生化学

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 生化学
科目番号 0060 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質環境工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 いちばんやさしい生化学 (坂本 順司 著、講談社)
担当教員 上野 孝

到達目標

1. 生物体を構成する主に糖質・脂質・タンパク質・核酸について理解できる。
2. 生物体の中で化学反応を仲介する酵素について理解できる。
3. 生命物質の分解・合成とエネルギー生産に関連する主な代謝経路を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1生物体を構成する主に糖質・脂質・タンパク質・核酸について正確に理解できる。生物体を構成する主に糖質・脂質・タンパク質・核酸について理解できる。生物体を構成する主に糖質・脂質・タンパク質・核酸について理解できない。
評価項目2生物体の中で化学反応を仲介する酵素について正確に理解できる。生物体の中で化学反応を仲介する酵素について理解できる。生物体の中で化学反応を仲介する酵素について理解できない。
評価項目3生命物質の分解・合成とエネルギー生産に関連する主な代謝経路を正確に理解できる。生命物質の分解・合成とエネルギー生産に関連する主な代謝経路を理解できる。生命物質の分解・合成とエネルギー生産に関連する主な代謝経路を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本講義では生命活動の担い手であるタンパク質、酵素について学習する。さらに、食物成分からのエネルギーの産生、および糖質、脂質、タンパク質の代謝に関する基礎的知識を習得する。また、生命のプログラムである遺伝子を理解するために、核酸の構造、機能および代謝に関する基礎的知識を習得する。
授業の進め方・方法:
 本講義の履修に当たっては、2年までに学んだ化学や生物について十分に復習しておくこと。本講義は生命活動単位としての細胞の成り立ちを分子レベルで理解するために、その構成分子の構造、性状、機能に関する基礎的知識を習得する。
注意点:
○多くの専門用語が出てくるので、それらの分子構造や機能についてしっかり復習する。
○教科書を忘れたり、受講態度の悪い学生は減点する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 生化学で学ぶ内容について理解できる
2週 糖質 (コア) 糖質の種類と構造を理解し、生体内での役割を説明できる
3週 糖質 (コア) 糖質の種類と構造を理解し、生体内での役割を説明できる
4週 脂質 (コア) 脂質の種類と構造を理解し、生体における脂質二重膜の役割を説明できる
5週 脂質 (コア) 脂質の種類と構造を理解し、生体における脂質二重膜の役割を説明できる
6週 タンパク質・アミノ酸 (コア) タンパク質がアミノ酸からできていることを理解し、生命活動の主役であることを説明できる
7週 タンパク質・アミノ酸 (コア) タンパク質がアミノ酸からできていることを理解し、生命活動の主役であることを説明できる
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 答案返却・解答解説
核酸・ヌクレオチド (コア)
・試験問題を通じて間違った箇所を理解できる
・ヌクレオチドの構造を理解できる
10週 核酸・ヌクレオチド (コア) ヌクレオチドの構造を理解し、遺伝子である核酸の他にエネルギー通貨としても利用されることを説明できる
11週 核酸・ヌクレオチド (コア) ヌクレオチドの構造を理解し、遺伝子である核酸の他にエネルギー通貨としても利用されることを説明できる
12週 酵素の触媒作用 (コア) 生体触媒としての酵素の役割を理解し、その特徴を説明できる
13週 酵素の触媒作用 (コア) 生体触媒としての酵素の役割を理解し、その特徴を説明できる
14週 ビタミンと補酵素 (コア) ビタミンの種類や補酵素などの役割を説明できる
15週 前期期末試験
16週 試験答案返却・解答解説 間違った問題の正答を求めることができる
後期
3rdQ
1週 ビタミンと補酵素 (コア) ビタミンの種類や補酵素などの役割を説明できる
2週 ビタミンと補酵素 (コア) ビタミンの種類や補酵素などの役割を説明できる
3週 酵素のエネルギー共役 ATPの分解に伴うエネルギー共役により能動輸送や物質の生合成に酵素が関与することを説明できる
4週 酵素のエネルギー共役 ATPの分解に伴うエネルギー共役により能動輸送や物質の生合成に酵素が関与することを説明できる
5週 発酵と解糖系 (コア) 解糖系や補酵素NADHの酸化・還元について説明できる
6週 発酵と解糖系 (コア) 解糖系や補酵素NADHの酸化・還元について説明できる
7週 呼吸とクエン酸回路 (コア) 呼吸を担うクエン酸回路によって発酵よりもはるかに多くのエネルギーを獲得することを説明できる
8週 後期中間試験
4thQ
9週 答案返却・解答解説 ・試験問題を通じて間違った箇所を理解できる
10週 呼吸とクエン酸回路 (コア) 呼吸を担うクエン酸回路によって発酵よりもはるかに多くのエネルギーを獲得することを説明できる
11週 呼吸とクエン酸回路 (コア) 呼吸を担うクエン酸回路によって発酵よりもはるかに多くのエネルギーを獲得することを説明できる
12週 酸化的リン酸化 (コア) 酸化的リン酸化では呼吸鎖(酸化還元反応)とATP合成が起こることを説明できる
13週 酸化的リン酸化 (コア) 酸化的リン酸化では呼吸鎖(酸化還元反応)とATP合成が起こることを説明できる
14週 酸化的リン酸化 (コア) 酸化的リン酸化では呼吸鎖(酸化還元反応)とATP合成が起こることを説明できる
15週 学年末試験
16週 試験答案返却・解答解説 間違った問題の正答を求めることができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物葉緑体とミトコンドリアの進化の説について説明できる。2後11
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。3後3,後4
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。4前12,前13
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。2前12
情報伝達物質とその受容体の働きを説明できる。2前10
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。4前2,前3,前6,前7,前9,前10,前11
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。2前5
単糖と多糖の生物機能を説明できる。4前2,前3
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。4前2,前3
グリコシド結合を説明できる。4前2
多糖の例を説明できる。4前2,前3
脂質の機能を複数あげることができる。4前4,前5
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。4前4,前5
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。4前4,前5
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。4前6,前7
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。2前6,前7
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。4前6,前7
タンパク質の高次構造について説明できる。4前6,前7
ヌクレオチドの構造を説明できる。4前9,前10,前11
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。2前12,前13
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。2前12,前13
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。4前14,後1,後2
解糖系の概要を説明できる。4後5,後6
クエン酸回路の概要を説明できる。4後7,後10,後11
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。4後12,後13,後14
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。4後6

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力900000090
専門的能力100000010
分野横断的能力0000000