マテリアル工学実験

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 マテリアル工学実験
科目番号 0406 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質環境工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 4
教科書/教材 自作プリント(実験テキスト,理系文章の書き方)
担当教員 小林 淳哉,松永 智子

到達目標

1.産業を支えるいくつかの無機材料について、基本的な合成方法と物性の評価方法を説明できる。
2.高機能化など、物性の向上のための実験計画を考えることができ、その方法の効果を評価できる。
3.得られた技術的な成果を、報告書および口頭で説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1基本的な材料合成の方法と物性の評価、各種計算を正しく行うことができる基本的な材料合成の方法と物性の評価、各種計算を行うことができる左記に達していない
評価項目2実験計画を複数の方法から立てることができ、計画的に実行し、課題解決への取組の効果を評価できる実験計画を立てることができ、課題解決に計画的に取り組むことができる左記に達していない
評価項目3正しい日本語による文章や、適切な図表を選択して、技術的成果を論理的に説明できる日本語による文章や、適切な図表を選択して、技術的成果を説明できる左記に達していない
評価項目4実験成果を聞き手の専門性を考慮して、スライドを通して口頭発表できる。実験成果をスライドを通して口頭発表できる。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 (A-3) 説明 閉じる
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学習・教育到達目標 (E-3) 説明 閉じる
学習・教育到達目標 (F-1) 説明 閉じる
学習・教育到達目標 (F-3) 説明 閉じる
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函館高専教育目標 B 説明 閉じる
函館高専教育目標 E 説明 閉じる
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教育方法等

概要:
これまで学んだ無機化学や分析化学の知識を活用し、機能性無機材料の基本的な合成方法と物性の評価方法を選択できるようになるための科目である。Project Based Learning(PBL)科目であるので、課題の解決方法はテーマごとに異なり、その方法も自らが考えることが求められる。
授業の進め方・方法:
実験は3名程度のグループで行う。実験は必要な技術や理論を学ぶ基本実験とそれを発展させた発展実験からなる。発展実験では教師は必要最低限のことしか指導しないので、自分達で考え、調査する。基本実験,発展実験に何回の実験時間を当てるかは各テーマにより異なる。発展実験前は計画的に実施できるように、何をいつまでに検討するかをグループで事前に十分に話し合い、実験計画書を作成し、教員のチェックを受けること。
レポートは基本実験、発展実験ともに提出する。非論理的、文法上の誤りなどは再提出させる。(別途評価の指標を配布する)
・基本実験(20%)では、専門工学の基本的な理解(B-4,10%)、日本語として論理的に成果をまとめる能力(E-2,10%)を評価する
・発展実験(40%)では、上記の基本実験での2つの評価に加え、試行錯誤の履歴から,汎用的技能としての「エンジニアリングデザイン能力(F-3,10%)」「創意工夫のための実行力(A-3,10%)」を評価する。
・実験計画書(10%)では、取り組むべき課題を明確化し,それを解決する実験方法を提示できる能力を評価する(F-1)。
・報告会(30%)では、専門工学の理解(B-4,10%)、図表の適切さや口頭発表としての形式なども含めた発表としての形式でのプレゼンテーション能力(E-3,20%)を評価する。
注意点:
JABEE教育到達目標評価:基本実験レポート20%(B-4:50%,E-2:50),発展実験レポー40%(A-3:25%,B-4:25%,E-2:25%,F-3:25%,),実験計画書10%(F-1:100%),報告会30%(B-4:33.3%, E-3:66.7%)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 実験の進め方、評価の方法について把握する
2週 基本実験の説明 基本実験のテーマについて実験操作、目的、実験する上での危険性など説明できるようになる。
3週 同上 同上
4週 発展実験の説明 発展実験で明らかにすること、実験計画の重要性など説明できるようになる
5週 同上 同上
6週 基本実験 実験操作、実験データのまとめ、考察など、必要な情報をまとめられる
7週 同上 同上
8週 実験計画書作成 基本実験に基づいた実験計画を目的と実験方法、スケジュールなど盛込んで文章にすることができる。
4thQ
9週 発展実験 実験計画に沿った実験を進め、結果をもとに考察することができる。
10週 発展実験 同上
11週 発展実験 同上
12週 発展実験 同上
13週 発展実験 同上
14週 報告会スライド作成 実験で明らかにできた結果と考察を他者にわかりやすいという視点で取りまとめることができる。
15週 実験報告会 他者に実験結果を口頭で分かりやすく説明でき、質問に対して端的に回答できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。3
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。4
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。4
イオン式とイオンの名称を説明できる。4
金属の性質を説明できる。3
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。3
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。4
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。4
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。4
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。4
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。4
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。4
中和反応がどのような反応であるか説明できる。また、中和滴定の計算ができる。4
イオン化傾向について説明できる。4
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。4
電気分解反応を説明できる。4
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。2
ファラデーの法則による計算ができる。4
化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。4
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。4
測定と測定値の取り扱いができる。4
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。4
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。4
ガラス器具の取り扱いができる。4
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。4
試薬の調製ができる。4
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。4
人文・社会科学社会公民哲学者の思想に触れ、人間とはどのような存在と考えられてきたかについて理解できる。2
諸思想や諸宗教において、自分が人としていかに生きるべきと考えられてきたかについて理解できる。2
諸思想や諸宗教において、好ましい社会と人間のかかわり方についてどのように考えられてきたかを理解できる。2
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学についての基礎的原理や現象を、実験を通じて理解できる。4
物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。4
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。4
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。4
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。4
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。4
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。3
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。3
セラミックス(ガラス、半導体等)、金属材料、炭素材料、半導体材料、複合材料等から、生活及び産業を支えるいくつかの重要な無機材料の用途・製法・構造等について理解している。3
分析化学いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。3
沈殿による物質の分離方法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。3
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。2
陽イオンや陰イオンの関係した化学反応について理解し、溶液中の物質の濃度計算(定量計算)ができる。4
光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。3
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。3
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。3
分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】分析化学実験中和滴定法を理解し、酸あるいは塩基の濃度計算ができる。3
陽イオンおよび陰イオンのいずれかについて、分離のための定性分析ができる。4
代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。4
固体、液体、気体の定性・定量・構造解析・組成分析等に関して必要な特定の分析装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察をすることができる。4
専門的能力の実質化PBL教育PBL教育工学が関わっている数々の事象について、自らの専門知識を駆使して、情報を収集することができる。3
集められた情報をもとに、状況を適確に分析することができる。3
与えられた目標を達成するための解決方法を考えることができる。3
状況分析の結果、問題(課題)を明確化することができる。3
各種の発想法や計画立案手法を用いると、課題解決の際、効率的、合理的にプロジェクトを進めることができることを知っている。2

評価割合

レポート(基本実験)レポート(発展実験)成果報告会計画書ポートフォリオその他合計
総合評価割合2040301000100
基礎的能力0000000
専門的能力10101000030
分野横断的能力103020100070