機器分析

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 機器分析
科目番号 0116 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質環境工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 プリント
担当教員 宇月原 貴光,小林 淳哉,伊藤 穂高,清野 晃之,藤本 寿々

到達目標

1. 代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や,物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等),形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて,得られたデータの整理,計算,解析など基本的なプロセスを行うことができる。
2. 固体,液体,気体の定性・定量・構造解析・組成分析等に関して,必要な特定の分析装置に関して得られたデータの整理,計算,解析など基本的なプロセスを行うことができる。
3.結果をもとにした論理的な考察を行い,文章を通して報告することができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1分析機器の測定データをもとに目的に沿って正しい計算や解析をもれなく行うことができる分析機器の測定データをもとに目的に沿った計算や解析をほぼ行うことができる(若干の抜けや計算ミスがある)結果の整理、計算、解析ができない
評価項目2本講義で使用する分析機器の測定条件を選定し、得られたデータから考察することができる。いくつかの間違いはあるが、本講義で使用する分析機器の測定条件を選定し、得られたデータから考察することができる。結果から目的に沿った考察ができない
評価項目3実験結果から論理的な考察ができ、正しい文章で報告することができる。実験結果をもとに考察できるが、ところどころ論理性がない場合もある。あるいは客観的な表現をする文章としての正確さにかける箇所もややある。結果から考察ができない。あるいは文章としての形式をなしていない。(読み手を考えない)

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
物質工学で用いられる主要な分析機器について,その原理の理解と実習に重点をおき,分析目的に対応する機器の選択性を理解する力を養う。また,実験結果の考察方法等の機器分析の基礎技術を習得し,実習結果を正確・論理的にレポートとしてまとめる能力を育成していく。
<実務との関係>
 この科目は企業で分析機器を活用して研究開発を進めていた教員が、その経験を生かし企業での主に有機・無機材料開発に利用される代表的機器分析の活用方法について実験を通して行う授業である。
授業の進め方・方法:
本講義は前半に各分析機器のガイダンスを行い,その後,5グループに分かれて各テーマの実習を行う。
注意点:
・ガイダンスや実験中態度が悪い(居眠り,携帯電話の使用など)場合は減点とするので十分に注意すること。
・未提出のレポートがある場合は不合格となるので注意すること。
教育到達目標評価:レポート100%

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガスクロマトグラフィー(GC),
赤外吸収スペクトル(IR)
各種分析機器についての理論・原理について理解できる。
2週 ガスクロマトグラフィー(GC),
赤外吸収スペクトル(IR)
各種分析機器についての理論・原理について理解できる。
3週 ガスクロマトグラフィー(GC),
X線回折
各種分析機器についての理論・原理について理解できる。
4週 核磁気共鳴スペクトル(NMR),
X線回折
各種分析機器についての理論・原理について理解できる。
5週 核磁気共鳴スペクトル(NMR),
X線回折
各種分析機器についての理論・原理について理解できる。
6週 電子顕微鏡(SEM),
熱分析(TG-DTA)
各種分析機器についての理論・原理について理解できる。
7週 電子顕微鏡(SEM),
熱分析(TG-DTA)
各種分析機器についての理論・原理について理解できる。
8週 電子顕微鏡(SEM),
熱分析(TG-DTA)
各種分析機器についての理論・原理について理解できる。
2ndQ
9週 X線回折の実習 X線回折装置を用いて無機物質の結晶構造の解析ができる。
10週 熱分析の実習 熱分析装置を用いた熱的性質の測定を通じて材料の定量分析手法および技術を習得できる。
11週 電子顕微鏡の実習 SEMを操作して固体試料の観察と元素分析ができる。
12週 ガスクロの実習 ガスクロマトグラフを用いた定性・定量分析の手法を習得できる。
13週 赤外吸収スペクトルの実習 与えられた有機化合物をKBr錠剤法によりIRスペクトルを測定し、構造解析ができる。
14週 再(追)実験・レポート指導 提出レポートに対する添削指導を行う
15週 再(追)実験・レポート指導 不正確なデータの場合は再実験または追実験を行う
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学角を弧度法で表現することができる。3前4,前5,前9
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。4
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。4前4,前5
クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。4前6,前7,前8
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。4前6,前7,前8
分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】分析化学実験代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8
固体、液体、気体の定性・定量・構造解析・組成分析等に関して必要な特定の分析装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察をすることができる。4前12

評価割合

レポート発表相互評価態度実技試験その他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力700000070
分野横断的能力300000030