有機工業化学

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 有機工業化学
科目番号 0396 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質環境工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 井上 祥平 著「有機工業化学」(裳華房)
担当教員 小原 寿幸

到達目標

1. 現代の化学工業を支えている石油精製および石油化学の諸反応について説明できる。
2. 石油や石炭のような化石資源から中間原料および目的物質への流れを説明できる。
3. 染料や界面活性剤のような有機資源から生産した目的物質について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1水素化精製などの石油精製および石油化学の諸反応について説明できる。教科書を見れば、石油精製および石油化学の諸反応について説明できる。石油精製および石油化学の諸反応について説明できない。
評価項目2石油や石炭のような化石資源から中間原料および目的物質への流れを説明できる。教科書を見れば、石油や石炭のような化石資源から中間原料および目的物質への流れを説明できる。石油や石炭のような化石資源から中間原料および目的物質への流れを説明できない。
評価項目3染料や界面活性剤のような有機資源から生産した目的物質について説明できる。教科書を見れば、染料や界面活性剤のような有機資源から生産した目的物質について説明できる。染料や界面活性剤のような有機資源から生産した目的物質について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 (B-2) 説明 閉じる
学習・教育到達目標 (B-3) 説明 閉じる
函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
有機工業化学は、現在の産業で製造業の基盤として最も重要な位置を占める有機化学工業の基礎となる学問である。石油のようなエネルギー資源から各種化学製品をいかにして有機化学的に変換するか、実社会に役立っている有機製品について基礎的な知識を養うことを目標とする。加えて、有機工業化学の技術が人間社会や地球環境に与える影響を理解し、それを通じて技術者としての社会的責任を説明できるようにする。
授業の進め方・方法:
極めて広範囲で学習すべき事項が多いが、出来るだけ焦点を絞って講義するので、良く授業を聞き、ノートをきちんと取ること。エネルギーや経済問題とも密接に関連するので、新聞等の化学工業やエネルギー・経済関関係の記事には良く目を通しておくこと。
注意点:
授業中態度が悪い(居眠り,携帯電話の使用など)場合は減点とするので十分に注意すること。

JABEE教育到達目標評価 定期試験100%(B-2;80%,B-3;20%)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.ガイダンス、有機工業化学とは何か 有機化学工業の歴史と発展について説明できる。
2週 2.有機工業化学製品の資源 石油などの化石資源の全体像について理解できる。
3週 3.石油 (1)石油の成因・所在・埋蔵量 石油の成因、埋蔵量と可採年数について説明できる。
4週  (2)石油の組成と製品 ガソリンを中心とした各種製品の概要が把握できる。
5週 (3)接触改質の化学 接触改質の反応および使用触媒について説明できる。
6週  (4)接触分解の化学 接触分解の反応および使用触媒について説明できる。
7週 (5) 水素の製造、水素化精製 石油の水素化精製について説明できる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 試験答案返却・解答説明  4.石油化学と天然ガス化学 間違った問題の正答を求めることができる.
10週 (1)ナフサの分解と芳香族炭化水素の製造 ナフサについて説明できる。石油から芳香族炭化水素の製造について説明できる。
11週 (2)エチレンを原料とする合成 エチレンからの誘導体の生産系統が正確に説明できる。
12週 (3)プロピレンを原料とする合成 プロピレンからの誘導体の生産系統が正確に説明できる。
13週 (4)C4炭化水素を原料とする合成 ブテン、ブタジエンからの誘導体の生産系統が説明できる。
14週 (5)芳香族炭化水素からの合成 ベンゼン、トルエン、キシレンからの誘導体の生産系統が説明できる。
15週 前期期末試験
16週 試験答案返却・解答解説(1.0h)
(6)天然ガス(1.0h)
間違った問題の正答を求めることができる.天然ガスからの有用品の製造について説明できる。
後期
3rdQ
1週 5.石炭とその化学 有機化学工業における石炭の十重要性を説明できる。
2週 (1)石炭の成因・所在・埋蔵量 石炭の成因、埋蔵量と可採年数について説明できる。
3週 (2)石炭の種類と化学構造 石炭の種類と化学構造について説明できる。
4週 (3)石炭の乾留 石炭の乾留の生成物について説明できる。
5週 (4)石炭のガス化と液化 石炭のガス化と液化について説明できる。
石炭のガス化と液化について説明できる。
石炭のガス化と液化について説明できる。



6週 6.油脂とその化学
(1)油脂とは何か
油脂とはどのようなものか説明できる。
7週 (2)油脂の加工 油脂から有用な物質の生産方法について説明できる
8週 後期中間試験
4thQ
9週 試験答案返却・解答解説(1.0h)
7.有機化学製品の物性・生理活性
・間違った問題の正答を求めることができる.有機化学製品の性質・機能について説明できる。
10週 8.染料・顔料・塗料 染料・顔料・塗料について説明できる。
11週 9.界面活性剤と洗剤(2h,) 界面活性剤と洗剤にはどのようなものがあるか説明できる。
12週 10.香料と化粧品 香料と化粧品にはどのようなものがあるか説明できる。
13週 11.医薬品および農薬 医薬と農薬にはどのようなものがあるか説明できる。
14週 12.有機工業化学と環境-製造プロセスと製品(コア) 有機工業化学製品の製造プロセスおよび製品自体と環境との関係について十分に理解し、説明できる。
15週 学年末試験
16週 試験答案返却・解答解説 ・間違った問題の正答を求めることができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力800000080
専門的能力200000020
分野横断的能力0000000