概要:
社会基盤工学の水に関わる分野は,河川,海岸,海洋,港湾,上下水道,水質問題,水力発電等ときわめて広い.それらの工業技術を理解するために要する「水理学」の基礎知識を習得する.「水理学」の基礎理論,特に式の誘導過程や物理的な意味を十分に理解するとともに,実際の水に関わる諸問題に適用できる力を身に付けることを目標とする.なお授業内容は公知の情報のみに限定されている.
授業の進め方・方法:
講義内容の理解を深めるため行う演習課題では,自学自習の継続性や当該科目に対する理解進度を確認するため,講義内容を応用させた問題を出題するので,日頃からの自学自習は必須である.講義はスライドに加え,板書や口頭を多用するので,特に板書や口頭で説明したことも十分に注意してノートにとることが重要である.また,自学自習による復習の成果を定期試験に加え,大型休業 (ゴールデンウィーク,夏休み,冬休み) 明けに実施する復習小テストにより評価する.
注意点:
学年成績は,連休明け復習小テスト(10%),前期中試験(15%),夏休み明け復習小テスト(10%),前期定期試験(15%)
後期中試験(15%),冬休み明け復習小テスト(10%),後期定期試験(15%),演習課題(10%)により評価する.
但し,演習課題は,すべての課題を提出し,全問正答であれば満点とし,ひとつの課題でも未提出の場合,その評価を零点とする.また,各期の中試験,定期試験に対する再試験は,普段の当該科目に対する学習意欲や授業態度を総合的に判断し,教員が必要と認めた場合に実施するものとし,100点満点の上限を60点として各期の試験を評価する.なお,復習小テストの再試験は実施しない.
JABEE教育到達目標評価 中試験,定期試験60%(B-2:100%),休業明け小試験30%(B-2:100%),演習課題10%(B-2:100%)
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス (1hr) 7.粘性流体の基礎 7.1 流れの中でのエネルギーの消耗(1hr) |
講義の進め方や評価方法について理解できる. 層流,乱流,遷移流の流れ特性を理解し,レイノルズ数によって判断できる.
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2週 |
7.2 層流と乱流(1hr) 7.3 層流の速度分布と摩擦抵抗係数(1hr) |
層流の摩擦応力,流速分布式・流量公式,摩擦抵抗係数,ダルシー・ワイズバッハ式等が誘導でき,それを運用できる.
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3週 |
7.3 層流の速度分布と摩擦抵抗係数(2hr) |
層流の摩擦応力,流速分布式・流量公式,摩擦抵抗係数,ダルシー・ワイズバッハ式等が誘導でき,それを運用できる.
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4週 |
連休明け復習小テスト (1hr) 7.4 境界層(1hr) |
「水理学II」で習った範囲の復習試験 境界層,遷移流,粘性底層,粗面,滑面を説明できる.
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5週 |
7.5 乱流の速度分布と摩擦抵抗係数(2hr) |
乱流における円管内の速度分布式を誘導できる.
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6週 |
8.管水路(2) 8.1 管水路定流の基本式(2hr) |
管水路定流の基本式を誘導でき,運用できる.
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7週 |
8.2 摩擦損失水頭と平均流速公式(2hr) |
マンニングの式等を管水路に適用できる.
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8週 |
中試験(2hr) |
層流・乱流におけるエネルギーの消耗及び速度分布則等が理解し,説明できる.
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2ndQ |
9週 |
8.3 摩擦以外による損失水頭(2hr)
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急拡・急縮による損失水頭を誘導できる.出口・入口,漸拡・漸縮・曲がり・バルブによる損失水頭式を説明できる.
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10週 |
8.3 摩擦以外による損失水頭(1hr) 8.4 単線管路(1hr) |
急拡・急縮による損失水頭を誘導できる.出口・入口,漸拡・漸縮・曲がり・バルブによる損失水頭式を説明できる. 各種の損失を含む単線管路のエネルギー線・動水こう配線および流量を算出できる.
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11週 |
8.4 単線管路(2hr) |
各種の損失を含む単線管路のエネルギー線・動水こう配線および流量を算出できる.
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12週 |
8.5 管網計算(2hr) |
ハーディー・クロス法により管網計算ができる.
