到達目標
1. 物体の運動をベクトルの微分積分を用いて記述することができる。
2. 微分方程式の形で運動方程式を立て,初期値問題として解くことができる.
2. 剛体の運動を説明することができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 複雑な運動について,ベクトルの微分積分を用いて記述できる. | 簡単な運動について,ベクトルの微分積分を用いて記述できる. | 物理現象を微分積分を用いて記述できない. |
評価項目2 | 複雑な運動について,運動方程式を立て,初期値問題として解くことができる. | 簡単な運動について,運動方程式を立て,初期値問題として解くことができる. | 簡単な運動について,運動方程式を立て,初期値問題として解くことができない. |
評価項目3 | 剛体の並進運動と回転運動について説明でき,複雑な剛体の重心と慣性モーメントが計算できる. | 剛体の並進運動と回転運動について説明でき,簡単な剛体の重心と慣性モーメントが計算できる. | 剛体の並進運動と回転運動について説明できない.簡単な剛体の重心と慣性モーメントが計算できない. |
学科の到達目標項目との関係
函館高専教育目標 B
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JABEE学習・教育到達目標 (B-1)
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教育方法等
概要:
土木工学の専門科目の基礎となる力学(物理学)の基礎知識を習得する.物理現象をベクトルの微分積分を用いて記述し,その微分方程式を解いて物理現象を求める能力を身に付ける.構造力学などの専門科目は,物理学の力学を基礎として理論が組み立てらており,専門科目の背景にある力学を理解するとともに,土木工学の専門科目に応用できるようになることが目標である。なお,授業内容は公知の情報のみに限定されている。
授業の進め方・方法:
物理現象をベクトルの微分積分を用いて記述し,その微分方程式を解いて物理現象を求める方法について学びます。数式が多くなりますが,これまで学んだものですから心配ありません。可能な限り,構造力学の内容と関連付けて説明を行いますので,物理学が専門科目の中でどのように展開されいるかを理解して下さい。ベクトル解析の基本と微分方程式の解法が必要となりますので,「代数幾何」「応用数学」の復習を行って下さい。
2回の各定期試験と2回の課題で評価します。
注意点:
「社会基盤工学専攻」学習・教育到達目標の評価:
中間試験(B-1) (40%),期末試験(B-1) (40%),2回の課題(B-1) (10%×2回)
本科目は学修単位(2単位)の授業であるため、履修時間は授業時間30時間と授業時間以外の学修(予習・復習、課題・テスト等のための学修)を併せて90時間である。
自学自習の成果は課題によって評価する。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス 第1章 基礎の数学(ベクトル解析の基礎) |
位置ベクトル,ベクトルの内積と外積,方向余弦を説明できる。
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2週 |
第2章 速度ベクトルと加速度ベクトル |
位置ベクトルから,速度ベクトル,加速度ベクトルを導出できる.
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3週 |
第3章 運動の法則 (1) 運動の法則 |
ニュートンの運動の3法則を説明できる.
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4週 |
(2) 運動の第2法則 |
自由落下の問題と空気抵抗の影響を運動方程式から計算できる.
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5週 |
第4章 仕事とエネルギー (1) 仕事 |
内積を用いて仕事を表すことができる.
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6週 |
(2) 運動エネルギーとポテンシャルエネルギー |
運動する物体の仕事から運動エネルギーを導くことができる.保存力とポテンシャルエネルギーを説明できる.
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7週 |
第5章 運動量と角運動量 (1) 運動量と運動量保存則 |
運動量と運動量保存則を説明できる。衝突問題を計算できる.
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8週 |
中間試験 |
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4thQ |
9週 |
答案返却・解答解説 (2) 角運動量と角運動量保存則( 力のモーメント) |
角運動量と角運動量保存則を説明できる。力のモーメンを計算できる.
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10週 |
第6章 剛体の力学 (1) 剛体の運動 (2)剛体の重心 |
剛体運動について説明できる.粒子系と分布系の剛体の重心が計算できる.
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11週 |
(3) 剛体の運動方程式 |
剛体の回転運動について説明できる.
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12週 |
(4) 慣性モーメント |
棒,平板,円板の慣性モーメントを計算できる.
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13週 |
第7章 さまざまな運動 (1) 単振動(調和振動) |
運動方程式を立てて,単振動を解くことができる.
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14週 |
(2) 放物運動
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運動方程式を立てて,放物運動を解くことができる.
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
答案返却・解答解説 (3) 円運動 |
試験の解説に基づいて,理解度が低い部分を理解する.運動方程式を立てて,円運動を解くことができる.
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | 物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。 | 3 | 後1,後2 |
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。 | 3 | 後3,後4,後13,後14,後16 |
力のモーメントを求めることができる。 | 3 | 後9 |
角運動量を求めることができる。 | 3 | 後7,後9 |
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。 | 3 | 後7,後9 |
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。 | 3 | 後10 |
重心に関する計算ができる。 | 3 | 後10 |
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。 | 3 | 後12 |
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。 | 3 | 後11 |
評価割合
| 試験 | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 60 | 20 | 80 |
専門的能力 | 20 | 0 | 20 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |