環境衛生工学

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 環境衛生工学
科目番号 0115 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 社会基盤工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「環境衛生工学」 奥村充司・大久保孝樹 著 (コロナ社)
担当教員 越智 聖志

到達目標

1.下水道の目的や役割について説明できる.
2.雨水量・下水管渠の計算方法について説明できる.
3.下水道の施設と下水処理方法について説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1下水道の目的や役割について,具体例を挙げ詳しく説明できる.下水道の目的や役割について説明できる.下水道の目的や役割について説明できない.
評価項目2雨水量・下水管渠の計算方法についても詳しく説明できる.雨水量・下水管渠の計算方法について説明できる.雨水量・下水管渠の計算方法について説明できず,それらの関連がわからない.
評価項目3下水道の施設と最新の処理方法である膜分離活性汚泥法と生物膜処理についても詳しく説明できる.下水道の施設と一般的な処理方法である活性汚泥法について説明できる.下水道の施設と一般的な処理方法である活性汚泥法について説明できず,それらの関連がわからない.

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 B 説明 閉じる
函館高専教育目標 D 説明 閉じる
JABEE学習・教育到達目標 (B-2) 説明 閉じる
JABEE学習・教育到達目標 (D-2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本授業で行う環境衛生工学では,社会生活のライフラインとして重要な役割を果たしている「下水道」について,その役割と機能および設計概念等の専門技術を理解するための基礎知識を習得することに重きを置いている.下水道は,現在提唱されている「持続可能な循環型社会」を形成して行く上で,水の循環,環境としての水質問題を良好に維持するための手段として,特に重要であることを講義を通して熟知させる.本講義を受講することによって,実社会で行われている下水道の計画・設計・運用と環境について内容を理解し,適用・分析できるようになることが到達レベルである.なお授業内容は公知の情報のみに限定されている.
授業の進め方・方法:
講義は主に,配布資料とスライドを用いて実施する.講義内容の理解を深めるため,講義の中では,演習問題や課題を取り入れるので,必ず電卓を持参すること.授業理解度の評価は,前期中試験,前期期末試験およびレポート課題により評価する.
注意点:
本科目は学修単位(2単位)の授業であるため,履修時間は授業時間30時間と授業時間以外の学修(予習・復習,課題・テスト等のための学修)を併せて90時間である.自学自習の成果は課題及び定期試験によって評価する.
学年成績は,前期中試験(40%),前期期末試験(40%)・レポート課題①(10%),レポート課題②(10%)により評価する.
前期中および期末試験に対する再試験は,普段の当該科目の学習意欲や授業態度を総合的に判断し,教員が必要と認めた場合に実施するものとし,100点満点の上限を60点として各期の試験を評価する.
本科目は学修単位(2単位)の授業であるため,履修時間は授業時間30時間と授業時間以外の学修(予習・復習、課題・テスト等のための学修)を併せて90時間である.
自学自習の成果は レポート課題や定期試験によって評価する.
JABEE教育到達目標評価:
  定期試験80%(B-2:80%, D-2:20%),レポート20%(B-2:100%)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス(環境衛生工学の概要)
1.総説
1.1.下水道の歴史
1.2.下水道の目的と役割
1.3.下水道の種類
環境衛生工学の概要を理解できる.

下水道の歴史について,説明できる.
下水道の目的と役割について,説明できる.
下水道の種類について,説明できる.
2週 2.下水道計画
2.1.基礎調査
2.2.下水の排除システム
2.3.下水量の算定(計画下水量)
下水道計画(基礎調査,下水の排除システム,下水量の算定)について,説明でき,これらに関する計算ができる.
3週 2.4.雨水量
 ・合理式
 ・降雨強度と継続時間
 ・降雨強度公式
 ・流出係数
 ・流入時間,流下時間と流達時間
雨水流出量を計算するための合理式,降雨強度公式,流達時間等について説明できる.
4週 2.5.降雨強度式(タルボット式)を用いた計算演習 降雨強度式(タルボット式)を用いた降雨強度の計算手法を理解し,計算することができる.
5週 3.管路施設
3.1.下水管渠の種類と特徴
3.2.下水管渠の水理
3.3.管渠の敷設
3.4.付属設備
下水管渠の種類と特徴について,説明できる.
下水管渠の水理について,説明できる.
管渠の敷設について,説明できる.
付属設備について,説明できる.
6週 3.5.管渠の設計と敷設に関する設計演習① 合理式,降雨強度公式,流達時間等を用いて管渠断面(径)を計算できる.
管頂接合による敷設の設計ができる.
7週 3.5.管渠の設計と敷設に関する設計演習② 具体的な設計諸元を用いて管渠設計ができる.
8週 前期中試験
2ndQ
9週 試験答案返却・解答解説
4.ポンプ場施設
試験問題解答を通じ間違った箇所を理解できる.
ポンプ場施設について,説明できる.
10週 5.下水の水質と下水試験 下水の水質指標と下水試験について,説明できる.
11週 6.下水処理施設
6.1.活性汚泥法
6.2.活性汚泥の浄化機構
6.3.活性汚泥の管理指標
6.4.バルキング現象
6.5.馴致

活性汚泥法について説明できる.
活性汚泥の浄化機構について,説明できる.
活性汚泥の管理指標について,説明できる.
バルキング現象について,説明できる.
馴致について,説明できる.
12週 6.6.最初沈殿池の設計
6.7.曝気槽(エアレーションタンク)の設計
6.8.活性汚泥法の種類
最初沈殿池の設計ができる.
曝気槽(エアレーションタンク)の設計ができる.
活性汚泥法の種類について,説明できる.
13週 6.9.生物膜法による下水処理
6.10.汚泥の処理処分
生物膜法による下水処理について,説明できる.
汚泥の処理処分と嫌気性消化について,説明できる.
14週 7.下水の高度処理
8.下水道施設の維持管理
下水の高度処理について,説明できる.
下水道施設の維持管理について,説明できる.
15週 前期期末試験
16週 試験答案返却・解答解説 試験問題解答を通じ間違った箇所を理解できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野環境地球規模の環境問題を説明できる。4前1
環境と人の健康との関わりを説明できる。4前1
過去に生じた公害の歴史とその内容(環境要因と疾病の関係)について、説明できる。4前1
水の物性、水の循環を説明できる。4前2
水質指標を説明できる。4前2
水質汚濁の現状を説明できる。4前2
水質汚濁物の発生源と移動過程を説明でき、原単位、発生負荷を含めた計算ができる。4前3
水域生態系と水質変換過程(自浄作用、富栄養化、生物濃縮等)について、説明できる。4前3
水質汚濁の防止対策・水質管理計画(施策、法規等)を説明できる。4前3
物質循環と微生物の関係を説明できる。4前3
水道の役割、種類を説明できる。4前9
水道計画(基本計画、給水量、水質、水圧等)を理解でき、これに関する計算ができる。4前10
浄水の単位操作(凝集、沈澱凝集、濾過、殺菌等)を説明できる。4前12,前13
下水道の役割と現状、汚水処理の種類について、説明できる。4後1,後11,後12,後13,後14
下水道の基本計画と施設計画、下水道の構成を説明でき、これに関する計算ができる。4後2,後3,後4,後5,後6,後7
生物学的排水処理の基礎(好気的処理)を説明できる。4後11,後12,後13,後14
汚泥処理・処分について、説明できる。4後13
微生物の定義(分類、構造、機能等)を説明できる。4後11
大気汚染の現状と発生源について、説明できる。4前4
騒音の発生源と現状について、説明できる。4前4
廃棄物の発生源と現状について、説明できる。4前5
廃棄物の収集・処理・処分について、説明できる。4前5
廃棄物の減量化・再資源化について、説明できる。4前5
廃棄物対策(施策、法規等)を説明できる。4前5
環境影響評価の目的を説明できる。4前6
環境影響評価の現状(事例など)を説明できる。4前6
環境影響指標を説明できる。4前6
リスクアセスメントを説明できる。4前6
ライフサイクルアセスメントを説明できる。4前6
生物多様性の現状と危機について、説明できる。4前7
生態系の保全手法を説明できる。4前7
生態系や生物多様性を守るための施策を説明できる。4前7
物質循環と微生物の関係を説明できる。4前7
土壌汚染の現状を説明できる。4前4
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3前1,前9,後1

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000