物理化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 物理化学Ⅱ
科目番号 0442 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質環境工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 ステップアップ大学の物理化学(齋藤勝裕・林久夫著、裳華房)
担当教員 小原 寿幸

到達目標

1.化学熱力学における重要な因子であるエンタルピーとエントロピーについて説明できる。
2.平衡論における重要な因子であるギブズエネルギーについて説明できる。
3.溶液の性質と酸化還元反応について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1化学熱力学における重要な因子であるエンタルピーとエントロピーについて説明できる。教科書を見ながらであれば、化学熱力学における重要な因子であるエンタルピーとエントロピーについて説明できる。化学熱力学における重要な因子であるエンタルピーとエントロピーについて説明できない
評価項目2平衡論における重要な因子であるギブズエネルギーについて説明できる教科書を見ながらであれば、平衡論における重要な因子であるギブズエネルギーについて説明できる平衡論における重要な因子であるギブズエネルギーについて説明できない。
評価項目3溶液の性質と酸化還元反応について説明できる。教科書を見ながらであれば、溶液の性質と酸化還元反応について説明できる。溶液の性質と酸化還元反応について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 (B-1) 説明 閉じる
学習・教育到達目標 (B-2) 説明 閉じる
函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
物理化学は化学全般の基礎であり、有機化学、無機化学、分析化学などの全ての化学分野の理論的な面を担うものである。本講義では、物理化学の極めて重要な分野である化学熱力学と平衡論、溶液の性質における基礎的知識を習得し、特に反応系への応用が実際の問題でどのように行われるかを学ぶことを目的とする。
授業の進め方・方法:
物理化学は基礎的理論であり、物質の化学変化に対する一般的法則を与えるものである。法則であるからには多少とも数学的表現を用いなければならないが、出来るだけ平易に時間をかけて講義するので、授業中のノート作成や復習を十分に行うこと。特に、化学熱力学・平衡論は、化学・物質工学の重要な柱であるので、興味を持って学習して貰いたい。
注意点:
自分で演習問題を解くことが理解を一層強めるために極めて有効であるので、章末の演習問題を解くことを勧める。また、原著に挑戦することも意義のあることである。
授業中態度が悪い(居眠り,携帯電話の使用など)場合は減点とするので十分に注意すること。

JABEE教育到達目標評価 定期試験100%(B-2:70%,B-1:30%

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.物質の状態Ⅱ 物質の状態について理解できる。
2週 1.1 物質の三態 固体・液体・気体の状態変化について説明できる。
3週 1.2 水の状態図 水の状態図を正確に書くことができる。
4週 1.3 気体の性質 気体の性質について説明できる。
5週 1.4 三態以外の状態 液晶、非晶質固体について説明できる。
6週 2. 化学熱力学 化学熱力学の概要について理解できる。
7週  2.1熱・仕事・エネルギー 熱・仕事・エネルギーの基本的な概念を説明できる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 試験答案返却・解答解説
2.2 熱力学第一法則
試験問題を通じて間違った箇所を理解できる。
熱力学第一法則を理解すると共に詳細に説明できる。
10週 2.3 等温・定積・低圧変化 熱力学の変化の種類について説明できる。
11週 2.4 エンタルピー エンタルピーについて理解できる。化合物の標準生成エンタルピーを計算できる。
12週  2.5 定圧熱容量 定圧熱容量について詳細に説明できる。
13週 2.6 ヘスの法則 ヘスの法則を用いて、反応熱を計算できる。
14週  2.7 エンタルピーの温度依存性 エンタルピーの温度変化(キルヒホッフの法則)を説明できる。
15週 前期期末試験
16週 試験答案返却・解答解説 間違った問題の正答を求めることができる。
後期
3rdQ
1週 2.8 エントロピー エントロピーを熱測定で求める方法について説明できる。
2週 2.9 エントロピーの計算 エントロピーの計算方法について説明できる。
3週 2.10 熱力学第二法則 熱力学第二法則について説明できる。
4週 2.11 ギブズエネルギー ギブズエネルギーについて説明できる。
5週 2.12 変化の方向とギブズエネルギー 変化の方向とギブズエネルギーについて説明できる。ギブズエネルギーより平衡定数を求めることができる。
6週 2.13 相平衡とギブズエネルギー 相平衡について説明できる。平衡定数の温度依存性を説明できる。
7週 2.14 平衡定数とルシャトリエの法則 平衡定数とルシャトリエの法則について説明できる
8週 後期中間試験
4thQ
9週 答案返却・解答解説

試験問題を通じて間違った箇所を理解できる。
10週 3.溶液の性質   3.1蒸気圧降下、沸点上昇 蒸気圧降下、沸点上昇より、溶質の分子量を計算できる。
11週 3.2 凝固点降下と浸透圧 凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。
12週 4.酸化還元反応 酸化還元反応について説明できる。
13週 4.1酸化数の定義 酸化数について説明できる。
14週  4.2電子授受と化学電池 ボルタ電池、ダニエル電池等について説明できる
15週 学年末試験
16週 試験答案返却・解答解説 ・間違った問題の正答を求めることができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学蒸気圧降下、沸点上昇より、溶質の分子量を計算できる。3後10
凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。3後11
熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できる。3前9
エンタルピーの定義と適用方法を説明できる。3前11
化合物の標準生成エンタルピーを計算できる。3前11
エンタルピーの温度依存性を計算できる。3前14
内部エネルギー、熱容量の定義と適用方法を説明できる。3前7
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。3後6
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。3後7
均一および不均一反応の平衡を説明できる。3後7
熱力学の第二・第三法則の定義と適用方法を説明できる。3後3
純物質の絶対エントロピーを計算できる。3後1
化学反応でのエントロピー変化を計算できる。3後2
化合物の標準生成自由エネルギーを計算できる。3後4
反応における自由エネルギー変化より、平衡定数・組成を計算できる。3後5
平衡定数の温度依存性を計算できる。3後6
気体の等温、定圧、定容および断熱変化のdU、W、Qを計算できる。3前10

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力700000070
専門的能力300000030
分野横断的能力0000000