測量学・測量実習Ⅲ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 測量学・測量実習Ⅲ
科目番号 0111 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 社会基盤工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 測量学 第2版,内田 修ほか,東京電機大学出版局
担当教員 佐々木 恵一

到達目標

1. 路線の設計,計画された路線の測設方法を理解し,設定された条件のもと各種計算ができる.
2. 測量における誤差の種類を説明でき,これを考慮した計算ができる.
3. 実習の目的と方法を理解し,その結果について工学的に説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1円曲線,緩和曲線の設計ができる.円曲線,緩和曲線の性質を理解できる.円曲線,緩和曲線の性質を理解できない.
評価項目2観測方程式を立式し,誤差調整をすることができる.観測方程式の意味を理解できる.観測方程式の意味を理解できない.
評価項目3測量地の地物の位置の測定と設計した構造物の測設ができる.測量地において,現地の形状を理解できる.実習内容を理解できない.

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 B 説明 閉じる
JABEE学習・教育到達目標 (B-2) 説明 閉じる
JABEE学習・教育到達目標 (B-3) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 測量方法の目的や原理,器械の構造や特性,計測値の意味や誤差の消去など主となる専門分野の基礎知識を習得する.また,実習を通して授業で習ったことを実践し,土地の実態や状態,位置などを測り,地図作成(平面図,地形図など)などの演習を行うことで実践的な基礎技術を身に付け,専門分野の課題の中で,その学習内容に関係する問題が解けることを到達レベルとする.
授業の進め方・方法:
講義部門の試験は,測量の方法や特徴を問うため,その意味や目的を十分に理解していること.また,各種計算問題においても計算方法を覚えるのではなく,その式の誘導過程についても理解しておくこと.
実習部門については班単位で実習を行うが,試験においては各自実習で行った作業内容を問うため,一部の班員だけが作業をしたり,特定の作業だけ行うことがないように注意する.また,外業の際は実習に適した服装で臨むこと.さらに,実習開始前と終了後には器械を検査し,格納時の調整方法を理解する.
なお,天候により授業の順序を変更する場合があるため注意すること.
注意点:
本科目は,三角関数,微分・積分,代数・幾何など数学の基礎知識,および測量学・測量実習Ⅰ・Ⅱの講義・実習内容が必要とされる予備知識である.また,講義部門においては,前回までのノートを見直しておくこと.実習部門においては,実習で行う測量の内容について講義ノートを見直しておくこと.
評価は前期中試験(25%),前期期末試験(25%),後期中試験(25%),学年末試験(25%)により評価する.なお,前期中試験・期末試験,後期中試験については,講義部門(試験 50%),実習部門(試験 25%,実習報告書 25%),学年末試験については,講義部門(試験50%),実習部門(試験 25%,製図 25%)で評価する.ただし,実習報告書,製図が一つでも未提出の場合は,学年末成績における評定で合格点を与えない.

JABEE教育到達目標評価: 試験75% (B-2: 100%),報告書18.75% (A-2: 30%,B-3: 70%),製図6.25% (B-3: 70%)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
2週 円曲線に関する変数の整理 円曲線の主要点,要素を理解し,算出することができる.
3週 円曲線の設計 単心曲線の設計ができ,設置を説明できる.
4週 主要点が設置できない場合の計算 IP点が設置できない場合の円曲線の設計計算ができる.
5週 選点,交角・路線長の測定 路線の交角,路線長を測定でき,測量結果から単心曲線の計算ができる.
6週 中間杭の設置,縦断測量 計算結果を元に直線部の中間杭を設置できる.さらに,中間杭の地盤高を所定の精度で測定できる.
7週 横断測量 路線横断方向の地盤高を測定し,横断面図を描ける.
8週 前期中試験 横断面図を作図し,横断面積,土量を計算できる.
2ndQ
9週 路線の変更 路線を変更し,円曲線の設計計算ができる.
10週 緩和曲線の性質 緩和曲線の性質,特徴を理解し,各種曲線の分類ができる.
11週 クロソイド曲線の数学的記述 クロソイド曲線の特徴を理解し,関数形を特定できる.
12週 横断測量,細部測量、測量結果の整理 路線横断方向の地盤高を測定し,横断面図を描ける.また,周辺の地物などの位置を求め,平面図を描ける.さらに、測量の成果を整理し,まとめられる.
13週 平面図、縦断図の作成 測量成果より,平面図を作成できる.縦断面図を作図し,路線の計画高を計算できる.
14週 横断図の作成 測量成果より,横断面図を作図し,土量を計算できる.
15週 前期期末試験
16週 答案返却 間違った問題の正答を求めることができる.
後期
3rdQ
1週 クロソイド曲線のパラメータ 単位クロソイドとパラメータの関係を理解できる.
2週 クロソイド曲線の設計 路線決定に関する要因から曲線の設計ができる.
3週 クロソイド曲線の計算 設計条件を考慮し,パラメータの決定をし,曲線の設計計算ができる.
4週 クロソイド曲線の計算 設計条件を考慮し,パラメータの決定をし,曲線の設計計算ができる.
5週 閉合トラバースの選点 第2グラウンド南端付近の地形図を作成することを考慮して、適切な選点と造標を設けることができる.
6週 内角・方位角の角測量、各測線の距離測量 トータルステーション(TS)で指定された精度内で内角・方位角の測定と、トラバースの各測線の距離測量ができる.また、コンパス法則を用いて調整し、平板原図にトラバース点を展開できる.
7週 閉合トラバースの水準測量 レベルで指定した精度内で各測点の水準測量ができる.
8週 後期中試験
4thQ
9週 観測の誤差 誤差の種類を説明でき,これを考慮した計算ができる.
10週 観測方程式1 最小二乗法の原理を説明でき,これを考慮した計算ができる.
11週 観測方程式2 最小二乗法の応用(重み・条件付き)を説明できる.
12週 細部測量 スタジア測量の方法と手順を理解し、地上の測点を図紙に作図できる.
13週 実習結果の整理 地形測量の成果をまとめ、作業内容の点検ができる.
14週 実習結果の整理 地形測量の結果から、A2トレーシングペーパーに縮尺1/200で等高線を描き、第2グラウンド南端付近地形図を作成できる.
15週 学年末試験
16週 答案返却 間違った問題の正答を求めることができる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野測量光波・電波による距離測量を説明できる。4前6
測定結果から、面積や体積の計算ができる。4後14
地形測量の方法を説明できる。4前13
等高線の性質とその利用について、説明できる。4前14,後12,後14
単心曲線、緩和曲線、縦断曲線が説明できる。4前3,後1,後6
最小二乗法の原理を説明でき、これを考慮した計算ができる。4後10
分野別の工学実験・実習能力建設系分野【実験・実習能力】建設系【実験実習】距離測量について理解し、器具を使って測量できる。4前6,前7,後5
トラバース測量について理解し、器具を使って測量できる。4前6,前7
水準測量について理解し、器具を使って測量できる。4前12,後6
セオドライトによる角測量について理解し、器具を使って測量できる。4前6,前7
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3前5,前6,前7,前12,前13,後5,後6,後7
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3前5,前6,前7,前12,前13,後5,後6,後7
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3前5,前6,前7,前12,前13,後5,後6,後7
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3前5,前6,前7,前12,前13,後5,後6,後7

評価割合

試験報告書製図合計
総合評価割合750075
基礎的能力0000
専門的能力7518.756.2575
分野横断的能力0000