到達目標
1. 土の基本的性質を表現する諸量の定義を理解し、それらの相互関係から未知量の計算ができる。
2. 土中の水の流れや地盤内の応力に関する基礎的な事項を理解し、計算問題を解くことができる。
3. 土の圧密・締固め・せん断特性を理解すると共に、基礎的な計算問題を解くことができる。また、地盤調査を通じ、これら特性を調べることで、液状化等に対する地盤の安定性が評価できることを理解できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 諸量の定義とそれらの相互関係を説明でき、未知量の計算が解ける。 | 諸量の定義とそれらの相互関係を理解し、未知量の計算ができる。 | 諸量の定義とそれらの相互関係が理解できない。 |
評価項目2 | 水の流れや地盤内の応力を説明でき、計算問題を解くことができる。 | 水の流れや地盤内の応力を理解し、計算問題を解くことができる。 | 水の流れや地盤内の応力について理解できない。 |
評価項目3 | 圧密・締固め・せん断特性を説明し、計算問題を解くことができる。 | 圧密・締固め・せん断特性について理解し、計算問題を解くことができる。 | 圧密・締固め・せん断特性に関して理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
道路、橋、空港、ダム、トンネル、各種建築物などの大部分は、強固な自然地盤もしくは軟弱な地盤を人工的に改良したものの上に建設される。よって、これらの構造物を設計・施工する際には、土の性質を把握し、適切に評価できる能力・技術・経験が必要となる。そこで本科目では、土の状態を表す様々な諸量や透水・圧密・せん断といった土の代表的な性質・現象など、土質工学に関する最も基礎的な知識を身につけることを学習到達目標とする。
授業の進め方・方法:
土は土粒子・水・空気の3つから構成されるために複雑な挙動を示すが、身近に存在するものでもあり、具体的にイメージすることはさほど難しくない。一方、土質工学では土という材料を様々な視点から捉えるため、数多くの式が登場する。これらを全て、暗記で解決することは不可能に近いため、可能な限り土をイメージして、その式の意味・目的を理解するよう努力すること。
注意点:
適宜課題を出すが、必ず自分の力で取り組むこと。試験に備えて、授業中は漫然とノートを取るだけでなく、講義内容をしっかり聞き、理解するよう努力すること。その上で分からないところは放置せず、早めに担当教員等に質問すること。
※本講義で扱う内容はすべてコアである。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス 土質工学と地盤工学 |
学習到達目標、留意点、評価方法等を理解できる。
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2週 |
土質工学と地盤工学 |
土質工学の位置付けや目的、土や地盤が生成される仕組み、地盤の調査・試験の名称・目的・方法について説明できる。
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3週 |
土質工学と地盤工学 |
土質工学の位置付けや目的、土や地盤が生成される仕組み、地盤の調査・試験の名称・目的・方法について説明できる。
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4週 |
土の基本的性質 |
土の組成と土粒子の堆積構造の違いを説明できる。
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5週 |
土の基本的性質 |
含水比、間隙比、密度等のそれぞれの指標について、それらの定義と意味、土質による違いを説明することができ、それぞれを算出することができる。
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6週 |
土の基本的性質 |
含水比、間隙比、密度等のそれぞれの指標について、それらの定義と意味、土質による違いを説明することができ、それぞれを算出することができる。
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7週 |
土の基本的性質 |
含水比、間隙比、密度等のそれぞれの指標について、それらの定義と意味、土質による違いを説明することができ、それぞれを算出することができる。
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8週 |
中試験 |
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2ndQ |
9週 |
試験答案返却・解答解説 土の基本的性質
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間違った問題の正答を求めることができる。 土の状態を表す指標の相互関係を理解し、計算できる。
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10週 |
土の基本的性質 |
土の状態を表す指標の相互関係を理解し、計算できる。
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11週 |
土の基本的性質 |
粒度、コンシステンシーの定義や求め方を理解し、それらの結果から土の工学的分類を行うことができる。
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12週 |
土の基本的性質 |
粒度、コンシステンシーの定義や求め方を理解し、それらの結果から土の工学的分類を行うことができる。
