物理化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 物理化学Ⅰ
科目番号 0352 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質環境工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 PEL  物理化学(実教出版)
担当教員 小原 寿幸

到達目標

1.物理化学の基礎的事項(SI単位、熱力学特性値、温度と熱力学第零法則、熱容量、仕事、エネルギー)について説明できる。
2.物質の三態(気体、液体、固体)と状態図、相律について説明できる。
3.理想気体ならびに実在気体の状態方程式について説明できる。
4.原子核反応と放射線について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 .物理化学の基礎的事項(SI単位、熱力学特性値、温度と熱力学第零法則、熱容量、仕事、エネルギー)について説明できる。教科書を見ながらであれば、物理化学の基礎的事項(SI単位、熱力学特性値、温度と熱力学第零法則、熱容量、仕事、エネルギー)について説明できる。左記ができない。
評価項目2物質の三態(気体、液体、固体)と状態図、相律について説明できる。教科書を見ながらであれば、.物質の三態(気体、液体、固体)と状態図、相律について説明できる。 左記ができない。
評価項目3 理想気体ならびに実在気体の状態方程式について説明できる。教科書を見ながらであれば理想気体ならびに実在気体の状態方程式について説明できる。 左記ができない。
評価項目4原子核反応と放射線について説明できる。教科書を見ながらであれば、原子核反応と放射線について説明できる。左記ができない。

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
物理化学は化学全般の基礎であり、有機化学、無機化学、分析化学などの全ての化学分野の理論的な面を担うものである。本講義では、物理化学の基礎的事項について理解すると共に、物質の三態と状態図、相律、理想気体ならびに実在気体の状態方程式について基礎的知識を得ることを目的とする。
授業の進め方・方法:
物理化学は基礎的理論であり、物質の化学変化に対する一般的法則を与えるものである。法則であるからには多少とも数学的表現を用いなければならないが、出来るだけ平易に時間をかけて講義するので、授業中のノート作成や予習復習を十分に行うこと。特に、物質の状態(気体、液体、固体)や理想気体ならびに実在気体の状態方程式は、化学・物質工学の重要な柱であるので、興味を持って学習して貰いたい。
注意点:
自分で演習問題を解くことが理解を一層強めるために極めて有効であるので、章末の演習問題を解くことを勧める。また、教科書に予習の事項が記載されてあるので、毎回予習することを強く勧める。さらに、、原著に挑戦することも意義のあることである。授業中態度が悪い(居眠り,携帯電話の使用など)場合は減点とするので十分に注意すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1. 物理化学を学ぶための基礎知識
1.1 物理化学を学ぶための基礎知識Ⅰ
SI単位、熱力学特性値ならびに基礎的用語(示量因子と示強因子)、熱と熱容量について説明できる。
2週 1.2  物理化学を学ぶための基礎知識Ⅱ 物理化学における温度と熱力学第零法則、圧力について説明できる。
3週 1.3 物理化学を学ぶための基礎知識Ⅲ 仕事・エネルギーについて説明できる
4週 2.物質の状態
2.1 物質の三態ならびに状態図
物質の三態(気体、液体、固体)ならびに純物質の状態図について説明できる。相律について説明できる。
5週 2.2 気体 気体の特徴、理想気体と実在気体について説明できる。
6週 2.3 液体 液体の特徴、蒸発と凝縮、凝固と融解について説明できる。
7週 2.4 固体 固体の特徴、結晶と非晶、結晶構造について説明できる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週
試験答案返却・解答解説
3.理想気体
3.1 理想気体の性質
3.原子構造(コア)

間違った問題の正答を求めることができる.
理想気体の諸法則について説明できる。
10週 3.2 理想気体の状態方程式 理想気体の状態方程式について詳細に説明できる。
11週 3.3 混合気体の性質Ⅰ 混合気体の圧力とドルトンの法則について説明できる
12週 3.4 混合気体の性質Ⅱ 混合気体の熱容量について説明できる。
13週 3.5 気体分子運動論Ⅰ 気体の圧力、内部エネルギーと熱容量について説明できる。
14週 3.6 気体分子運動論Ⅱ 多原子分子の運動エネルギーと熱容量について説明できる。
15週 前期期末試験
16週 試験答案返却・解答解説
間違った問題の正答を求めることができる
後期
3rdQ
1週 3.7 分子速度の分布Ⅰ 分子のエネルギー分布、理想気体分子の平均速度について説明できる。
2週 3.7 分子速度の分布Ⅱ  衝突頻度と平均自由工程について説明できる。
3週 4.実在気体
4.1 理想気体からの偏倚
分子の大きさと引力、分子間ポテンシャル、臨界点について説明できる
4週 4.2 実在気体の状態方程式 ファン・デル・ワールス式ならびにビリアル状態方程式について説明できる。
5週 4.3 対応状態原理 対応状態原理ならびに一般化線図について説明できる。
6週 4.4 混合物への適用Ⅰ ファン・デル・ワールス式の適用について説明できる。
7週 4.4 混合物への適用Ⅱ ビリアル状態方程式の適用について説明できる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 答案返却・解答解説
5.原子核反応と放射線
試験問題を通じて間違った箇所を理解できる
10週 5.1 原子核と放射線 原子核の構成、同位体、各反応式について説明できる。
11週 5.2 放射線とその性質 放射能と放射線、各崩壊系列、半減期、放射線の測定単位について説明できる
12週 5.3 放射性物質と放射線の利用 放射性物質と放射線の利用について説明できる
13週 5.4 核反応と核エネルギー 核反応、核エネルギー、核分裂、核融合について説明できる。
14週 5.5 放射性元素を利用した年代測定 年代測定の例として、C13による時代考証ができる。
15週 学年末試験
16週 試験答案返却・解答解説 間違った問題の正答を求めることができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。2
物理化学放射線の種類と性質を説明できる。3後11
放射性元素の半減期と安定性を説明できる。3後11
年代測定の例として、C14による時代考証ができる。3後14
核分裂と核融合のエネルギー利用を説明できる。3後13
気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。3前10
気体の分子速度論から、圧力を定義して、理想気体の方程式を証明できる。3前10,前13
実在気体の特徴と状態方程式を説明できる。3後4
臨界現象と臨界点近傍の特徴を説明できる。3前4
混合気体の分圧の計算ができる。3前11
純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。3前4
2成分の状態図(P-x、y、T-x、y)を理解して、気液平衡を説明できる。3前4
相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。3前4
ボーアの水素モデルを説明できる。3
1次元波動方程式を解くことができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力700000070
専門的能力300000030
分野横断的能力0000000