有機化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 有機化学Ⅱ
科目番号 0112 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質環境工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 有機化学(PBL編集委員会 実教出版)
担当教員 宇月原 貴光

到達目標

1.芳香族化合物の性質および反応性について説明できる
2.ハロゲン化アルキルの置換反応および脱離反応について説明できる
3.カルボニル化合物の性質および反応性について説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1芳香族化合物の置換基による配向性を説明でき、二置換ベンゼンの配向性から生成物を予測できる。芳香族化合物の置換基による配向性を説明できる。芳香族化合物の置換基による配向性を説明できない。
評価項目2反応式からSN1,SN2反応、E1,E2反応の主生成物を予測し反応機構を説明できる反応式からSN1,SN2反応、E1,E2反応の生成物を予測できる。反応式からSN1,SN2反応、E1,E2反応の生成物を予測できない。
評価項目3カルボニル化合物の反応の機構を説明でき複雑な反応の生成物を予測し説明できるカルボニル化合物の反応機構(グリニャール、ウィッティヒ、アルドール反応)を説明できる。カルボニル化合物の反応機構(グリニャール、ウィッティヒ、アルドール反応)を説明できる。

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
有機化学Iに引き続き、有機化学の基礎として有機化合物の構造、性質、反応などを理解する。具体的には、芳香族化合物、ハロゲン化アルキル、アルコール、エーテル、アルデヒド・ケトンの基本的な性質、物性、合成法や反応について理解することを到達レベルとする。
この授業は、企業で(12年間)有機ケミカルス開発グループで仕事をしていた教員が、その経験を生かし、企業における有機合成に関する経験を生かし授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
有機化学Ⅰに引き続き講義を行う。電子論や立体化学について、できるだけ平易に時間をかけて講義するので授業中のノート作成や復習に力を入れて勉強すること。なお、教科書以外にもプリントによる説明も多くなる。
※本講義で扱う内容のほとんどがコアである.化学系の卒業生として習得していて当然の知識として期待されることに留意してほしい.
・毎回、授業の終わりに理解度を確認するプリントを実施する。
定期試験80%(B-1),小テスト4回20%(B-1)
注意点:
授業中態度が悪い(居眠り、携帯電話の使用)場合は減点とするので十分に注意すること。
JABEE教育到達目標評価 定期試験40%(B-1)、中間達成度確認認40%(B-1)、小テスト4回20%(B-1)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 芳香族化合物(コア) 安定性およびヒュッケル則について理解できる
2週 芳香族化合物(求電子置換反応)(コア) フリーデル-クラフツアルキル化およびアシル化反応を理解できる
3週 芳香族化合物(活性化と配向性)(コア) オルト・パラ配向性およびメタ配向性について説明できる
4週 芳香族化合物(I効果とM効果)(コア) 置換基のI効果およびM効果につて理解できる
5週 芳香族化合物(反応性と配向性)(コア) 置換基の違いによる反応性を説明できる
6週 芳香族化合物(反応性と配向性)(コア) 二置換ベンゼンの配向性について説明できる
7週 香族化合物(反応性と配向性)(コア) ベンザインおよびジアゾニウム塩について理解できる
8週 中間達成度確認 演習問題として1週から7週目までの範囲の内容に解答できる
2ndQ
9週 立体化学(コア) 光学異性体について説明できる
10週 立体化学(立体配置の表示法)(コア) D,L-表示法、d,l-表示法、R,S表示法について理解できる
11週 立体化学(立体配置の表示法)(コア) エナンチオマー、ジアステレオマーについて理解できる
12週 ハロゲン化アルキル(コア) 求核置換反応について理解できる
13週 ハロゲン化アルキル(SN1,SN2反応)(コア) SN1,SN2反応について説明できる
14週 ハロゲン化アルキル(E1,E2反応)(コア) E1,E2反応について説明できる
15週 期末試験
16週 試験答案返却・解答解説 間違った問題の正答を求めることができる
後期
3rdQ
1週 アルコール(コア) アルコールの性質を理解できる
2週 アルコール(反応性)(コア) 酸化、ハロゲン化アルキルの生成、エステル化反応を理解できる
3週 アルコール(生成法)(コア) カルボニル化合物の還元、グリニャール反応を理解できる
4週 フェノール(コア) フェノールの反応および性質について理解できる
5週 エーテルとエポキシド(コア) エーテルおよびエポキシドの反応性、性質を理解できる
6週 アルデヒドとケトン(コア) 性質および合成法について理解できる
7週 カルボニルの構造(コア) カルボニルの構造について理解できる
8週 中間達成度確認 演習問題として1週から7週目までの範囲の内容に解答できる
4thQ
9週 カルボニルの反応 アミンとの反応について理解できる
10週 カルボニルの反応 クレメンゼン還元、ウォルフキシュナー還元を理解できる
11週 カルボニルの反応(コア) ウィッティヒ反応を理解できる
12週 カルボニルの反応(コア) アルドール縮合を理解できる
13週 カルボニルの反応 マイケル反応、カニッツァロ反応を理解できる
14週 カルボニルの反応 クライゼン反応を理解できる
15週 学年末試験
16週 試験答案返却・解答解説 間違った問題の正答を求めることができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。4前2,前7
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。4前1
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。4前9,前10,前11
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。4前9,前10,前11
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。4前10,前11
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。4前3,前13,前14,後1,後4,後6,後7
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。4後2,後3,後5
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。4前2,前12,後3,後9,後10,後11,後12,後13,後14
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。4前3,前4
反応機構に基づき、生成物が予測できる。4前5,前6

評価割合

試験中間達成度確相互評価態度ポートフォリオ小テスト合計
総合評価割合404000020100
基礎的能力0000000
専門的能力404000020100
分野横断的能力0000000