無機工業化学

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 無機工業化学
科目番号 0448 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質環境工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 安藤淳平,佐治 孝 著「無機工業化学 第4版」(東京化学同人)/必要に応じてプリントを配布
担当教員 鹿野 弘二

到達目標

1.無機酸・アルカリの製造方法を説明できる.
2.電池の原理・起電力の算出方法,一次電池や二次電池の種類を説明できる.
3.金属製錬の原理,鉄鋼の製造方法を説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目14種類の酸,2種類のアルカリの製造方法を説明できる.種々の酸,アルカリの内半分程度について製造方法を説明できる.左記に達していない
評価項目2電池の原理・起電力の算出方法,一次電池や二次電池の種類を説明できる.電池の原理または起電力の算出方法ならびに一次または二次電池の幾つかについて説明できる.左記に達していない.
評価項目3金属製錬3種類の原理,鉄鋼の製造方法を説明できる.1種類以上の製錬方法,鉄鋼製造の概要を説明できる.左記に達していない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 (B-3) 説明 閉じる
学習・教育到達目標 (D-2) 説明 閉じる
函館高専教育目標 B 説明 閉じる
函館高専教育目標 D 説明 閉じる

教育方法等

概要:
技術者として工業の立場から無機化学工業全体を理解するため,酸,アルカリを含む基本的無機化学工業製品をはじめ,電気化学工業や金属化学工業で生産される製品の製造方法とプロセス,物性,装置,用途等についての基礎的な知識を得ること.さらに,環境問題の理解を通じて技術者としての社会的責任について学ぶ.
授業の進め方・方法:
無機化学や物理化学の理論を良く理解している事が必要であり,化学工学についても若干の知識を要する.特に,化学結合,物性,相変化,熱化学,化学反応,物質収支について良く理解していることが望ましいので,関連する計算問題も毎回の試験に出題している.
注意点:
JABEE教育到達目標評価 定期試験(B-3:72%,C-2:8%),課題(B-3:15%,D-2:5%)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ・ガイダンス(1.0h)
・序論:無機化学工業の動向(3.0h)
日本の無機化学工業の特徴を説明できる.
2週 ・ガイダンス(1.0h)
・序論:無機化学工業の動向(3.0h)
日本の無機化学工業の特徴を説明できる.
3週 地球環境問題と無機工業化学(4.0h,コア) 地球規模の環境問題の原因を説明できる.
4週 地球環境問題と無機工業化学(4.0h,コア) 地球規模の環境問題の原因を説明できる.
5週 無機酸の製造(6.0h)
(1)硫酸
(2)硝酸
(3)塩酸
硫酸,硝酸,塩酸の製造プロセスと性質,用途を説明できる.
6週 無機酸の製造(6.0h)
(1)硫酸
(2)硝酸
(3)塩酸
硫酸,硝酸,塩酸の製造プロセスと性質,用途を説明できる.
7週 無機酸の製造(6.0h)
(1)硫酸
(2)硝酸
(3)塩酸
硫酸,硝酸,塩酸の製造プロセスと性質,用途を説明できる.
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 ・前期中間試験の試験答案返却・解答解説(1.0h)
・無機酸の製造(3.0h)
 (4)リン酸
・間違った問題の正答を求めることができる.
・リン酸の製造プロセスと性質,用途を説明できる.
10週 ・無機酸の製造(3.0h)
 (4)リン酸
・リン酸の製造プロセスと性質,用途を説明できる.
11週 アルカリの製造(4.0h)
(1)炭酸ソーダ
(2) アンモニア
炭酸ソーダ,アンモニアの製造プロセスを説明できる.
12週 アルカリの製造(4.0h)
(1)炭酸ソーダ
(2) アンモニア
炭酸ソーダ,アンモニアの製造プロセスを説明できる.
13週 肥料工業について(4.0h) 肥料の3要素が必要な理由,肥効成分について説明できる.
14週 肥料工業について(4.0h) 肥料の3要素が必要な理由,肥効成分について説明できる.
15週 前期期末試験の試験答案返却・解答解説 ・間違った問題の正答を求めることができる.
16週
後期
3rdQ
1週 機能性無機工業薬品の製造(4.0h)
