化学工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 化学工学Ⅱ
科目番号 0107 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質環境工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 川崎・種茂監修 化学工学 実教出版/プリント
担当教員 寺門 修

到達目標

1.熱交換器の構造,伝熱の原理から熱収支の計算ができる.
2.蒸留の計算についての計算ができる(ラウールの法則,マッケーブ・シール法等).
3.基本的な抽出の目的や方法を理解し,抽出率などの関係する計算ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1熱伝導や熱伝達の計算をもとに,熱交換器の熱収支の計算ができる.熱伝導や熱伝達の計算ができる.熱伝導や熱伝達の計算ができない.
評価項目2ラウールの法則に基づいた気液平衡の計算ができ,かつ蒸留搭の物質収支の式を理解した上で,マッケーブ・シール法による階段作図,理論段数計算ができる.ラウールの法則に基づいた気液平衡の計算や,マッケーブ・シール法による階段作図,理論段数計算ができる.ラウールの法則に基づいた気液平衡の計算や,蒸留搭の段数計算ができない.
評価項目3抽出の目的や様々な手法を理解し,多回抽出の計算ができる.基本的な抽出の目的や方法を理解し,単抽出の計算ができる.基本的な抽出の目的や方法が理解できず,単抽出の計算ができない.

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
化学工業で必要な基本的単位操作を理解するために,化学工学Iに引き続き,化学工学IIでは,発生する熱の取り扱いを熱交換器で学び,また,調湿の計算に必要な湿度,乾燥の機構と理論,物質を分離する蒸留操作,ガス吸収操作,抽出などの分離法を学び,化学工業分野での生産技術システムとして重要な各単位操作や各プロセスの基礎知識を修得する.
授業の進め方・方法:
化学関連の基礎的知識に基づき,その理論を実社会での生産技術へ適用する上で,重要な各単位操作の計算方法と操作方法を理解することを特に重視する.
注意点:
本科目は,化学工学Iの知識を必要とするので,化学工学Iの範囲を十分に復習しておくこと.
定期試験(年4回予定)が実施されなかった場合、実施されなかった試験回数分を課題で評価する。
例:定期試験が1回実施できなかった場合、100÷4=25点分の課題を出す。
総合評価割合100%,専門的能力100%

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1. ガイダンス 科目の位置づけ,必要性,学習の到達目標および留意
点を理解できる.
2週 2. 熱の基礎知識(2h,コア) ・顕熱と潜熱について説明できる.
3週 3. 加熱水蒸気の熱量 ・加熱水蒸気の熱量を計算できる.
4週 4. 二重管式熱交換器の熱収支(コア) ・二重管式熱交換器の熱収支を計算できる.
5週 5. 熱移動(伝導・対流・放射) ・熱移動(伝導・対流・放射)を説明できる.
6週 6. 熱伝導による熱流量(コア) ・熱伝導による熱流量を計算できる.
7週 6. 熱伝導による熱流量(コア) ・熱伝導による熱流量を計算できる.
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 試験答案返却・解答解説 ・間違った問題の正答を求めることができる.
10週 7. 熱交換器内の熱流量(コア) ・熱交換器内の熱流量を計算できる.
11週 8. 総括伝熱係数と熱伝達係数(コア) ・総括伝熱係数と熱伝達係数を計算できる.
12週 9. 放射伝熱(コア) ・放射伝熱を説明できる.
13週 10. 湿度,湿り空気の性質 ・湿度,湿り空気の性質を説明できる.
14週 11. 含水率 ・含水率を計算できる.
15週 前期期末試験
16週 試験答案返却・解答解説 ・間違った問題の正答を求めることができる.
後期
3rdQ
1週 12. 気液平衡関係の計算(コア) ・相律の定義を理解して,平衡状態の自由度を計算できる.
・沸点-組成,x-y線図やラウールの法則を理解できる.
2週 12. 気液平衡関係の計算(コア) ・沸点-組成,x-y線図やラウールの法則を理解できる.
3週 13. 単蒸留と精留(コア) ・単蒸留と精留の原理について説明できる.
4週 14. 蒸留装置の物質収支(コア) ・蒸留装置の濃縮部と回収部の物質収支が計算できる.
5週 15. 蒸留塔の段数(コア) ・マッケーブ・シール法による階段作図,理論段数計算ができる.
6週 15. 蒸留塔の段数(コア) ・マッケーブ・シール法による階段作図,理論段数計算ができる.
7週 15. 蒸留塔の段数(コア) ・マッケーブ・シール法による階段作図,理論段数計算ができる.
8週 後期中間試験
4thQ
9週 試験返却・解答解説 ・試験問題を通じて,間違った箇所を理解できる.
10週 16. 気体の溶解度 ・ヘンリーの法則を計算できる.
11週 17. ガス吸収装置 ・ガス吸収装置を説明できる.
12週 18. 抽出(固液・液液) (コア) ・固液抽出,液液抽出,三角図を説明できる.
13週 18. 抽出(固液・液液) (コア) ・固液抽出,液液抽出,三角図を説明できる.
14週 19. その他の分離法(コア) ・吸着・イオン交換・膜分離を説明できる.
15週 学年末試験
16週 試験答案返却・解答解説 ・間違った問題の正答を求めることができる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。4後1
エンタルピーの定義と適用方法を説明できる。4前3
化学工学蒸留の原理について理解できる。4後3
単蒸留、精留・蒸留装置について理解できる。4後3
蒸留についての計算ができる(ラウールの法則、マッケーブシール法等)。4後1,後2,後4,後5,後6,後7
基本的な抽出の目的や方法を理解し、抽出率など関係する計算ができる。4後12,後13
吸着や膜分離の原理・目的・方法を理解できる。4後14
バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。4後3,後4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000