基礎数学Ⅰ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 基礎数学Ⅰ
科目番号 0014 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 社会基盤工学科 対象学年 1
開設期 前期 週時間数 6
教科書/教材 「新基礎数学」(大日本図書)/「新基礎数学問題集」(大日本図書)
担当教員 下郡 啓夫,山本 けい子,北見 健,須藤 絢,隅田 真一郎

到達目標

1.整式、実数とそれらの演算の基本性質を理解し、計算処理ができる。
2.集合についでの諸概念および集合演算の基本的な性質を把握するとともに、それらを活用して集合についての問題が解ける。
3.2次関数の式やグラフの関係を考察することを通して、2次関数の最大値・最小値、与えられた条件を満たす放物線をグラフとする2次関数の式を求めることができる。
4.2次関数のグラフを利用して、2次方程式・2次不等式を解くことができる。
5.点や直線など、平面図形の座標平面での表し方を理解し、座標を用いた計算や方程式の操作を通じて図形についての問題が解ける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1:整式,実数とそれらの演算の基本性質整式、実数とそれらの演算について、複数の公式・定理についての関係が分かるとともに、式の特徴を捉えた上で、工夫して計算できる。整式、実数とそれらの演算の問題の解答の場面で、どの公式を使うか理解し、最後まで手順の決まっている計算ができる。整式、実数とそれらの演算について、定義・公式・定理を使える条件なども、正確に頭に入れて使うことができない。
評価項目2:2次関数とそのグラフ2次関数について、複数の公式・定理についての関係が分かるとともに、式の特徴を捉えた上で、工夫して計算できる。2次関数の問題の解答の場面で、どの公式を使うか理解し、最後まで手順の決まっている計算ができる。2次関数について、定義・公式・定理を使える条件も、正確に頭に入れて使うことができない。
評価項目3:2次方程式・2次不等式2次方程式・不等式について、2次関数のグラフとの関係を押さえながら、2次関数の様々な関係を考察できる。2次方程式・不等式について、2次関数のグラフを利用して、計算することができる。2次方程式・不等式について、2次関数のグラフを利用して、計算することができない。
評価項目4:点と直線座標平面上の点や直線についての総合的な応用問題が解ける。特に、直線の方程式の係数に文字を含むものを正しく扱える。基本的な法則や公式を活用して、各単元の標準的な問題が解ける。各単元の標準的な問題でも、分からなかったりよく間違えたりする。
評価項目5:集合集合についての発展的な問題を解くことができる。集合や集合演算の概念や記号を理解し、説明できる。基本的な概念や記号を覚えていない。