(1)シリカゲル,
(2)ゼオライト,
(3)活性炭
シリカゲル,ゼオライト,活性炭の性質と工業的応用について説明できる.
2週 機能性無機工業薬品の製造(4.0h)
(1)シリカゲル,
(2)ゼオライト,
(3)活性炭
シリカゲル,ゼオライト,活性炭の性質と工業的応用について説明できる.
3週 電気化学工業について(10.0h,コア)
(1)電気化学の基礎理論
(2)一次電池
(3)二次電池
(4)その他各種電池
・起電力を求めることができる.
・電池の作動原理を説明できる.
・各種電池の構成,特徴,用途を説明できる.
4週 電気化学工業について(10.0h,コア)
(1)電気化学の基礎理論
(2)一次電池
(3)二次電池
(4)その他各種電池
・起電力を求めることができる.
・電池の作動原理を説明できる.
・各種電池の構成,特徴,用途を説明できる.
5週 電気化学工業について(10.0h,コア)
(1)電気化学の基礎理論
(2)一次電池
(3)二次電池
(4)その他各種電池
・起電力を求めることができる.
・電池の作動原理を説明できる.
・各種電池の構成,特徴,用途を説明できる.
6週 電気化学工業について(10.0h,コア)
(1)電気化学の基礎理論
(2)一次電池
(3)二次電池
(4)その他各種電池
・起電力を求めることができる.
・電池の作動原理を説明できる.
・各種電池の構成,特徴,用途を説明できる.
7週 電気化学工業について(10.0h,コア)
(1)電気化学の基礎理論
(2)一次電池
(3)二次電池
(4)その他各種電池
・起電力を求めることができる.
・電池の作動原理を説明できる.
・各種電池の構成,特徴,用途を説明できる.
8週 後期中間試験
4thQ
9週 ・試験答案返却・解答解説(1.0h)
・電解の原理とその工業について(5.0h)
・間違った問題の正答を求めることができる.
・水溶液電解工業について説明できる.
10週 ・電解の原理とその工業について(5.0h) ・水溶液電解工業について説明できる.
11週 ・電解の原理とその工業について(5.0h) ・水溶液電解工業について説明できる.
12週 金属工業化学(6.0h)
(1)鉱石の還元過程の概要
(2)鉄鉱石の還元
なぜ還元できるのか,熱力学的に説明できる.
鉄の製造法と合金について説明できる.
13週 金属工業化学(6.0h)
(1)鉱石の還元過程の概要
(2)鉄鉱石の還元
なぜ還元できるのか,熱力学的に説明できる.
鉄の製造法と合金について説明できる.
14週 金属工業化学(6.0h)
(1)鉱石の還元過程の概要
(2)鉄鉱石の還元
なぜ還元できるのか,熱力学的に説明できる.
鉄の製造法と合金について説明できる.
15週 学年末試験の試験答案返却・解答解説 ・間違った問題の正答を求めることができる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。3
ダニエル電池についてその反応を説明できる。3後3
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。3後3,後5
一次電池の種類を説明できる。3後4,後5
二次電池の種類を説明できる。3後5,後6
電気分解反応を説明できる。3後9
ファラデーの法則による計算ができる。2後10,後11
ライフサイエンス/アースサイエンスライフサイエンス/アースサイエンス熱帯林の減少と生物多様性の喪失について説明できる。2
地球温暖化の問題点、原因と対策について説明できる。3
人文・社会科学社会地歴人間活動と自然環境との関わりや、産業の発展が自然環境に及ぼした影響について、地理的または歴史的観観点から理解できる。2
地歴・公民社会や自然環境に調和し、人類にとって必要な科学技術のあり方についての様々な考え方について理解できる。1
環境問題、資源・エネルギー問題、南北問題、人口・食糧問題といった地球的諸課題とその背景について理解できる。2前3
国際平和・国際協力の推進、地球的諸課題の解決に向けた現在までの取り組みついて理解できる。1前4
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学ネルンストの式を用いて、起電力、自由エネルギー、平衡定数の関係が説明できる。3後4
電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。2後5
化学工学化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力4010000050
専門的能力400000040
分野横断的能力010000010