卒業研究

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 卒業研究
科目番号 0137 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 8
開設学科 物質環境工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 8
教科書/教材 プリントなど
担当教員 小原 寿幸,小林 淳哉,伊藤 穂高,宇月原 貴光,松永 智子,清野 晃之,寺門 修,藤本 寿々,水野 章敏,阿部 勝正

到達目標

1.研究を継続して遂行できる。
2.専門分野の基礎技術を身に付けることができる。
3.技術的成果を報告書にまとめることができる
4. 技術的成果を口頭で発表し討論できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1目的に対する研究の進捗状況を把握しながら、適宜計画を見直しながら継続して研究を遂行できる。研究を継続して遂行できる。研究を継続して遂行できない。
評価項目2専門分野の基礎技術および関連する他分野の基礎技術を研究のために活用できる。専門分野の基礎技術を研究に活用できる(限定された活用)。専門分野の基礎技術を研究に活用できない。
評価項目3技術的成果を報告書として論理的にまとめることができる。(章の構成、文法的な正しさ、簡潔さ、図表の適切さ、論理的・客観的な表現への配慮)。技術的成果を報告書としてまとめることができる。(左記カッコ内のいくつかは十分とは言えない)。技術的成果を表すための報告書としての要件を欠いている(左記カッコ内の配慮ができない)。
評価項目4聞き手の専門性にも配慮して技術的成果を口頭で発表でき、質問の趣旨をとらえて的確に回答できる。技術的成果を口頭で発表でき、質問に回答できる。聞き手への配慮した発表ができず、質問に回答できない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
第5学年までに修得した知識や技術を基礎として、研究課題を指導教員とともに計画し、自分自身の力で継続的に創意工夫を行ないながら実行する(A)。その過程で、専門分野の基礎技術を身につけてゆく(B)。さらに、得られたデータについて情報技術を用いて整理したり、他者との討論から問題に際しての解決策を考えられる(C,E,F)。またその成果を、正確な日本語を用いて論理的に卒業論文にまとめ、卒業研究発表会で的確にプレゼンテーションすることを目標とする(E)。
授業の進め方・方法:
先輩の卒研発表会や教員からの説明を参考に、自身が興味と意欲をもって取り組める研究室を選択すること。各研究室への配属は4月の最初の卒研時間に決定される。配属後は、指導教員の指示に従い研究を進めること。卒業研究の時間に出席するのは当然であるが、場合によっては授業時間以外に研究を進めることもある。日々の研究活動については研究日誌としてまとめることとなっている。1月下旬に一年間の成果をパワーポイントにまとめ皆の前で発表する。また、卒研要旨や卒業論文をまとめるため、普段から研究の背景や実験内容を把握し、データ整理などを行うことが大事となる。
注意点:
評価は以下のようになる.
教育到達目標評価 
研究活動(含む研究日誌)50%
卒業論文20%
発表(プレゼンテーション)30%

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 卒業研究発表会までのスケジュールおよび所属する研究室でのルールを確認・理解する。
2週 小原寿幸 「微生物バイオテクノロジーによる水産系未利用資源の資源化に関する研究」
北海道において問題となっている農・水産廃棄物の再利用を微生物バイオテクノロジーを用いて行う.具体的には,ホタテガイの内臓から呈味性エキスを,トウモロコシの残渣からバイオエタノールを製造することを目的とする.
3週 小林淳哉 「無機機能性材料の調製に関する研究」
持続可能な循環型社会を築く上で重要なリサイクル技術・環境浄化技術に関連した無機材料開発を行なう.また埋蔵文化財の新規分析技術の開発,地域資源を生かした日本酒酒造り,陸上養殖に用いる水処理技術など広く地域資源の付加価値こ向上に貢献するテーマに組む.
4週 新任教員
5週 伊藤穂高 「新規機能性有機材料の創成」
有機材料を構成する分子の機能特性を極限まで追及して医療・資源・環境など,いわゆる先端産業分野のニーズに応える高度な機能・性能を有する新しい機能性有機材料の合成および評価を行なう.
6週 清野晃之 「微生物を利用した高分子の合成」
高分子は微生物を利用することにより合成することができる.本研究では微生物の体内に高分子を合成する菌を用いてポリヒドロキシアルカン酸(PHA)の合成を試み,また,果物などに付着する菌を選抜し,その菌にセルロース膜を効率良く合成させる条件検討を行う.
7週 宇月原貴光 「生体触媒を利用する物質変換に関する研究」
 生体触媒を用いた有機合成は,環境面を考慮するとますます重要となってきており有機合成に役立たせるための様々な方法が開発されてきている.生体触媒として光合成能が高く大量培養が可能な微細藻類に注目し,それらを利用した"環境浄化"と"ものづくり"について検討を行う.
8週 寺門 修 「リサイクル環境工学に関する研究」
地球の重さは一定であり,品位の高い資源は次々と採掘されていることから,廃棄物からの資源回収は今後ますます重要になると考えられる.当研究室では化学工学,プロセス工学,材料工学などの手法により,レアメタルやプラスチックなどのリサイクル環境工学に関する研究を行う.
2ndQ
9週 田中 孝 「湖沼などの水質汚濁要因と水質浄化に関する研究」
湖沼・河川の水質環境を調査研究する.そして水質改善手法として,リン吸着材を未利用資源であるヘドロや鉄含有汚泥から開発することを目指す.このことで,対象となる湖沼や河川の水質汚濁要因を調べ,その水質改善手法を明らかとし,環境保全に役立てることを目的とする.
10週 松永智子 「生理活性物質とその機能に関する研究」
生物は,微量で顕著な生理作用をもたらす生理活性物質をつくり利用している.本研究では,有機化学,生化学,分子生物学などの手法を用いて,新規生理活性物質を広く生物界から探し,その化学構造や性質について明らかにしていく.
11週 藤本寿々 「農産物・水産生物の育種とその特性評価に関する研究」
目的の形質を持つ個体の効率的な育種や高付加価値化を目指し,農作物・水産生物を中心として,雑種交配や染色体操作を伴った有用品種の確立,加工処理・飼育環境・生物系廃棄物投与による品質変化,遺伝資源の保存技術の確立などを目的とした,生物学的・生化学的な分析・評価を行う.
12週 水野章敏 「高融点機能性物質の創製と評価」
 1500℃以上の高融点合金や高融点酸化物を主な対象とし,バルクアモルファスや高温半導体の新たな創製法の開発を試みる.特に,無容器浮遊法と呼ばれる手法を用いた研究を中心として進め,作製した物質の機械的特性や電気的特性の評価を行う。
13週 発表予稿とスライド作成 研究成果を論理的な運省にまとめることができ、英語のアブストラクトを書くことができる。
会場の大きさや発表時間を考慮して、わかりやすいスライドを作成できる
14週 研究発表会 聴衆を意識して、ルールを守ったわかりやすい発表と質疑応答ができる
15週 卒業論文作成 論理的な文章で、成果を文章でまとめることができる
16週
後期
3rdQ
1週
2週
3週
4週
5週
6週
7週
8週
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学英語英語運用能力向上のための学習英文資料を、自分の専門分野に関する論文の英文アブストラクトや口頭発表用の資料等の作成にもつながるよう、英文テクニカルライティングにおける基礎的な語彙や表現を使って書くことができる。3前13,前15
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3前1,前2,前14
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3前1,前14
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3前1,前13
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3前1,前14
他者の意見を聞き合意形成することができる。3前1,前14
合意形成のために会話を成立させることができる。3前1,前14
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。4前1,前13,前15
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。4前1,前13,前15
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。4前1,前13,前15
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。4前1,前13,前15
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。4前1,前13,前14,前15
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。4前1,前15
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12
複数の情報を整理・構造化できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。4前1,前15
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。4前1,前14,前15
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。4前1,前15
事実をもとに論理や考察を展開できる。4前1,前13,前15
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。4前1,前13,前14,前15
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3前1,前13,前14,前15
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3前1,前15
目標の実現に向けて計画ができる。3前1,前2,前3,前4
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3前1,前15
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3前1,前15
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3前1,前14,前15
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3前1,前14,前15
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3前1,前14,前15
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3前1,前15
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3前1,前15
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3前1,前15
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3前1,前15

評価割合

研究活動発表卒業論文態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合503020000100
基礎的能力100000010
専門的能力20151000045
分野横断的能力20151000045