到達目標
1.コンクリートに用いられる材料とその性質,品質規格について説明できる.
2.フレッシュコンクリート,硬化コンクリートの性質,それらに影響を及ぼす因子について説明できる.
3.与えられた設計条件を基に,コンクリートの配合設計ができる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | コンクリートの製造に用いる材料の性質,品質規格について理解し説明できる. | コンクリートの製造に用いる材料の性質に関する知識を有する. | コンクリート材料に関する知識が無い. |
評価項目2 | フレッシュコンクリート,硬化コンクリートの性質と影響因子について説明できる. | フレッシュコンクリート,硬化コンクリートの性質についての知識を有している. | コンクリートの性質についての知識が無い. |
評価項目3 | 与えられた設計条件,材料の条件からコンクリートの配合設計ができる. | 単位水量と細骨材率が与えられれば,コンクリートの基礎的な配合計算ができる. | 配合計算の仕組みを理解していない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
コンクリートは代表的な建設材料の一つであり,全ての建設工事現場で用いられていると言っても過言ではない.本科目では,コンクリートを構成する材料の基本的性質と品質企画,フレッシュコンクリートの性質,硬化したコンクリートの性質および配合設計の理論について学ぶ.これにより,今後の学習や実務で求められるコンクリートに関る基礎知識を修得し,それらを実務の中で活用できることを到達目標とする.
授業の進め方・方法:
コンクリート工学の授業は,コンクリートに関する知識の習得が中心になります.学ぶ内容は,将来 ,建設技術者として仕事をするために求められる必須の基礎知識です.特に予備知識やこれまでの学習の蓄積は必要ないので,安心して新たな気持ちで取り組んでください.授業の中では,特に理解が必要な事項を,キーワードとその解説の形で示すので,これらをノートにきちんとまとめてください.復習として,ノートと対比しながら教科書の関連する部分を参照すると,より理解が深まるので実践することを推奨します.
後半の授業では,コンクリートの配合設計について学習します.コンクリートの配合設計は,その計算方法の仕組みを理解するように心掛けて下さい.仕組みがわかれば,計算手法自体は単純であることがわかるはずです.
授業の中の知識習得型の部分については,定期試験では記述式問題として出題します.授業中にノートをきちんととることが,最大の定期試験対策となります.
最も関連する科目は,建設工学実験Ⅰ(4年)です.コンクリート構造学Ⅰ,Ⅱ,Ⅲも一部関連します.
注意点:
「社会基盤工学科」教育目標の評価:試験90%(B:100%),課題10%(B:100%)
評価方法:中テストと期末試験の平均点を90%,演習課題の平均点を10%として評価する.演習課題の得点は,その提出状況,設計計算の正確さ,報告書としての完成度を数値化し決定する.
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス |
本授業の進め方,評価方法,学習到達目標などを理解できる.
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2週 |
セメント① |
セメントの原料,製造過程,ポルトランドセメントの種類に関する知識を習得する.
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3週 |
セメント② |
セメントを構成する好物の異質,水和反応による強度発現のメカニズムを理解できる.
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4週 |
混和材料① |
高炉スラグ,フライアッシュ,シリカフュームなどの混和材の概要と活用について理解できる.
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5週 |
混和材料② |
AE剤,減水剤などの化学混和剤の概要と働きについて理解できる.
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6週 |
骨材① |
コンクリートに適する骨材の物理的性質,品質試験法について理解できる.
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7週 |
骨材②,有害物質 |
骨材の密度の考え方,骨材と水分の関係,コンクリート材料の有害物質について理解できる.
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8週 |
中テスト |
1週から7週の内容の理解度,達成度を試験によって確認する.
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2ndQ |
9週 |
答案返却・回答解説 フレッシュコンクリート① |
試験問題の解説から自分の間違った箇所を理解できる. フレッシュコンクリートの性質を理解できる.
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10週 |
フレッシュコンクリート② |
フレッシュコンクリートの性質と,単位水量,空気量の関係,材料分離について理解できる.
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11週 |
コンクリートの強度 |
コンクリートの強度と,コンクリートの強度に影響を及ぼす因子について整理し理解できる.
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12週 |
コンクリートの耐久性 |
塩害,中性化,アルカリ骨材反応のメカニズムと耐久性向上の考え方について理解できる.
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13週 |
配合設計① |
配合強度の考え方,示方配合と現場配合,配合設計手法について理解できる.
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14週 |
配合設計② |
配合設計演習課題によって,コンクリートの配合設計計算ができるようになる.
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15週 |
期末試験 |
9週から14週の内容の理解度,達成度を試験によって確認する.
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16週 |
試験答案返却・解答解説 |
間違った問題の正答を求めることができる.
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 材料 | 材料に要求される力学的性質及び物理的性質に関する用語、定義を説明できる。 | 2 | 前1 |
セメントの物理的性質、化学的性質を説明できる。 | 4 | 前3 |
各種セメントの特徴、用途を説明できる。 | 4 | 前2 |
骨材の含水状態、密度、粒度、実積率を説明できる。 | 4 | 前7 |
骨材の種類、特徴について、説明できる。 | 4 | 前6 |
混和剤と混和材の種類、特徴について、説明できる。 | 4 | 前4,前5 |
コンクリートの長所、短所について、説明できる。 | 4 | 前1 |
各種コンクリートの特徴、用途について、説明できる。 | 4 | 前1 |
配合設計の手順を理解し、計算できる。 | 4 | 前13,前14 |
フレッシュコンクリートに求められる性質(ワーカビリティー、スランプ、空気量等)を説明できる。 | 4 | 前9,前10 |
耐久性に関する各種劣化要因(例、凍害、アルカリシリカ反応、中性化)を説明できる。 | 4 | 前12 |
分野別の工学実験・実習能力 | 建設系分野【実験・実習能力】 | 建設系【実験実習】 | 骨材のふるい分け試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 4 | 前6 |
評価割合
| 中テスト | 期末試験 | 演習課題 | 合計 |
総合評価割合 | 45 | 45 | 10 | 100 |
基礎的能力 | 35 | 35 | 5 | 75 |
専門的能力 | 10 | 10 | 5 | 25 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |