
6週 5. プロセスの物質収支の演習(コア) ・様々なプロセスにおける物質収支の計算ができる.
7週 5. プロセスの物質収支の演習(コア) ・様々なプロセスにおける物質収支の計算ができる.
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 試験答案返却・解答解説 ・間違った問題の正答を求めることができる.
10週 6. 液体の取り扱い ・液体のポンプ・タンクについて説明できる.
11週 7. 気体の取り扱い ・気体のポンプ・タンクについて説明できる.
12週 8. 配管 ・配管について説明できる.
13週 9. 管径と流速・流量の関係(コア) ・管径と流速・流量の関係について説明できる.
14週 10. 流れの物質収支(コア) ・流れの物質収支を計算することができる.
15週 前期期末試験
16週 試験答案返却・解答解説 ・間違った問題の正答を求めることができる.
後期
3rdQ
1週 11. 流れのエネルギー収支(コア) ・流れのベルヌーイの式を理解し,説明できる.
2週 12. 乱流と層流(コア) ・レイノルズ数を計算できる.
3週 13. 摩擦による流れのエネルギー損失(コア) ・ファニングの式を計算できる.
4週 14. 液体輸送の動力(コア) ・液体輸送の動力と効率を説明できる.
5週 15. 粉体と粒径(コア) ・粉体と粒径について説明できる.
6週 16. 粒径分布(コア) ・粒径分布曲線を作成できる.
7週 17. 安息角 ・粉体の流動性を表す安息角を計算できる.
8週 後期中間試験
4thQ
9週 試験返却・回答説明 ・試験問題を通じて,間違った箇所を理解できる.
10週 18. 粉砕と混合(コア) ・粉砕の理論と混合の目的を説明できる
11週 19. 粉体の沈降・ストークス径(コア) ・ストークスの抵抗法則,ストークス径を計算できる.
12週 20. 粉体ろ過(コア) ・ルースの定圧ろ過方程式を理解し,計算できる.
13週 21. 粉体の集塵(コア) ・サイクロン装置について説明できる.
14週 22. 粉体の固定層・流動層(コア) ・固定層・流動層について説明できる.
15週 学年末試験
16週 試験答案返却・解答解説 ・間違った問題の正答を求めることができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野化学工学SI単位への単位換算ができる。3前3
物質の流れと物質収支についての計算ができる。4前4
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。4前5,前6,前7
管径と流速・流量・レイノルズ数の計算ができ、流れの状態(層流・乱流)の判断ができる。4後2
流れの物質収支の計算ができる。4前14
流れのエネルギー収支やエネルギー損失の計算ができる。4後1,後3
流体輸送の動力の計算ができる。4後4
バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。3前2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合9050005100
基礎的能力0000000
専門的能力9050005100
分野横断的能力0000000