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13週 |
土中の水の流れ |
ダルシーの法則の概要を理解し、透水量を求められる。
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14週 |
土中の水の流れ |
2つの透水試験法を説明し、結果から透水係数を計算できる。
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
試験答案返却・解答解説 |
間違った問題の正答を求めることができる。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
土中の水の流れ |
流線網を用いた簡単な浸透流量の計算ができる。
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2週 |
地盤内の応力 |
地盤に作用する応力とひずみの関係を理解できる。全応力、有効応力、間隙水圧の定義をそれぞれ説明できる。地盤内で鉛直方向に作用するこれらを算出することができる。
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3週 |
地盤内の応力 |
地盤に作用する応力とひずみの関係を理解できる。全応力、有効応力、間隙水圧の定義をそれぞれ説明できる。地盤内で鉛直方向に作用するこれらを算出することができる。
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4週 |
地盤内の応力 |
浸透流と有効応力の関係から安全率を評価できる。
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5週 |
土の締固め |
締固め試験の目的とメカニズムを説明することができる。
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6週 |
土の締固め |
土の種類に応じた締固め特性の違いを理解できる。
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7週 |
土の締固め |
締固めた土の強度特性をCBR値を用いて評価できる。
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8週 |
中試験 |
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4thQ |
9週 |
試験答案返却・解答解説 土の圧縮性と圧密 |
間違った問題の正答を求めることができる。 土の圧縮性と飽和粘土の圧密について説明できる。
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10週 |
土の圧縮性と圧密 |
e-logp特性、圧密降伏応力、正規・過圧密状態を説明できる。
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11週 |
土の圧縮性と圧密 |
圧縮指数と体積圧縮係数を用いて圧密沈下量の計算できる。
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12週 |
土のせん断 |
土の変形・破壊特性や強度定数を説明できる。
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13週 |
土のせん断 |
モールの応力円、破壊基準、ダイレイタンシーを説明でき、強度定数から、破壊条件を算出することができる。
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14週 |
土のせん断 |
モールの応力円、破壊基準、ダイレイタンシーを説明でき、強度定数から、破壊条件を算出することができる。
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
試験答案返却・解答解説 |
間違った問題の正答を求めることができる。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 地盤 | 土の生成、基本的物理量、構造などについて、説明できる。 | 4 | 前1,前2,前3,前4 |
土の粒径・粒度分布やコンシステンシーを理解し、地盤材料の工学的分類に適用できる。 | 4 | 前4,前5,前6,前7,前9,前10 |
土の締固め特性を説明できる。 | 4 | 後5,後6,後7 |
ダルシーの法則を説明できる。 | 4 | 前13,前14 |
透水係数と透水試験について、説明できる。 | 4 | 前14 |
透水力による浸透破壊現象を説明できる。 | 4 | 後1,後4 |
土のせん断試験を説明できる。 | 3 | 後12 |
土のせん断特性を説明できる。 | 3 | 後12,後13,後14 |
土の破壊規準を説明できる。 | 3 | 後13,後14 |
地盤内応力を説明できる。 | 3 | 後2,後3 |
土の圧密現象及び一次元圧密理論について、説明できる。 | 3 | 後9,後10,後11 |
圧密沈下の計算を説明できる。 | 3 | 後11 |
有効応力の原理を説明できる。 | 3 | 後2,後9 |
飽和砂の液状化メカニズムを説明できる。 | 1 | |
地盤改良工法や液状化対策工法について、説明できる。 | 1 | |
地盤調査の分類と内容について、説明できる。 | 4 | 前2,前3 |
評価割合
| 試験 | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 60 | 20 | 80 |
専門的能力 | 20 | 0 | 20 |