分子生物学

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 分子生物学
科目番号 0441 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質環境工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「生物の基本ノート生化学・分子生物学編」(山川喜輝著 中経出版)
担当教員 藤本 寿々

到達目標

1. 遺伝物質であるDNAの構造・機能・複製・転写・翻訳の過程について説明できる。
2. 体内での免疫反応における細胞学的・分子学的なはたらきについて説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1遺伝物質であるDNAの構造・機能・複製・転写・翻訳の過程について十分理解し,遺伝子の発現の一連の過程について論理的に説明できる。遺伝物質であるDNAの構造・機能・複製・転写・翻訳の過程について理解し,遺伝子の発現の一連の過程について大まかに説明できる。遺伝物質であるDNAの構造・機能・複製・転写・翻訳の過程について説明できない。
評価項目2体内での免疫反応おける,細胞学的・分子学的なはたらきについて,論理的に説明できる。体内での免疫反応おける,細胞学的・分子学的なはたらきについて,大まかに説明できる。体内での免疫反応おける,細胞学的・分子学的なはたらきについて説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 (B-3) 説明 閉じる
函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
生物はDNAに刻まれた遺伝情報を利用してタンパク質を合成し,生命活動を営んでいる。本講義では,遺伝物質がDNAであることを解明した歴史的発見を紹介し,遺伝子の構造と機能,遺伝情報の発現の過程について正確に理解することで分子生物学の概要を習得することを目的とする。また,分子生物学分野で用いる遺伝子組み換え等のテーマを通じて,分子生物学における倫理面についても習得する。さらに,体内での免疫反応における,細胞学的,分子学的なはたらきについて習得する。(B-3:100%)
授業の進め方・方法:
「分子生物学」という研究分野は研究の進展が著しく,発展的な内容も含まれるが,学習内容をもとにして,身近な生命現象や昨今の生命科学技術について,科学的な見地から解釈・判断・評価できるようになってもらいたい。定期試験は,授業で学習した内容からほとんど出題するので,授業中,真剣に取り組み,学習内容をしっかり定着させるよう努力すること。
注意点:
また,授業中の居眠り・携帯電話の使用・私語など,受講態度の悪い学生は減点とするので,十分に注意すること。

JABEE教育到達目標評価:定期試験80%(B-3),課題20%(B-3)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
1.遺伝子の基礎(コア)
(1)メンデルの法則と遺伝子の発見
生物の本質は遺伝にあることを説明できる。
メンデルの法則,染色体,遺伝子について説明できる。
2週 (2)遺伝子の実体(形質転換)
(3)情報高分子DNAの構造
遺伝物質がDNAであることを証明した数々の実験について説明できる。
DNAの分子構造,二重らせん構造を説明できる。
3週 (4)DNAはどのように存在するか
(5)DNAの複製
真核生物と原核生物のDNAの存在場所・様式の違いについて説明できる。
DNAの複製方法について説明できる。
4週 (6)半保存的複製を証明した実験
(7)DNA合成のエネルギー
2.タンパク質の合成(コア)
(1)RNA
(2)転写と翻訳
DNAの半保存的複製を明らかにした実験およびDNA複製に必要なエネルギーについて説明できる。
RNAの種類と分子構造を説明できる。
セントラルドグマについて説明できる。
DNAの転写と翻訳の概要について説明できる。
塩基配列から合成されるタンパク質を説明できる。
5週 (3)転写と翻訳の実際
(4)転写の開始と終了
DNAのイントロンとエキソンの概念を説明できる。
RNAのプロセシングについて説明できる。
プロモーター・ターミネーターについて説明できる。
6週 (5)原核細胞の転写・翻訳
(6)タンパク質は翻訳後にどうなるか
真核細胞と原核細胞の転写・翻訳の違いについて説明できる。
タンパク質の修飾・折りたたみについて説明できる。
7週 (7)遺伝子の異常
(8)分子時計
遺伝子の突然変異,遺伝病について説明できる。
遺伝子変異から生物の分岐年代について説明できる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 ・試験答案返却・解答解説
・ビデオ鑑賞
間違った問題の正答を求めることができる。
ビデオ鑑賞により遺伝子研究の最先端に触れる。
10週 3.発生と分化
(1)発生過程における誘導と誘導物質
(2)再生医療への可能性
誘導とアクチビンの誘導実験について説明できる。
幹細胞,ES細胞,iPS細胞について説明できる。
11週 4.遺伝子工学(コア)
(1)遺伝子工学の技術
(2)遺伝子組み換え
DNA抽出法,PCR法の原理について説明できる。
塩基配列を決定する方法について説明できる。
遺伝子組み換え技術の概要を説明できる。
12週 (3)バイオテクノロジーへの応用と倫理的問題 先端バイオ技術の倫理的な面について,自分の考えを述べることができる。(ポートフォリオ作成)
13週 5.分子から見た免疫
(1)免疫のしくみ
細胞性免疫・体液性免疫について説明できる。
14週 (2)抗体 抗体の本体,多様性について説明できる。
15週 前期期末試験
16週 試験答案返却・解答解説 間違った問題の正答を求めることができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力600000060
専門的能力2000020040
分野横断的能力000減点000