構造力学Ⅱ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 構造力学Ⅱ
科目番号 0063 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 社会基盤工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 PEL編集委員会監修 構造力学(実務出版)
担当教員 渡辺 力

到達目標

1. 応力とひずみ,その関係を計算でき,軸方向応力・せん断応力・曲げ応力を計算できる。
2. 静定はりの影響線を計算できる。
3. 静定トラスの軸力を計算できる。
4. 偏心圧縮柱の応力,座屈荷重を計算でき,偏心圧縮柱と長柱の力学的特徴を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1任意の荷重を受けるはりと柱の応力とひずみ,その関係を説明でき,軸方向応力・せん断応力・曲げ応力を計算できる。単純な荷重を受けるはりと柱の応力とひずみ,その関係を説明でき,軸方向応力・せん断応力・曲げ応力を計算できる。はりと柱の応力とひずみ,その関係を説明できない。軸方向応力・せん断応力・曲げ応力を計算できない。
評価項目2任意の静定はりの影響線が計算できる。標準的な静定はりの影響線が計算できる。静定はりの影響線が計算できない。
評価項目3複雑な静定トラスの軸力を計算できる。 標準的な静定トラスの軸力を計算できる。静定トラスの軸力を計算できない。
評価項目4任意の偏心圧縮柱の応力と種々の境界条件の座屈荷重を計算でき,偏心圧縮柱と長柱の力学的特徴を説明できる。標準的な圧縮柱の応力と座屈荷重を計算でき,偏心圧縮柱と長柱の力学的特徴を説明できる。圧縮柱の応力と座屈荷重を計算できない。偏心圧縮柱と長柱の力学的特徴を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
構造力学とは,構造物の力学的な性質を把握し,構造物を合理的かつ経済的に設計することを目的にした力学である。構造物の設計において基礎となる力学の考え方と計算方法に関して,基礎的な知識を修得することを目的とする。第3学年では,材料の強さ(応力とひずみ),はりの影響線,はりの応力,静定トラス,柱の設計に関する理論と計算方法の基礎知識を修得する。「その知識を各種構造物の設計に応用できるようになる」のが到達レベルである。
授業の進め方・方法:
第3学年の構造力学では,応力とひずみ,はりの影響線,静定トラス,柱など設計の基礎理論について学びます。皆さんが良く理解できるように,各節・各章の終わりに演習問題を用意していますので,必ず自分で解いてください。
 定期試験前に講義ノートと演習ノート(演習問題を解いたもの)を提出させます。講義ノートと演習ノートを未提出のものは定期試験を0点として評価します。また,演習ノートで解いていない問題がある場合には減点します。
注意点:
授業中はしっかりとノートを採るとともに,学習内容が理解できるように集中しましょう。授業中に理解できなかった所は家庭にて復習しましょう。その上で,演習問題を自力で解いて下さい。理解が一層深まります。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス(1時間) 科目の位置づけ,到達目標および留意点を理解できる。
2週 第1章 材料の強さ(11時間,コア) 軸方向応力を説明でき,計算できる。
3週 (1) 軸力を受ける部材の応力とひずみ 軸方向ひずみ,ポアソン比を説明でき,計算できる。
4週 (2) フックの法則 応力とひずみの関係を理解し,計算できる。
5週 (3) せん断力を受ける部材の応力とひずみ せん断応力,せん断ひずみを説明でき,計算できる。
6週 (4) 温度応力 温度応力を説明でき,計算できる。
7週 第2章 静定はりの影響線(14時間,コア)
(1) 反力影響線(単純ばり)
単純ばりの反力影響線を理解し,計算できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 (2) 反力影響線(張出ばり) 張出ばりの反力影響線を理解し,計算できる。
10週 (3) 反力影響線(ゲルバーばり) ゲルバーばりの反力影響線を理解し,計算できる。
11週 (4) せん断力の影響線(張出ばり) 張出ばりのせん断力影響線を理解し,計算できる。
12週 (5) せん断力の影響線(ゲルバーばり) ゲルバーばりのせん断力影響線を理解し,計算できる。
13週 (6) 曲げモーメントの影響線(張出ばり) 張出ばりの曲げモーメント影響線を理解し,計算できる。
14週 (7) 曲げモーメントの影響線(ゲルバーばり) ゲルバーばりの曲げモーメント影響線を理解し,計算できる。
15週 前期期末試験
16週 試験答案返却・解答解説 間違った問題の正答を求めることができる
後期
3rdQ
1週 第3章 はりの応力(12時間,コア)
(1) 中立軸の定義,断面2次モーメント復習
中立軸を説明できる。
2週 (2) 曲げ応力の誘導 曲げ応力を理解できる。
3週 (3) 曲げ応力の計算 曲げ応力を計算できる。
4週 (4) はりの設計 曲げを受けるはりの設計ができる。
5週 (5) せん断応力の誘導 曲げによるせん断応力を理解できる。
6週 (6) せん断応力の計算 曲げによるせん断応力を計算できる。
7週 第4章 静定トラス(8時間,コア)
(1) 格点法による軸力の計算
格点法による軸力の計算を理解できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 (2) 断面法による軸力の計算 断面法により軸力を計算できる。
10週 (3) トラスの安定(静定,不静定,不安定) トラスの種類,トラスとはりの安定性を説明できる。
11週 第5章 柱(8時間,コア)
(1) 短柱の応力度(偏心圧縮柱)
柱の分類(短柱・長柱)を理解し,偏心圧縮柱の応力を計算できる。
12週 (2) 断面の核 断面の核を理解し,計算できる。
13週 (3) 長柱の座屈1 各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。
14週 (4) 長柱の座屈2 設計公式による柱の基本的な設計を理解できる。
15週 学年末試験
16週 試験答案返却・解答解説 間違った問題の正答を求めることができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野構造トラスの種類、安定性、トラスの部材力の意味を説明できる。4後9,後10
節点法や断面法を用いて、トラスの部材力を計算できる。4後7,後9
影響線を利用して、支点反力や断面力を計算できる。4前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14
影響線を応用して、与えられた荷重に対する支点反力や断面力を計算できる。4前9,前10,前11,前12,前13,前14
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係を理解し、弾性係数、ポアソン比やフックの法則などの概要について説明でき、それらを計算できる。4前2,前3,前4,前6
断面に作用する垂直応力、せん断応力について、説明できる。4前1,前5,後1,後2,後3,後4,後5,後6
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)を理解し、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。4後11,後12,後13,後14
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。4後10

評価割合

定期試験中間試験・中テスト小テスト合計
総合評価割合365410100
基礎的能力18271055
専門的能力1827045
分野横断的能力0000