概要:
第5学年までに修得した知識や技術を基礎として、研究課題を指導教員とともに計画し、自分自身の力で継続的に創意工夫を行ないながら実行する(A-1,A-3)。その過程で、専門分野の基礎技術を身につけてゆく(B-4)。さらに、得られたデータについて情報技術を用いて整理したり、他者との討論から問題に際しての解決策を考えられる(C-1,C-2 ,E-1,F-2)。またその成果を、正確な日本語を用いて論理的に卒業論文にまとめ、卒業研究発表会で的確にプレゼンテーションすることを目標とする(E-2,E-3)。
授業の進め方・方法:
先輩の卒研発表会や教員からの説明を参考に、自身が興味と意欲をもって取り組める研究室を選択すること。各研究室への配属は4月の最初の卒研時間に決定される。配属後は、指導教員の指示に従い研究を進めること。卒業研究の時間に出席するのは当然であるが、場合によっては授業時間以外に研究を進めることもある。日々の研究活動については研究日誌としてまとめることとなっている。1月下旬に一年間の成果をパワーポイントにまとめ皆の前で発表する。また、卒研要旨や卒業論文をまとめるため、普段から研究の背景や実験内容を把握し、データ整理などを行うことが大事となる。
注意点:
評価は以下のようになる.
教育到達目標評価
研究活動(含む研究日誌)50%(A-1:30%,A-3:30%,B-4:20%,F-2:20%)
卒業論文20% (E-2:100%)
発表(プレゼンテーション)30%(C-1:25%,C-2:25%,E-1:25%,E-3:25%)
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
鹿野弘二 |
「光通信部品材料の基礎的研究」 ファイバ増幅器に用いられているテルライトガラスの原料として期待される亜テルル酸塩など複合酸化物を合成し,得られた粉末原料の材料特性を熱分析,X線回折,電子顕微鏡観察,熱音響放出測定法などにより評価する.また,合成した原料から作製したガラスについて,熱分析,赤外吸収測定を行い,ガラス原料としての可否を評価する.さらに,ゾルゲル法による複合酸化物薄膜作製法の検討も進める.
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2週 |
小原寿幸 |
「微生物バイオテクノロジーによる水産系未利用資源の資源化に関する研究」 北海道において問題となっている農・水産廃棄物の再利用を微生物バイオテクノロジーを用いて行う.具体的には,ホタテガイの内臓から呈味性エキスを,トウモロコシの残渣からバイオエタノールを製造することを目的とする.
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3週 |
小林淳哉 |
「無機機能性材料の調製に関する研究」 持続可能な循環型社会を築く上で重要なリサイクル技術・環境浄化技術に関連して,リサイクル材料開発,環境関連触媒開発を行なう.また,環境評価法としてのライフサイクルアセスメントを導入した研究を行う.
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4週 |
上野 孝 |
「生体触媒を用いた未利用資源からの有用物質生産」 世界的な人口増加や環境破壊などの問題を解決するには,微生物や酵素の有する偉大な能力を利用して現在利用されていない生物資源や生物系廃棄物から人類や生態系にとって有用な物質を生産することが重要である.北海道は農林水産業や食品加工業が盛んであり,そこから排出される廃棄物などを原料として有用物質を生産する.
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5週 |
伊藤穂高 |
「新規機能性有機材料の創成」 有機材料を構成する分子の機能特性を極限まで追及して医療・資源・環境など,いわゆる先端産業分野のニーズに応える高度な機能・性能を有する新しい機能性有機材料の合成および評価を行なう.
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6週 |
清野晃之 |
「天然物由来成分の抗菌性・抗酸化性に関する研究とその応用」 添加剤は用途に応じて様々なものがあるが,中には私たちの健康や環境に悪影響を及ぼすものがある.本研究室では,私たちの生活に負荷を与えない成分を生物資源の中から選抜し,それを添加剤として利用する研究を行なう.また,高分子材料の熱・光による劣化機構の解明とそれを防止するための添加剤に関して,分析機器を用いて評価する.
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7週 |
宇月原貴光 |
「生体触媒を利用する物質変換に関する研究」 生体触媒を用いた有機合成は,環境面を考慮するとますます重要となってきており有機合成に役立たせるための様々な方法が開発されてきている.生体触媒として光合成能が高く大量培養が可能な微細藻類に注目し,それらを利用した"環境浄化"と"ものづくり"について検討を行う.
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8週 |
寺門 修 |
「リサイクル環境工学に関する研究」 地球の重さは一定であり,品位の高い資源は次々と採掘されていることから,廃棄物からの資源回収は今後ますます重要になると考えられる.当研究室では化学工学,プロセス工学,材料工学などの手法により,レアメタルやプラスチックなどのリサイクル環境工学に関する研究を行う.
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2ndQ |
9週 |
田中 孝 |
「湖沼などの水質汚濁要因と水質浄化に関する研究」 湖沼・河川の水質環境を調査研究する.そして水質改善手法として,リン吸着材を未利用資源であるヘドロや鉄含有汚泥から開発することを目指す.このことで,対象となる湖沼や河川の水質汚濁要因を調べ,その水質改善手法を明らかとし,環境保全に役立てることを目的とする.
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10週 |
松永智子 |
「生理活性物質とその機能に関する研究」 生物は,微量で顕著な生理作用をもたらす生理活性物質をつくり利用している.本研究では,有機化学,生化学,分子生物学などの手法を用いて,新規生理活性物質を広く生物界から探し,その化学構造や性質について明らかにしていく.
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11週 |
藤本寿々 |
「農産物・水産生物の育種とその特性評価に関する研究」 目的の形質を持つ個体の効率的な育種や高付加価値化を目指し,農作物・水産生物を中心として,雑種交配や染色体操作を伴った有用品種の確立,加工処理・飼育環境・生物系廃棄物投与による品質変化,遺伝資源の保存技術の確立などを目的とした,生物学的・生化学的な分析・評価を行う.
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12週 |
水野章敏 |
「高融点機能性物質の創製と評価」 1500℃以上の高融点合金や高融点酸化物を主な対象とし,バルクアモルファスや高温半導体の新たな創製法の開発を試みる.特に,無容器浮遊法と呼ばれる手法を用いた研究を中心として進め,作製した物質の機械的特性や電気的特性の評価を行う。
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13週 |
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14週 |
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15週 |
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
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2週 |
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3週 |
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4週 |
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5週 |
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6週 |
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7週 |
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8週 |
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4thQ |
9週 |
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10週 |
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11週 |
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12週 |
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13週 |
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14週 |
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15週 |
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | 有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。 | 3 | 前7,前10 |
高分子化合物がどのようなものか説明できる。 | 4 | 前5,前6 |
重合反応について説明できる。 | 4 | 前5 |
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の反応を説明できる。 | 4 | 前5 |
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の特徴を説明できる。 | 4 | 前5 |
無機化学 | セラミックス(ガラス、半導体等)、金属材料、炭素材料、半導体材料、複合材料等から、生活及び産業を支えるいくつかの重要な無機材料の用途・製法・構造等について理解している。 | 3 | 前1,前3,前8,前12 |
分析化学 | 溶媒抽出を利用した分析法について説明できる。 | 3 | 前6,前7,前10,前11 |
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。 | 3 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12 |
クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。 | 3 | 前2,前4,前6,前7,前10 |
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。 | 3 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12 |
化学工学 | 分級や粒径分布について理解している。 | 3 | 前4 |
生物化学 | 酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。 | 4 | 前2,前4,前6 |
生物工学 | 微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。 | 3 | 前2,前4,前5,前6,前7,前11 |
微生物の育種方法について説明できる。 | 3 | 前2,前4,前5,前6,前7,前11 |
微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。 | 3 | 前2,前4,前5,前6,前7,前11 |
アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。 | 3 | 前2,前4 |