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
高学年の数学や物理および専門科目の基礎となる科目で、代数計算や2次関数の性質を学ぶ。
これらについての基本的な問題を解くことができ、概念を説明できることを目標とする。
授業の進め方・方法:
「基礎数学I」は、これから高専で学んでいく数学や専門科目などの基礎となる科目である。学習内容をしっかりと身につけることが望まれる。そのために、授業の予習・復習を継続しながら、問題集などを活用して自発的に問題演習に取り組むこと。
継続的な学習の確認として、小テストとレポート課題(宿題)を実施する。レポートについては、態度・志向性(主体性および自己管理力)として評価する。
注意点:
学習内容についてわからないことがあれば、教員室を積極的に訪問して質問すること。原則的には授業担当の教員が対応するが、都合が合わなければ授業担当にこだわらずにどの教員に当たってもかまわない。
また、本科目の評価割合の項目「試験」(★総合評価割合80%に該当)は、第8週の『中テスト』および第15週の『前期期末試験』の2つのことを指す。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス(0.5)
整式の加法・減法(1.5h)
整式の乗法(2h)
・整式に関する用語を理解する
・ある文字に着目して整理できる
・整式の加法・減法を計算できる
・乗法公式を活用できる
・式の一部をまとめてひとつのものと見なすなど、式に応じて工夫しながら計算できる。
2週 因数分解(3h) ・因数分解の意味を理解する
・共通因数を括りだす因数分解ができる
・因数分解の公式を利用して因数分解ができる
・複数の文字を含んだ式の因数分解ができる
3週 3次式の乗法公式と因数分解(2h)
多項式の除法(1h)
・3 次式の乗法公式と因数分解の公式を理解し,それらを用いて式の展開や因数分解をすることができる。
・二項定理について理解し,応用することができる
・多項式の除法について整数の除法と関連付けながら理解し,計算することができる。
4週 分数式とその計算(3h)
べき関数の性質を理解する
・偶関数、奇関数の性質を理解し、基本的な関数に対する判定ができる
・グラフの平行移動を理解する
・分数関数の性質を理解し、そのグラフを描ける
5週 実数(1h)
平方根の計算(1h)
不等式とその解(1h)
・実数の分類,数直線,絶対値を理解する
・平方根の性質を理解し、分母の有理化ができる
・不等式の性質を理解し、1次不等式が解ける
6週 不等式とその解(1h)
集合(2h)
・連立1次不等式が解ける
・集合に関する用語や記号、表し方を理解する
・共通部分,和集合,補集合を理解する
・ド・モルガンの法則を理解する
7週 命題(2h)
演習(1h)
・集合に関する用語や記号、表し方を理解する
・共通部分,和集合,補集合を理解する
・ド・モルガンの法則を理解する
・命題に関する用語や記号を理解する
・必要条件と十分条件を理解する
・逆・裏・対偶を理解する
8週 中テスト
2ndQ
9週 答案返却、定期試験問題解説(0.5h)
関数(1.5h)
2次関数のグラフ(1h)
・関数に関する用語,関数記号f(x)を理解する
・関数のグラフを理解する
・2次関数を標準形に直し、そのグラフを描ける
・2次関数のグラフの頂点、軸を求められる
10週 2次関数のグラフ(1h)
2次関数の決定(1h)
2次関数の最大・最小(1h)
・グラフの平行移動について理解する
・条件に合う2次関数を求められる
・2次関数の最大値・最小値を求められる
11週 不等式とその解(2h)
2次関数のグラフと2次方程式(1h)
2点間の距離と内分点(1h)
・間違った問題の正答を理解する
・不等式の性質を理解し、1次不等式が解ける
・連立1次不等式が解ける
・2次関数のグラフとx軸との位置関係を判別できる
・2次関数のグラフとx軸との共有点を求められる
・2点間の距離を求められる
12週 2点間の距離と内分点(1h)
直線の方程式(2h)
・座標平面上の内分点の座標を求められる
・ 1次方程式が直線を表すことを理解し、その直線を描ける
・通る点や傾きから直線の方程式を求めることができる
13週 2直線の関係(1h)
円の方程式(1h)
軌跡・楕円(1h)
・2直線が平行・垂直になる条件を理解し、与えられた直線と平行な直線や垂直な直線を求められる
・与えられた条件を満たす円の方程式を求められる
・円の方程式から中心や半径を求められる
・方程式と軌跡の関係を理解する
・楕円の定義・性質・方程式を理解する
・与えられた条件を満たす楕円の方程式を求められる
14週 円の接線と内接円(1h)
不等式の表す領域(2h)
・原点中心の・円の接線の方程式を理解する
・三角形の内接円と内心を理解し面積を求められる
・不等式が領域をあらわすことを理解する
・直線・円・楕円で分けられる領域を表す不等式を理解し、不等式の表す領域を図示できる
・連立不等式の表す領域を図示できる
15週 前期期末試験
16週 答案返却、定期試験問題解説 ・間違った問題の正答を理解する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算、及び因数定理等を利用した簡単な因数分解ができる。 3前1,前2,前3,前4,前8,前9
分数式の加減乗除の計算ができる。3前2,前3,前8,前9
実数の絶対値について理解し、計算ができる。3前4,前5,前8,前9
分母の有理化等の平方根の計算ができる。3前6,前8,前9
解の公式等を利用して、二次方程式を解くことができる。3前7,前8,前9,前13,前15,前16
連立方程式を解くことができる。3前11,前15,前16
一次不等式及び二次不等式を解くことができる。3前12,前14,前15,前16
二次関数の性質及びグラフを理解し、最大値や最小値を求めることができる。3前9,前10,前11,前13,前14,前15,前16
与えられた二点から距離や内分点を求めることができる。3
直線及び円の方程式を求めることができる。3
二次曲線について、方程式とグラフの概形の関係を説明できる。  3
不等式の表す領域を図示できる。3

評価割合

試験小テストレポート態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合801010000100
基礎的能力801010000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000