到達目標
1. 三角測量や多角測量といった平面基準点測量の手順や方法を理解し,それに関わる計算ができる.
2. 測量における誤差の種類を説明でき,これを考慮した計算ができる.
3. 三角測量の成果から平面図を作図できる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 平面基準点測量の手順や方法を理解し,それに関わる計算の導出方法を踏まえて説明できる. | 平面基準点測量の手順や方法を理解し,それに関わる計算ができる. | 平面基準点測量の手順や方法を理解していない. |
評価項目2 | 測量における誤差の種類について根拠となる数式の導出により説明でき,これを考慮した計算ができる. | 測量における誤差の種類を説明でき,これを考慮した計算ができる. | 測量における誤差の種類を説明できない. |
評価項目3 | セオドライとによる角測量の成果を図面にできる. | セオドライとによる角測量法を理解し,器具を使って測量ができる. | セオドライとによる角測量法を理解できない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
測量方法の目的や原理,器械の構造や特性,計測値の意味や誤差の消去などの測量技術を理解するための基礎知識を習得する.また,実習を通して授業で習ったことを実践し,土地の実態や状態,位置などを測り,地図(平面図,地形図など)を作成することでそれらの基礎技術を身に付けることを目的とする.
授業の進め方・方法:
講義部門の試験は,測量の方法や特徴を問うため,その意味や目的を十分に理解していること.また,各種計算問題においてもやり方を覚えるのではなく,その導出方法についても理解しておくこと.実習部門については,班単位で実習を行うが,試験において各自実習で行った作業内容を問う.さらに,実習開始前と終了後には器械を検査し,格納時の調整方法を理解する.なお,天候により授業の順序を変更する場合があるため注意すること.
本科目は,基礎数学,三角関数,代数・幾何などの数学の基礎知識,測量学・測量実習Ⅰの講義,実習内容が必要とされる予備知識である.また,実習部門においては,実習で行う測量の内容について講義ノートを見直し,実習に備えること.
注意点:
評価は前期中間(25%),前期期末(25%),後期中間(25%),学年末(25%)により評価する.なお,前期中間・期末,後期中間試験については,講義部門(試験 50%),実習部門(試験 25%,実習報告書 25%),学年末試験については,講義部門(試験 50%),実習部門(試験 25%,製図 25%)で評価する.ただし,実習報告書,製図が一つでも未提出の場合は,学年末成績における評定で合格点を与えない.
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス 【講義部門】 三角測量 1. 概要 |
・三角測量の方法・特徴を整理し,原理を理解できる.
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2週 |
【講義部門】 三角測量 2. 偏心補正 |
・偏心観測の誤差を理解し,補正計算ができる.
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3週 |
【講義部門】 三角測量 3. 間接水準測量 |
・球差,気差,高低差計算が理解できる.
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4週 |
【講義部門】 三角測量 4. 誤差補正計算 |
・三角鎖の誤差補正計算ができる.
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5週 |
【実習部門】 水準測量 1.昇降式による水準測量 |
・昇降式による水準測量の方法を理解し,地盤の標高をできる.
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6週 |
【実習部門】 水準測量 2.器高式による水準測量 |
・器高式による水準測量の方法を理解し,地盤の標高をできる.
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7週 |
【実習部門】 水準測量 3.器高式による水準測量 |
・器高式による水準測量の方法を理解し,地盤の標高をできる.
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8週 |
前期中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
試験答案返却・解答解説 【講義部門】 様々な測量技術 |
・間違った問題の正答を求めることができる. ・様々な測量技術について理解できる.
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10週 |
【講義部門】 スタジア測量 1. 原理と誤差 |
・スタジア測量の原理を理解し,誤差と精度について検討できる。
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11週 |
【講義部門】 スタジア測量 2. 高さの測定 |
・直接法と間接法の原理と測定法を理解できる.
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12週 |
【実習部門】 角測量 1. 単測法による角測量 |
・単測法による角測量の方法を理解し,角の測定ができる.
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13週 |
【実習部門】 角測量 2. 単測法による角測量 |
・単測法による角測量の方法を理解し,三角形トラバースの内角を測定できる.
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14週 |
【実習部門】 角測量 3. 方向法による角測量 |
・方向法による角測量の方法を理解し,複数の内角を測定できる.
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15週 |
前期期末試験 |
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16週 |
試験答案返却・解答解説 |
・間違った問題の正答を求めることができる.
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後期 |
3rdQ |
1週 |
【講義部門】 多角測量 1. 概要 |
・多角測量の原理を理解し,種類,手順および方法を理解している.
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2週 |
【講義部門】 多角測量 2. トラバースの計算 |
・トラバースの方向角計算,誤差補正,座標計算ができる.
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3週 |
【講義部門】 多角測量 2. トラバースの計算 |
・トラバースの方向角計算,誤差補正,座標計算ができる.
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4週 |
【講義部門】 多角測量 3. トラバースの計算 |
・トラバースの面積計算ができる.
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5週 |
【実習部門】 三角測量 1. 単列三角鎖の選点 2. 内角・方位角の角測量 3. 基線・検基線の距離測量 4. 細部測量 |
・第2グラウンド付近平面図を作成することを考慮して,適切な選点のもと造標を行い,辺長を測定できる. ・所定の精度内で内角ならびに方位角の測定ができる. ・基線の距離を測定し,三角鎖の調整計算ができる. ・地物や建物,地形変換点などの位置を測定できる.
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6週 |
【実習部門】 三角測量 1. 単列三角鎖の選点 2. 内角・方位角の角測量 3. 基線・検基線の距離測量 4. 細部測量 |
・第2グラウンド付近平面図を作成することを考慮して,適切な選点のもと造標を行い,辺長を測定できる. ・所定の精度内で内角ならびに方位角の測定ができる. ・基線の距離を測定し,三角鎖の調整計算ができる. ・地物や建物,地形変換点などの位置を測定できる.
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7週 |
【実習部門】 三角測量 1. 単列三角鎖の選点 2. 内角・方位角の角測量 3. 基線・検基線の距離測量 4. 細部測量 |
・第2グラウンド付近平面図を作成することを考慮して,適切な選点のもと造標を行い,辺長を測定できる. ・所定の精度内で内角ならびに方位角の測定ができる. ・基線の距離を測定し,三角鎖の調整計算ができる. ・地物や建物,地形変換点などの位置を測定できる.
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8週 |
【実習部門】 三角測量 1. 単列三角鎖の選点 2. 内角・方位角の角測量 3. 基線・検基線の距離測量 4. 細部測量 |
・第2グラウンド付近平面図を作成することを考慮して,適切な選点のもと造標を行い,辺長を測定できる. ・所定の精度内で内角ならびに方位角の測定ができる. ・基線の距離を測定し,三角鎖の調整計算ができる. ・地物や建物,地形変換点などの位置を測定できる.
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4thQ |
9週 |
後期中間試験 |
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10週 |
試験答案返却・解答解説 【講義部門】 誤差と精度 1. 観測の誤差 |
・間違った問題の正答を求めることができる. ・誤差の種類,発生原因,消去方法について説明できる.
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11週 |
【講義部門】 誤差と精度 2. 観測の最確値と精度 |
・有効数字,数値の丸め方を説明でき,これを考慮して計算ができ,独立観測の最確値と誤差を計算できる.
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12週 |
【講義部門】 誤差と精度 3. 誤差の伝搬 |
・誤差伝搬の法則を説明できる.
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13週 |
【実習部門】 三角測量 5. 実習結果の整理 |
・三角測量の成果を整理し,その結果を用いてA2方眼紙に縮尺1/200で第2グラウンド付近平面図を作成する.
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14週 |
【実習部門】 三角測量 5. 実習結果の整理 |
・三角測量の成果を整理し,その結果を用いてA2方眼紙に縮尺1/200で第2グラウンド付近平面図を作成する.
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15週 |
【実習部門】 三角測量 5. 実習結果の整理 |
・三角測量の成果を整理し,その結果を用いてA2方眼紙に縮尺1/200で第2グラウンド付近平面図を作成する.
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16週 |
学年末試験 試験答案返却・解答解説 |
・間違った問題の正答を求めることができる
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 測量 | 測量体系(国家基準点等)を説明できる。 | 4 | 前1,後1 |
種類、手順および方法について、説明できる。 | 4 | 後1 |
測定結果から、面積や体積の計算ができる。 | 4 | 後4 |
等高線の性質とその利用について、説明できる。 | 4 | 前11 |
写真測量の原理や方法について、説明できる。 | 4 | 前9 |
GNSS測量の原理を説明できる。 | 4 | 前9 |
有効数字、数値の丸め方を説明でき、これを考慮した計算ができる。 | 4 | 後11 |
分野別の工学実験・実習能力 | 建設系分野【実験・実習能力】 | 建設系【実験実習】 | 距離測量について理解し、器具を使って測量できる。 | 4 | 後5,後6,後7,後8 |
トラバース測量について理解し、器具を使って測量できる。 | 4 | 後5,後6,後7,後8 |
セオドライトによる角測量について理解し、器具を使って測量できる。 | 4 | 前12,前13,前14 |
分野横断的能力 | 態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。 | 3 | 後5,後6,後7,後8 |
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。 | 3 | 後5,後6,後7,後8 |
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。 | 3 | 後5,後6,後7,後8 |
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。 | 3 | 後5,後6,後7,後8 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | 実習レポート | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 75 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 75 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 75 | 0 | 0 | 0 | 18.75 | 6.25 | 75 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |