バイオ工学実験

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 バイオ工学実験
科目番号 0456 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質環境工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 4
教科書/教材 プリント
担当教員 上野 孝,藤本 寿々

到達目標

1. 微生物学・生化学・分子生物学分野の実験技術を説明することができる。
2. 微生物学・生化学・分子生物学分野の実験を行うことができる。
3. 実験結果から正しく考察することができ,報告書にまとめることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1微生物学・生化学・分子生物学分野の実験技術および注意点を明確に説明することができる。微生物学・生化学・分子生物学分野の実験技術を説明することができる。微生物学・生化学・分子生物学分野の実験技術を説明することができない。
評価項目2 微生物学・生化学・分子生物学分野の実験を目的に合わせて的確に行うことができる。 微生物学・生化学・分子生物学分野の実験を行うことができる。 微生物学・生化学・分子生物学分野の実験を行うことができない。
評価項目3実験結果から正しく考察することができ,報告書に論理的にまとめることができる。実験結果から考察することができ,報告書にまとめることができる。実験結果から正しく考察できず,報告書にまとめることができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 (A-2) 説明 閉じる
学習・教育到達目標 (B-4) 説明 閉じる
学習・教育到達目標 (E-2) 説明 閉じる
学習・教育到達目標 (F-1) 説明 閉じる
学習・教育到達目標 (F-3) 説明 閉じる
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函館高専教育目標 F 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 バイオテクノロジーを活用した研究において基礎となるのは,微生物学・生化学・分子生物学分野の実験技術である。本講義では,微生物の分離・培養・観察,微生物による物質生産,タンパク質の定量と分離,DNAの抽出と遺伝子診断などを通じて基礎的な実験技術を習得する。
授業の進め方・方法:
 実験を行う前に,3回に分けて7つの実験テーマに関するガイダンスを行う。このとき,操作手順や注意事項などを詳細に説明するので,しっかりとノートを取り,実験前には必ず復習し,ローテーション実験をスムーズに行えるように準備しておくこと。
注意点:
・微生物の培養には無菌操作が伴うが,この操作では空気中や唾液からの菌が培養液に入り,コンタミネーション(異物混入)を起こすと実験結果に大きく影響する。よって,実験中の私語は慎み,迅速に操作を行うこと。
・授業時間以外に実験室に来て,培養シャーレ中の細菌の計数などを行う場合があるので,指導教員の指示をよく聞いておくこと。
JABEE教育到達目標評価:実験計画書・レポート100%(A-2:10%, B-4:20% , E-2:50%, F-1:10%, F-3:10%)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス(手順書配布,各種実験の基本操作の説明) 本講義の概要・目的・進め方を理解し,実験操作(無菌操作,顕微鏡操作,マイクロピペットの操作)を習得できる。
2週 ガイダンス(実験テーマ①説明)
実験①の前準備
実験テーマ①について,実験概要および操作方法が理解できる。
無菌操作により実験①に使う培養プレートを作成することができる。
3週 ガイダンス(実験テーマ②③説明)
実験①の前準備
実験テーマ②③について,実験概要および操作方法が理解できる。
無菌操作により実験①に使う4種の微生物を培地に接種することができる。
4週 全員一斉実験
①グラム染色と顕微鏡観察(コア)
細菌の一般的な分類基準であるグラム染色の方法と意義を理解できる。グラム染色の結果と細胞の形態から,細菌を分類することができる。
5週 ガイダンス(実験テーマ④⑤説明) 実験テーマ④⑤について,実験概要および操作方法が理解できる。
6週 ガイダンス(実験テーマ⑥⑦説明)
次週の実験の準備
実験テーマ⑥⑦について,実験概要および操作方法が理解できる。
7週 ローテーション実験 
②土壌中の細菌類とカビ類の分離(コア)
培地の特性を理解し,土壌中に含まれる細菌類(原核生物)とカビ類(真核生物)を分離することができる。増殖した細菌数・カビ数の測定方法を理解できる。
8週 ③Lowry法によるタンパク質の定量と分離(コア) タンパク質の基本的な性質を理解することができる。Lowry法によるタンパク質の定量と,SDS-PAGEにより分離された各試料のタンパク質を推定できる。
4thQ
9週 ④DNAの抽出と定量(コア) DNAの基本的な性質を理解することができる。生体細胞からDNAを抽出し,定量することができる。
10週 ⑤固定化酵母によるアルコール発酵 酵母を固定化し,バイオリアクターで実際に発酵試験を行うことができる。
11週 ⑥大腸菌に対する食品添加物の抗菌効果 大腸菌の培養実験を行い,増殖曲線の作成および食品添加物の抗菌効果を検証することができる。
12週 ⑦DNA分析による加工食品の肉種判別検査 PCR法をの結果から,加工食品に含まれる肉種を推定することができる。
13週 無菌操作実技試験,再実験
前回の実験の続き
無菌操作を正確に行うことができる。
14週 実験器具の片付け
レポート提出・指導
実験結果から文献を引用して考察し,レポートを作成することができる。
15週 レポート指導 添削して返却されたレポートを見て,指摘された箇所の誤りを正すことができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】生物工学実験光学顕微鏡を取り扱うことができ、生物試料を顕微鏡下で観察することができる。1後4
滅菌・無菌操作をして、微生物を培養することができる。1後5,後8
専門的能力の実質化PBL教育PBL教育工学が関わっている数々の事象について、自らの専門知識を駆使して、情報を収集することができる。2後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
集められた情報をもとに、状況を適確に分析することができる。2後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
与えられた目標を達成するための解決方法を考えることができる。2後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
状況分析の結果、問題(課題)を明確化することができる。2後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
各種の発想法や計画立案手法を用いると、課題解決の際、効率的、合理的にプロジェクトを進めることができることを知っている。2後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
各種の発想法、計画立案手法を用い、より効率的、合理的にプロジェクトを進めることができる。2後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15

評価割合

試験発表相互評価態度無菌操作レポート合計
総合評価割合00002080100
基礎的能力000002020
専門的能力0000104050
分野横断的能力0000102030