1. 生体を構成する要素とその機能,生体内での物質代謝に関わる酵素のはたらきについて説明できる。
2. ミカエリスメンテンの式を理解し,酵素の反応速度やターンオーバー数を求めることができる。
3. 動物・植物の同化反応(合成),異化反応(分解),エネルギー代謝について説明できる。
概要:
生物化学は,生命現象を化学の理論によって解明する学問である。生体はどのような物質から成り立っているか,それらの物質がどのようにして合成され分解されるか,それらの物質はどのような機能を生体中で営んでいるかについて理解し,生き物の化学について基礎的な知識を身に付ける。
授業の進め方・方法:
本講義では,生物体を構成する成分とそれぞれのはたらき,生物体内で行われている化学反応,代謝経路など,生物に関する基本的な内容について学習する。第3学年で履修した「生化学」の内容と密接に関連するので,十分に復習しておくこと。
定期試験は,授業で学習した内容からほとんど出題するので,授業中,真剣に取り組み,学習内容をしっかり定着させるよう努力すること。
注意点:
授業中の居眠り・携帯電話の使用・私語など,受講態度の悪い学生は減点とするので,十分に注意すること。
本科目は学修単位(2単位)の授業であるため、履修時間は授業時間30時間と授業時間以外の学修(予習・復習、課題・テスト等のための学修)を併せて90時間である。自学自習の成果は自学自習の成果は「課題及び定期試験」によって評価する。
教育到達目標評価:定期試験80%(B),課題20%(B)
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
0.ガイダンス 1.人体(臓器・循環器系・消化器系) |
学習内容の全体像・重要性について説明できる。 ヒトの体の基本的な構造,血液循環,食物の消化,栄養の吸収について説明できる。
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2週 |
1.人体(泌尿器系・神経系) |
腎臓のはたらき,神経系の分類,情報伝達物質とその受容体,能動輸送について説明できる。
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3週 |
1.人体(内分泌系) 2.タンパク質 (1)生体をつくるタンパク質 |
ホルモンのはたらきとフィードバック制御による血糖値維持の仕組みについて説明できる。 生体を構成する成分と細胞小器官のはたらきについて説明できる。
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4週 |
(2)タンパク質の構造 (3)いろいろなタンパク質 |
タンパク質を構成するアミノ酸の種類と側鎖の特徴,ペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。 タンパク質の高次構造について化学結合から説明できる。 生体ではたらくいろいろなタンパク質について説明できる。
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5週 |
(4)タンパク質研究への応用例 2.酵素 (1)生体内の触媒=酵素 |
タンパク質関連の研究方法(定量,分子量による分離,アミノ酸配列決定,アミノ酸分析など)について説明できる。 酵素の定義,性質,構造,酵素-基質複合体,酵素の失活について説明できる。
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6週 |
(2)酵素の反応速度 |
補酵素のはたらきを例示でき,水溶性ビタミンとの関係を説明できる。 酵素と基質の量的関係と反応速度の関係について理解できる。Michaelis-Menten式を用いて,酵素の反応速度を正確に算出できる。
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7週 |
〃 (3)酵素活性(ターンオーバー数) (4)酵素の阻害剤 |
酵素活性を計算で求めることができる。 酵素の阻害剤の影響について説明できる。
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8週 |
中試験 |
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2ndQ |
9週 |
試験答案返却・解答解説 酵素研究に関するビデオ鑑賞 |
間違った問題の正答を求めることができる。 酵素を用いた物質生産や化学合成に関する研究をまとめたビデオを鑑賞し,その内容を理解することができる。
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10週 |
3.代謝 (1)同化と異化 (2)好気呼吸 |
同化と異化について説明でき,化学構造から生命活動におけるATPの役割を説明できる。 解糖系,クエン酸回路,電子伝達系の概要を説明できる。 呼吸基質が脂肪・タンパク質の場合の同化について説明できる。
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11週 |
(3)嫌気呼吸(発酵・解糖) (4)呼吸商 |
微生物と筋肉における嫌気呼吸の過程について説明できる。 呼吸商を算出し,呼吸基質の推定ができる。
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12週 |
〃
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〃
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13週 |
(5)光合成 |
光合成に関する初期研究と光合成色素のはたらきについて説明できる。 葉緑体とミトコンドリアの進化の説と細胞共生説について説明できる。
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14週 |
〃 |
光化学反応と炭酸固定のしくみを理解し,光合成の概要を説明できる。 C4植物やCAM植物について説明できる。
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
試験答案返却・解答解説 |
間違った問題の正答を求めることができる。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 基礎生物 | 原核生物と真核生物の違いについて説明できる。 | 4 | 前3 |
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。 | 4 | 前3 |
葉緑体とミトコンドリアの進化の説について説明できる。 | 4 | 前13 |
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。 | 4 | 前9 |
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。 | 4 | 前5 |
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。 | 4 | 前14 |
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。 | 4 | 前2 |
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。 | 4 | 前3 |
情報伝達物質とその受容体の働きを説明できる。 | 4 | 前2 |
生物化学 | タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。 | 4 | 前4 |
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。 | 4 | 前4 |
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。 | 4 | 前3 |
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。 | 4 | 前4 |
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。 | 4 | 前4 |
タンパク質の高次構造について説明できる。 | 4 | 前4 |
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。 | 4 | 前5 |
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。 | 4 | 前5 |
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。 | 4 | 前6 |
解糖系の概要を説明できる。 | 4 | 前9 |
クエン酸回路の概要を説明できる。 | 4 | 前9 |
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。 | 4 | 前9 |
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。 | 4 | 前11 |
各種の光合成色素の働きを説明できる。 | 4 | 前13 |
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。 | 4 | 前13 |
炭酸固定の過程を説明できる。 | 4 | 前13 |