到達目標
1. 橋の構成、分類、許容応力度設計、安全率を説明することができる。
2. 橋に作用する荷重と断面力、応力を計算することができる。
3. プレートガーダーの構造、合成桁の力学について説明することができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 橋種や工法を理解し橋梁計画の説明ができる。 | 桁橋、アーチ橋、つり橋等の種類と部材名称の説明ができる。 | 橋梁の種類や部材の名称を説明することができない。 |
評価項目2 | 死荷重・活荷重の計算、断面力・応力の計算ができる。 | 断面諸元の計算ができ、応力計算法が説明できる。 | 断面諸元の計算ができない。 |
評価項目3 | 補剛設計、断面決定、合成桁の荷重分担の説明ができる。 | ベルヌーイオイラー梁とチモシェンコ梁の説明ができる。 | プレートガーダー、合成桁の特徴を説明できない。 |
学科の到達目標項目との関係
函館高専教育目標 B
説明
閉じる
JABEE学習・教育到達目標 (B-2)
説明
閉じる
教育方法等
概要:
主要材料が鋼から構成される橋の基礎理論と設計法を学ぶ。我が国は明石海峡大橋のような長大橋を建設できるほどの先端技術を有するが、それらは基礎的な橋梁工学の積み重ねの賜物である。本講義では基礎的な分野を重視し、橋の種類、橋に作用する荷重、床版構造、荷重分配、プレートガーダーの断面計算、合成桁の力学を重点的に扱う。なお授業内容は公知の情報のみに限定されている。
授業の進め方・方法:
前期前半では、橋梁総論(橋の種類、部材名称等)を学ぶ。数多くの専門用語を覚える必要がある。前期後半では、鋼材の性質などの基礎事項と床版構造を扱う。後期前半では、プレートガーダーの構造計算を扱う。「構造力学Ⅰ~Ⅲ」で学んだせん断力、曲げモーメント、応力などの計算法が実際に応用される。後期後半では、合成桁の力学を詳しく学ぶ。
定期試験では、教科書に書かれていること、板書したことが出題される。計算問題は主に板書した例題と同様の問題が出題される。したがって、授業中にノートを取ってそれを覚えることが大切である。
この科目は「構造力学Ⅰ~Ⅲ」、「鋼構造学」、「構造設計製図Ⅱ」、「コンクリート構造学Ⅰ~Ⅱ」と関連性が深い。
注意点:
「社会基盤工学科・社会基盤工学専攻」学習・教育到達目標の評価:前期期末試験(B-2) (50%),後期期末試験(B-2) (50%)
授業の属性・履修上の区分
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス、橋の種類 |
橋の種類と特徴を説明することができる。
|
2週 |
橋の各部材の名称 |
部材名称を日本語と英語で表記できる。
|
3週 |
橋の調査と計画 |
橋の建設プロセスを説明できる。
|
4週 |
設計法と設計基準 |
橋の設計法の種類を説明することができる。
|
5週 |
橋の製作と架設法、維持管理 |
工場製作と現場架設の方法について説明できる。
|
6週 |
橋に作用する死荷重 |
各種材料の単位体積重量から死荷重を求める方法が説明できる。
|
7週 |
橋に作用する活荷重(L荷重・T荷重) |
荷重の種類と載荷方法が説明できる。
|
8週 |
風荷重・温度変化・地震荷重 |
荷重の値を公式により算定することができる。
|
2ndQ |
9週 |
実務における橋の設計と製作・架設 |
実務現場における橋梁建設の実際を理解することができる。
|
10週 |
鋼材の性質と種類 |
鋼材の応力-ひずみ関係を図に描いて説明できる。
|
11週 |
材料の安全率と許容応力度 |
許容応力度がどのようにして算定されるか説明できる。
|
12週 |
床版と床組の構造 |
床版構造の種類、床組の役割が理解できる。
|
13週 |
鉄筋コンクリート床版 |
鉄筋コンクリート床版の曲げモーメントの計算ができる。
|
14週 |
鋼床版、床組の荷重分配 |
鋼床版の特徴を理解する。有効幅の計算、1-0法による荷重分配の計算ができる。
|
15週 |
前期期末試験 |
|
16週 |
試験答案返却、解答解説 |
試験問題の解答解説を通じて正解が理解できる。
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
プレートガーダー橋 |
プレートガーダー橋の構造形式が理解できる。
|
2週 |
プレートガーダーの断面決定 |
プレートガーダーの設計概要、特徴、手順が説明できる。
|
3週 |
チモシェンコ梁 |
ベルヌーイオイラー梁とチモシェンコ梁が説明できる。
|
4週 |
I形断面の応力、合成応力 |
曲げとねじりによる垂直応力とせん断応力が計算できる。
|
5週 |
フランジ幅と板厚、経済的桁高 |
作用曲げモーメントからフランジ断面積、幅、板厚を求める方法が理解できる。
|
6週 |
垂直補剛材と水平補剛材 |
補剛材の配置方法、必要剛比を理解し、計算できる。
|
7週 |
対傾構と横構 |
水平荷重に抵抗する部材の構造特性が理解できる。
|
8週 |
スラブ止め、ずれ止め、たわみ制限 |
合成桁と非合成桁、たわみ制限について理解できる。
|
4thQ |
9週 |
合成桁の力学と特徴 |
合成桁の成り立ちと力学的特徴を理解できる。
|
10週 |
活荷重合成桁と死活荷重合成桁 |
RC床版の硬化前後における荷重分担が説明できる。
|
11週 |
合成桁の断面諸元 |
合成断面の断面2次モーメントを計算することができる。
|
12週 |
合成桁の曲げ応力 |
曲げ応力の公式を誘導し、計算することができる。
|
13週 |
クリープ、温度差等による付加応力 |
床版と鋼桁間に発生する付加応力が理解できる。
|
14週 |
支承 |
支承の種類と役割が理解できる。
|
15週 |
後期期末試験 |
|
16週 |
試験答案返却、解答解説 |
試験問題の解答解説を通じて正解が理解できる。
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。 | 3 | 後7 |
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。 | 3 | 後7 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 構造 | 断面に作用する垂直応力、せん断応力について、説明できる。 | 4 | 後4,後12 |
橋の構成、分類について、説明できる。 | 4 | 前1,前2 |
橋梁に作用する荷重の分類(例、死荷重、活荷重)を説明できる。 | 4 | 前6,前7,前8 |
各種示方書に基づく設計法(許容応力度、終局状態等)の概要を説明でき、安全率、許容応力度などについて説明できる。 | 4 | 前4,前11 |
鋼桁橋(プレートガーダー橋)の設計の概要、特徴、手順について、説明できる。 | 4 | 後1,後2,後5,後6,後7 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |