微分積分Ⅱ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 微分積分Ⅱ
科目番号 0339 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 物質環境工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 「新版微分積分I」「新版微分積分II」 岡本和夫監修(実教出版)/「新版微分積分I演習」「新版微分積分II演習」 岡本和夫監修(実教出版)
担当教員 新田 一夫,竹花 靖彦

到達目標

1.分法の公式および置換積分や部分積分などの基本的な方法が適用でき、関連する問題が解ける
2.基本的な2変数関数の偏導関数を求めることができ、関連する問題が解ける
3.重積分の基本的な計算や積分順序の変更などの方法が適用でき、関連する問題が解ける

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1積分法の公式や置換積分、部分積分などの代表的な方法を用い、関連する問題が解ける積分法の基本的な方法を用い、関連する基本的な問題が解ける積分法の基本的な方法を用いた典型的な問題が解けない
評価項目2基本的な2変数関数の偏導関数を求めることができ、それを用いた関連する問題が解ける基本的な2変数関数の偏導関数を求めることができ、それを用いた基本的な問題が解ける基本的な2変数関数の偏導関数を用いた典型的な問題が解けない
評価項目3重積分の基本的な計算や積分順序の変更などの方法を用い、関連する問題が解ける重積分の基本的な計算や方法を用い、関連する基本的な問題が解ける重積分の基本的な計算や方法を用いた典型的な問題が解けない

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
理工学系の基礎となる科目で、積分法、2変数関数の微分(偏微分)および重積分を学ぶ。また、線形代数IIで学ぶ行列を引き継いで1次変換についてもここで学ぶ。これらについての基本的な性質と計算を学び、関連する基本的な問題を解けることを到達レベルとする。
授業の進め方・方法:
「微分積分II」で扱う内容は、これから学んでいく応用数学や専門科目などに直接的に使われる分野であり、学習内容をしっかりと身につけることが望まれる。そのために、授業の予習・復習を継続しながら、問題集などを活用して自発的に問題演習に取り組むこと。また、1,2年次に学んだ数学の内容が基礎となるので、確実な理解のために必要に応じて1,2年次の内容も復習すること。
継続的な学習の確認として小テストとレポート課題(宿題)を実施する。
注意点:
学習内容についてわからないことがあれば、教員室を積極的に訪問して質問すること。原則的には授業担当の教員が対応するが、都合が合わなければ授業担当にこだわらずにどの教員に当たってもかまわない。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
不定積分
・不定積分(原始関数)の定義、用語、記号を理解する
・xのα乗の不定積分を求められる
・関数の定数倍、和、差の不定積分の公式を適用できる
2週 不定積分
置換積分法
・三角関数、指数関数の不定積分を求められる
・x=g(t)とおく置換積分法を用い、不定積分を求められる
3週 置換積分法 ・t=g(x)とおく置換積分法を用い、不定積分を求められる
・g’(x)/g(x)の不定積分を求められる
4週 部分積分法 ・部分積分法を用い、不定積分を求められる
5週 いろいろな関数の不定積分 ・除法や部分分数分解を用いて分数関数の不定積分を求められる
・2倍角の公式や積を和に直す公式を用いて三角関数の不定積分を求められる
6週 定積分 ・定積分の定義、用語、記号を理解する
・不定積分が容易に求められる場合に定積分の計算ができる
7週 定積分の置換積分法 ・置換積分を用いて定積分を求められる
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 答案返却、定期試験問題解説
定積分の部分積分法
・間違った問題の正答を理解する
・部分積分を用いて定積分を求められる
10週 面積と定積分 ・定積分と図形の面積との関係を理解する
・曲線と直線で囲まれた図形や、2曲線で囲まれた面積を求められる
・いろいろな図形の面積を求められる
11週 体積 ・定積分と体積の関係を理解する
・基本的な立体の体積を求められる
・回転体の体積を求められる
12週 リーマン積分と微分積分法の基本定理
いろいろな不定積分
・区分求積法および微分積分法の基本定理を理解する
・無理関数の不定積分について代表的な公式を用いて不定積分を求められる
13週 いろいろな不定積分
曲線の長さ
・無理関数の不定積分について代表的な公式を用いて不定積分を求められる
・代表的な曲線の長さを定積分によって求められる
14週 広義積分 ・広義積分の定義を理解し、基本的な広義積分を求められる
15週 前期期末試験
16週 試験答案返却・解答解説
媒介変数表示の関数
・間違った問題の正答を求めることができる
・曲線の媒介変数表示を理解し、簡単な曲線が描ける
後期
3rdQ
1週 媒介変数表示の関数
極座標表示の関数
・媒介変数表示の関数の導関数を求められる
・極座標を理解し、直交座標と相互に変換できる
2週 極座標表示の関数 ・極座標表示の関数について、簡単な曲線が描ける
3週 不定形の極限 ・不定形の極限値をロピタルの定理を用いて求められる
4週 関数の近似とテイラー展開 ・関数の1次近似式、2次近似式を求められる
・簡単な関数のテイラー展開ができる
・基本的な関数のマクローリン展開ができる
5週 1次変換 ・1次変換の定義、用語、記号を理解する
・相似変換などの基本的な1次変換を理解する
・1次変換による点の像を求められる
6週 回転を表す1次変換
合成変換と逆変換
・回転を表す1次変換の行列を求められる
・回転表す1次変換による点の像などを求められる
・合成変換、逆変換を表す行列を求められる
・合成変換、逆変換による点の像などを求められる
7週 1次変換の線形性
1次変換による直線の像
・1次変換を特徴付ける線形性を理解する
・1次変換による直線の像を求められる
8週 後期中間試験
4thQ
9週 答案返却、定期試験問題解説
2変数関数とそのグラフ
・間違った問題の正答を求めることができる
・2変数関数の定義、用語を理解し、また、そのグラフが空間内の曲面になることを理解する
10週 偏導関数 ・偏導関数を求められる
・高階(主に2階)偏導関数を求められる
11週 偏導関数
2変数関数の極値問題
・2変数関数の合成関数の微分法を用い、導関数や偏導関数を求められる
・2変数関数の極大、極小を調べられる
12週 2重積分の定義と累次積分 ・2重積分の定義を理解し、矩形領域上の2重積分を累次積分によって計算できる
13週 2重積分の計算と体積 ・一般の領域上の2重積分を累次積分によって計算できる
・積分順序を変更して2重積分を求められる
・立体の体積を2重積分を用いて求められる
14週 2重積分の極座標変換 ・2重積分の極座標変換による計算ができる
15週 学年末試験
16週 試験答案返却・解答解説 ・間違った問題の正答を求めることができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。2後5,後7
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。2後6
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。2後6
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。2前16,後1
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。2前1
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。2前2,前3,前4
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。2前12
微積分の基本定理を理解している。2前10
定積分の基本的な計算ができる。2前6
置換積分および部分積分を用いて、定積分を求めることができる。2前7,前9
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。2前5,前12,前13
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。2前10
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。2前13
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。2前11
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。2後9
いろいろな関数の偏導関数を求めることができる。2後10
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。2後11
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。2後10
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。2後11
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。2後12
2重積分を累次積分になおして計算することができる。2後12
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。2後14
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。2後13

評価割合

定期試験小テストレポート合計
総合評価割合801010100
基礎的能力801010100
専門的能力0000
分野横断的能力0000