物質工学物理

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 物質工学物理
科目番号 0074 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質環境工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 改訂版 総合物理2 波・電気と磁気・原子(数研出版) / リードα 物理基礎・物理(数研出版),演習プリント
担当教員 長澤 修一

到達目標

1.運動に現れる特徴的な物理量について,その定義が説明でき,計算できる.
2.運動に現れる物理現象と物理法則を説明でき,計算できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1複数の物理概念,物理量を含んだ問題を解くことができる.定義から物理概念が理解でき,物理量が計算できる.計算で求めた答は単位付きで表示できる.物理量の定義が説明できない.定義式を用いた計算ができない.
評価項目2物理法則の導出過程が説明でき,問題を解くことができる.重要な物理法則が説明でき,その法則を用いて,物理量が計算できる.重要な物理法則が説明できない.

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
物理の学習を通じて、自然現象を系統的,論理的に考える能力を養い,自然現象を解明するために物理的な見方,考え方を修得する.物理は工学の基礎であり,科学技術の発展に欠かせない科目である.3年生では,円運動,万有引力,単振動,波,音波の性質について学習する.
授業の進め方・方法:
前期:円運動,万有引力,単振動
後期:波,音波
これまでに学んだ数学,特に三角関数の知識が重要となる.
公式から値を求めることも重要であるが,実際の現象を見失うことがないように心がけること.
各定期試験までの間におおむね2回の小テストを行う.小テスト実施時は次に進むための知識のまとめのときでもあるので,このときまでに最低限必要な知識を身につけておくようにすること.
数学,物理で用いる数式の丸暗記にとどまらず,その考え方や適切な表現方法を身につけるようにつとめる.数値を求める場合には,用いる値や目的量の単位にも注意を払う.
注意点:
授業態度としての問題行動(携帯電話・ゲーム機の使用,過度な私語,その他のマナー違反となる言動等)を行った場合は減点の対象とする.減点は,初回は2点,次からは,4点・8点・16点と2倍に加算し,それらを合計して減点する.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
5-1等速円運動
(1)等速円運動の基本的性質
円運動の性質が説明でき,関連する物理量(角速度,周期,回転数)を求めることができる.
2週  * 等速円運動の基本的性質 2 円運動の性質が説明でき,関連する物理量(速度,加速度,向心力)を求めることができる.
3週  *(ベクトルとしての)等速円運動する物体の
   位置、速度、加速度、向心力
位置,速度,加速度,向心力をベクトルを用いて表すことができる.
4週  * 加速度と向心力
物体に働く向心力と加速度の関係が理解でき、計算できる.
5週 5-2 慣性力と遠心力
 * 慣性力 
加速度運動している物体にはたらく慣性力を求めることができる.
6週  * 遠心力 円運動している物体にはたらく遠心力を求めることができる.遠心力と向心力の違いが説明できる.
7週 第6章 万有引力
6-1 惑星の運動
ケプラーの3法則について説明できる.
8週  6-2 万有引力の法則
円運動の性質とケプラーの法則から万有引力の法則を導出できる.
2ndQ
9週 * 重力と万有引力 万有引力の法則より重力を導出できる.
10週 第7章 単振動
7-1 単振動  
単振動に関連する物理量(速度,加速度,復元力)を求めることができる.単振り子の運動を単振動と見なし,関連する物理量を計算することができる.
11週  * グラフの作成 単振動する物体の変位、速度、加速度の時間依存性のグラフを作成できる
12週 7-2 ばね振り子(ばねの単振動)   ばねによる単振動について,関連する物理量を計算することができる
13週  * 単振動のエネルギー 単振動する物体の運動エネルギー、位置エネルギー、力学的エネルギーを計算できる
14週 7-3 単振り子
単振り子の周期と糸の長さの関係を導出できる
15週 前期期末試験
16週 試験答案返却・解答解説 試験の解説に基づいて,理解度が低い部分を理解する.
後期
3rdQ
1週 第1章 波
1-1波の表し方
* 波の発生と伝達
* 波の基本式
波,および波の要素について説明できる.
波の基本式から関連する物理量を求めることができる.
2週 * 正弦波の式と位相

図で示した正弦波を数式で表現できる
3週 (3)正弦波の式と位相
(4)平面や空間を伝わる波
正弦波の変位の時間依存性・空間依存性のグラフを作成できる
波と波面について説明できる.
4週 1-2縦波と横波
(1)横波と縦波の違い
(2)縦波の横波表示
横波と縦波の違いを説明できる
縦波の横波表示から,関連する物理量を求めることができる
5週 1-3波の反射と干渉
* 重ね合わせの原理
反射波と透過波について説明できる.固定端と自由端について説明できる.
6週 * 重ね合わせの原理 合成波,反射波について説明でき,図示や関連する物理量を求めることができる.重ね合わせの原理を使用できる.
7週 * 定常波 定常波のでき方を説明でき,節や腹の位置を求めることができる.平面波の干渉について説明でき,強めあう(弱めあう)ための条件式を使用できる.
8週 * 回折と屈折 ホイヘンスの原理を説明できる.
波の回折,反射・屈折の法則を説明できる.
4thQ
9週 * 屈折の法則の応用 スネルの法則を使用できる.全反射を説明でき、臨界入射角を計算できる.
10週 第2章 音波
2-1 音の性質
波動としての音の性質を説明できる.
11週 2-2 固有振動(定常波)
* 固有振動
* 弦の振動
両端が固定端となる弦でできる定常波について、腹と節の位置がわかり、定常波の波長を求めることができる.
12週 * 気柱の振動 両端が自由端となる開管でできる定常波について、腹と節の位置がわかり、定常波の波長を求めることができる.
13週 2-3 ドップラー効果 1 一直線上の運動において,ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる.
14週  音のドップラー効果 2 一直線上の運動において,ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる.
15週 学年末試験
16週 試験答案返却・解答解説 試験の解説に基づいて,理解度が低い部分を理解する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3前9,前11,前12
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3前10,前11,前12
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3前1,前2,前3
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3前13
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3後1,後2,後3
横波と縦波の違いについて説明できる。3後4
波の重ね合わせの原理について説明できる。3後5,後6
波の独立性について説明できる。3後5,後6
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。3後5,後6
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。3後5,後6
ホイヘンスの原理について説明できる。3後7
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。3後7
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。3後11
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。3後12
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。3後11
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。3後13,後14
自然光と偏光の違いについて説明できる。3
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。3
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。3
物理実験物理実験力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3

評価割合

試験小テスト・レポート減点合計
総合評価割合80200100
基礎的能力80200100
専門的能力0000
分野横断的能力0000