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13週 |
8.6 側管を有する管路(2hr) |
側管を有する管路の流量を計算できる.
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14週 |
8.7 分岐および合流する管路(1hr) 8.8 サイフォン(1hr) |
分岐および合流する管路の流量を計算できる. サイフォンが成り立つ条件を説明できる.
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15週 |
定期試験 |
摩擦や形状損失を考慮した一連の管路計算ができ,説明できる.
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16週 |
試験答案返却・解答解説 |
連休明け小テスト,中試験,定期試験の間違った問題の正答を求めることができる
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後期 |
3rdQ |
1週 |
夏休み明け復習小テスト (1hr) 9.開水路(2) 9.1 平均流速公式 (1hr) |
「管水路(2)」の復習試験 平均流速公式を用いて開水路断面の流量が算出できる.
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2週 |
9.1 平均流速公式 (1hr) 9.2 水理学的有利断面 (1hr) |
平均流速公式を用いて開水路断面の流量が算出できる. 水理学的に有利な開水路の断面を算出できる.
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3週 |
9.2 水理学的有利断面 (1hr) 9.3 水理特性曲線 (1hr) |
水理学的に有利な開水路の断面を算出できる. 水理特性曲線について説明できる.
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4週 |
9.4 開水路の定流の運動方程式 (2hr) |
開水路定流の運動方程式の誘導ができる.
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5週 |
9.4 開水路の定流の運動方程式 (1hr) 9.5.1 摩擦応力と圧力分布 (1hr) |
開水路定流の運動方程式の誘導ができる.
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6週 |
9.5.1 摩擦応力と圧力分布 (1hr) 9.5.2 層流・乱流の速度分布 (1hr) |
開水路等流のせん断応力と圧力分布を誘導できる. 開水路の層流・乱流の流速分布・流量の誘導ができる.
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7週 |
9.5.2 層流・乱流の速度分布 (2hr) |
開水路の層流・乱流の流速分布・流量の誘導ができる.
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8週 |
中試験(2hr) |
開水路の等流計算,水理学的有利断面,特性曲線,流速分布が理解でき,説明できる.
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4thQ |
9週 |
答案返却及び解答解説 (1hr) 冬休み明け復習小テスト (1hr) ) |
夏休み明け復習小テストで間違った箇所を理解できる. 「水理学I」からこれまで習った範囲の復習試験
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10週 |
9.6.1限界こう配 (2hr) |
限界こう配式を誘導でき,それを運用できる.
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11週 |
9.6.2不等流の水面形状 (2hr) |
任意断面の不等流の基礎式が誘導でき,その式による各種こう配水路の水面形状を推定できる.
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12週 |
9.6.3不等流の水面曲線の計算(2hr) |
ブレッスの式により不等流の水面曲線を計算できる.
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13週 |
9.6.3不等流の水面曲線の計算(2hr) |
ブレッスの式により不等流の水面曲線を計算できる.
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14週 |
10.1 降雨の流出過程 (1hr) 10.2流出曲線の特性 (1hr) |
降雨の流出過程を理解できる. 流出曲線の特性を理解できる.
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15週 |
定期試験 |
不等流計算の基礎式を誘導し,その水面形を理解して説明できる.流出解析の概要を理解している.
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16週 |
試験答案返却・解答解説 |
中試験,冬康明け小テスト,定期試験で間違った問題の正答を求めることができる
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 水理 | 層流と乱流について、説明できる。 | 4 | 前1,前2,前3,前8 |
流体摩擦(レイノルズ応力、混合距離)を説明できる。 | 4 | 前4,前5,前8 |
管水路の摩擦以外の損失係数について、説明できる。 | 4 | 前6,前7,前9,前10,前15,後1,後9 |
各種の管路の流れが計算できる。 | 4 | 前11,前12,前13,前14,前15,後1,後9 |
開水路の等流(平均流速公式、限界水深、等流水深)について、計算できる。 | 4 | 後2,後3,後4,後8,後9,後15 |
開水路不等流の基礎方程式を説明できる。 | 4 | 後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後15 |
河川の管理と整備について、説明できる。 | 4 | 後14,後15 |
河川の分類と流域について、説明できる。 | 4 | 後14,後15 |
水文量の観測方法を説明でき、流域平均雨量を計算できる。 | 4 | 後14,後15 |