構造設計製図Ⅰ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 構造設計製図Ⅰ
科目番号 0117 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 社会基盤工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 設計課題説明資料・設計例
担当教員 金 俊之,安田 勝範

到達目標

1.許容応力度設計法による逆T形橋脚の設計できる.
2.限界状態設計法による逆T形橋脚の設計できる.
3.既往土木構造物の計画・設計を多面的に評価し,最適化できる.
4.土木製図の規約を理解し、構造物の設計製図を指針を基にコンピュータ製図で表現できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1定められた納期で,設計を完了し成果品を提出できる.設計を完了し,成果品を提出できる.設計が完了せず,成果品の提出ができない.
評価項目2定められた納期で,設計を完了し成果品を提出できる.設計を完了し,成果品を提出できる.設計が完了せず,成果品の提出ができない.
評価項目3既往土木構造物の計画・設計に対して多面的に評価し,最適化できる.既往土木構造物の計画・設計に対して評価し,最適化できる.既往土木構造物の計画・設計に対して評価・最適化できない.
評価項目4構造物の設計製図を指針を基にコンピュータ製図で表現できる.土木製図の規約,指針を理解し,コンピュータ製図できる.土木製図の規約,指針を理解していない.コンピュータ製図できない.

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 A 説明 閉じる
函館高専教育目標 B 説明 閉じる
函館高専教育目標 C 説明 閉じる
函館高専教育目標 F 説明 閉じる
JABEE学習・教育到達目標 (A-1) 説明 閉じる
JABEE学習・教育到達目標 (B-3) 説明 閉じる
JABEE学習・教育到達目標 (C-2) 説明 閉じる
JABEE学習・教育到達目標 (F-1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
実際の設計実務で最も多く行われている,コンクリート構造物の設計計算書と設計図面の作成を実習し,これらを定められた期間内に自らの仕事を計画し,正確に責任をもって完成させる能力を養う.ここでは,コンクリート構造学,構造力学,土質工学で得た知識(要素技術)をシステムとして組み上げ,許容応力度設計法(ASD),限界状態設計法(LSD)の各設計方法も含めた設計実務により設計の基礎技術を身に付けるとともに,コンピュータを設計作業に活用しCADによる設計図面作成方法の基礎の習得する.なお製図概念の理解を深化させることを目的として一部内容は手書きによる製図実習を行う.既往土木構造物に対し,その計画・設計内容を多面的な評価技術(設計VE)を習得する.これらを総合してコンクリート構造物の計画・設計に関する基本技術を実務において適用できることを到達レベルとする. なお授業内容は公知の情報のみに限定されている.
授業の進め方・方法:
学習上の留意点:構造力学,コンクリート構造学などの授業の内容,コンクリート標準示方書や道路橋示方書などの設計基準を参考に設計法を理解し,設計図面の作成を通じて配筋の意味,構造細目による規定を確認する.計算例で用いられている設計式および数値等については疑問点を残さず,全て確認のうえで設計計算作業を進めること.スケジュールの自己管理には十分に留意し,定められた期限までに余裕を持って成果品を完成させること.
必要とされる予備知識:コンクリート構造学の知識は必須である.設計計算例で用いられている設計式については,ノートや教科書でその背景を確認できるようにしておかなければならない.設計図面の作成では図学の基本的知識と,土木製図基準に基づいた作図方法についての知識が必要である.また,CAD製図ではWindows環境におけるコンピュータ操作の基本的知識,および建設CADで学んだCADソフト操作方法の知識が必要である.
注意点:
「社会基盤工学科・社会基盤工学専攻」学習・教育到達目標の評価:
  ・設計計算書45%(A-1:30%,B-3:40%,F-1:30%)
  ・図面45%(A-1:40%,B-3:20%,C2:20%,F-1:20%)
  ・レポート10%(B-3:50%,C-2:50%)

評価方法:4回の設計課題(設計課題①②④⑤)において,設計計算過程・設計計算書を50%,図面を50%,合計100%とし,成果品の再提出や修正指示があった場合には,その不具合の程度と回数に応じて得点を減ずる減点法により評価する.学年成績は,4回の課題の得点の平均値を90%,2回の土木構造物の設計に関するレポート(設計課題③⑥)の得点を10%として評価する.設計作業の途中経過における確認期日に遅れた場合には,計画性・継続性がないと判断されるため大幅な減点となり,さらに最終期限を過ぎても成果品の提出がない場合には不合格と評価するので注意すること.試験は実施しない.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.設計課題①:重力式コンクリートダムの構造設計
ガイダンス
設計課題①
設計課題の概要,理論的背景を理解し,納期を確認する.
【課題全体の到達目標】
重力式コンクリートダムの設計方法を理解し,構造物を設計することができる.
安定計算,片持ち梁の集合体として設計する重力式コンクリートダムの設計方法を習得している.
手書き製図により設計図面・資料を作成することができる.
定められた納期までに業務を完了し,成果品を提出することができる.
返却されたフィードバックシートにより,自分の業務や成果品に対する評価を確認する.
2週 設計計算② 安定計算までの設計計算作業を完了する.
3週 製図① 安定計算までの設計計算作業を完了する.
堤体の製図を行う.
4週 製図② 堤体を製図し,図面,数量表を提出し,説明を行い,返却されたフィードバックシートにより,自分の業務や成果品に対する評価を確認する.
5週 2.設計課題②:許容応力度設計法による逆T形橋脚の設計
ガイダンス
設計計算①
設計課題の概要,理論的背景を理解し,納期を確認する.
【課題全体の到達目標】
許容応力度設計法による,鉄筋コンクリート構造物の設計方法を理解し,構造物を設計することができる.
安定計算,鉄筋コンクリート部材の設計方法を習得している.
CADにより設計図面・資料を作成することができる.
定められた納期までに業務を完了し,成果品を提出することができる.
返却されたフィードバックシートにより,自分の業務や成果品に対する評価を確認する.
6週 設計計算② 安定計算までの設計計算作業を完了する.
7週 設計計算③
フーチングまでの設計計算作業を完了する.
8週 設計計算④
躯体までの設計計算作業を完了する.
2ndQ
9週 設計計算⑤
CADガイダンス
設計計算書を完成させ提出する.
コンクリート構造の設計図作成のための,CADソフトの環境設定ができる.
10週 CAD製図① CADによるコンクリート構造の設計図面の作成ができる.
11週 CAD製図②
CADによるコンクリート構造の設計図面の作成ができる.
12週 CAD製図③ CADによるコンクリート構造の設計図面の作成ができる.
13週 CAD製図④ CADによるコンクリート構造の設計図面の作成ができる.
14週 CAD製図⑤ CADによるコンクリート構造の設計図面の作成ができる.
15週 CAD製図⑥ CADによるコンクリート構造の設計図面の作成ができる.
CAD図面,数量表を完成させ提出する.
16週 3.応用レポート①(設計課題③)
ガイダンス
応用レポートの概要,理論的背景を理解し,納期を確認する.
後期
3rdQ
1週 応用レポート① 応用レポートの説明を行い,返却されたフィードバックシートにより,自分の業務や成果品に対する評価を確認する.
2週 応用レポート① 応用レポートの説明を行い,返却されたフィードバックシートにより,自分の業務や成果品に対する評価を確認する.
3週 4.設計課題④:設計VE
ガイダンス
設計課題の概要,理論的背景を理解し,納期を確認する.
【課題全体の到達目標】
設計VEにより,土木構造物の計画・設計に対し,設計の最適化をはかり評価できる。
定められた納期までに業務を完了し,成果品を提出することができる.
返却されたフィードバックシートにより,自分の業務や成果品に対する評価を確認する.
4週 設計VE① 最適化のための設計計算ができる。
5週 設計VE② 最適化のための設計計算ができる。
6週 設計VE③

5.設計課題⑤:限界状態設計法による逆T形橋脚の設計
ガイダンス
最適化のための設計計算を完了させ,最適化した土木構造物を計画・設計する。

【課題全体の到達目標】
限界状態設計法による,設計方法を限界状態設計方と対比させて理解し,構造物を設計することができる.
終局限界状態における安定計算,曲げ・せん断に対する部材の設計,使用限界状態の検討の実際を理解できる.
CADにより設計図面を作成することができる.
定められた納期までに業務を完了し,成果品を提出することができる.
返却されたフィードバックシートにより,自分の業務や成果品に対する評価を確認する.
7週 設計VE④ 最適化した土木構造物を計画・設計する。
8週 設計VE⑤ 最適化した土木構造物を計画・設計する。
最適化した設計内容について説明を行い,返却されたフィードバックシートにより,自分の業務や成果品に対する評価を確認する.
4thQ
9週 設計計算① 安定計算までの設計計算作業を完了する.
フーチングまでの設計計算作業を完了する.
10週 設計計算② 躯体までの設計計算作業を完了する.
11週 設計計算③ 設計計算書を完成させ提出する.
12週 CAD製図① CADによるコンクリート構造の設計図面の作成ができる.
13週 CAD製図② CADによるコンクリート構造の設計図面の作成ができる.
CAD図面,数量表を完成させ提出する.
14週 6.応用レポート②(設計課題⑥)
ガイダンス
構造設計の実際①
現役の技術者の講義により,構造設計の実際を理解できる.
15週 構造設計の実際② 現役の技術者の講義により,構造設計の実際を理解できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野製図図形要素の作成と修正について、説明できる。4前9
画層の管理を説明できる。4前9
与えられた条件を基に設計計算ができる。4前1,前2,前5,前6,前7,前8,前9,後4,後5,後6,後9,後10,後11
設計した物をCADソフトで描くことができる。4前3,前4,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後7,後8,後12,後13
分野横断的能力創造性・デザイン能力創造性創造性課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。4前1,前5,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後14,後15
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。4前1,前5,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後14,後15

評価割合

設計計算書CAD図面レポート合計
総合評価割合454510100
基礎的能力3030060
専門的能力15151040
分野横断的能力0000