1.【構造実験】各種構造形式(金属、木材)による試験体を用いた載荷実験を行い、反力、ひずみ、変形の性状を力学的な視点で観察することができる。(E-2)。
2.【水理学・衛生工学実験】水の流れ実験によりレイノルズ数を算出し、三角せきによる流量測定を理解し、器具を使って実験ができ、常流・射流・跳水に関する実験について理解し、その実験ができる。ジャーテスト(上水道における凝集沈殿)(PHなども含む)とDOとCOD(BOD)の測定実験について理解し、その実験ができる。(E-2)。
3.【数値実験】建設工学における構造、水理の分野において、現象を数値的に扱い、数値データ、数値解析結果を適切に処理する能力を養う。ほとんどの実験結果は数値的に処理されるため、数値を取り扱う知識・技術は工学を学ぶ学生には必須である。パソコンを使用して数値データ処理ができ、結果を適切に表現できるようになる(E-2)。
●【各実験共通】与えられたテーマの実験手順を自ら計画し実行する(A-1)。グループで実験を行うことで、チームの一員としての役割と責任を理解して自主的に行動する。構造工学、水理学、衛生工学で学んだ工業技術の基礎知識をもとに、この実験で専門分野の基礎技術を身につける(B-3)。
函館高専教育目標 A
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函館高専教育目標 B
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函館高専教育目標 E
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JABEE学習・教育到達目標 (A-1)
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JABEE学習・教育到達目標 (B-3)
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JABEE学習・教育到達目標 (E-2)
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概要:
一クラスをA, Bの2つのグループに分け、2つの実験[構造実験]、[水理学・衛生工学実験]を前半8回で同時並行で行う。[数値実験]は後半4回で全員揃って行う。構造実験では梁に作用する外力と支点反力、内部応力との関係を調べる。水理学・衛生工学実験では、管水路、開水路における流れ実験、及びジャーテスト・DOとCOD(BOD)の測定実験を行う。数値実験では、構造実験・水理実験等の分野で扱う現象を数値解析し、その結果を処理する。科目のレベルは、系統的に実験操作ができ、実験結果を考察できるレベルである。なお授業内容は公知の情報のみに限定されている。
授業の進め方・方法:
【構造実験、水理学・衛生工学実験】事前にその実験の理論的背景を十分予習しておくこと。実験の前に実験の概要、実験後に理論・データ整理とまとめ方等を説明するので、それに基づいて速やかにレポートを作成し一週間以内に提出すること。
【数値実験】構造力学、水理学の基礎知識を習得していること。Excelの基本的な操作方法を理解しておくこと。
全ての実験において、出題されたレポート課題を期限までに確実に提出することが重要である。
この実験と関連する科目は、構造力学Ⅰ~Ⅲ、橋梁工学、水理学Ⅰ~Ⅲ、環境衛生工学である。
注意点:
「社会基盤工学科・社会基盤工学専攻」学習・教育到達目標の評価:
レポート:100% (A-1:34%, B-3:33%, E-2:33%)
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
実験概要、実施方法の説明。 |
3分野の実験概要、実施方法が理解できる。
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2週 |
[構造実験] 1.H形鋼の載荷試験(1) (実験供試体の準備) |
ひずみゲージの添付、結線等の基本作業ができる。測定値、解析値を得る方法が理解できる。
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3週 |
2.H形鋼の載荷試験(2) (載荷試験と応力の測定) |
載荷方法、装置の設定方法、荷重条件、境界条件が理解できる。測定結果を整理し、考察を加えることができる。
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4週 |
3.梁の支点反力影響線(1) (装置のセットと反力測定) |
簡単な装置を使用して梁の反力を測定できることが理解できる。
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5週 |
4.梁の支点反力影響線(2) (不静定梁の反力計算) |
1次不静定梁の反力計算ができる。
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6週 |
[水理学・衛生工学実験] 1. 層流・乱流及びオリフィスに関する実験 |
レイノルズ実施権装置による層流・乱流及びオリフィスからの流出流量測定を通じ,その理論を理解できる。
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7週 |
2. 開水路と流量測定に関する実験 |
三角堰による流量測定とJIS公式の妥当性の検討を通じて、理論と実用公式の関係を理解できる。流速計によって開水路の流速分布を測定し理論値との比較検討を通じて開水路の理論を理解できる。
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8週 |
3. ジャーテストによる凝集実験 |
当実験を通じて凝集を支配する因子を説明できる。
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2ndQ |
9週 |
4. 河川水質のDOとCOD(BOD)の測定実験 |
河川水質におけるDOとCODを測定して、河川の流下に伴う水質変化を把握するとともに、その測定手法が理解できる。
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10週 |
[数値実験] 1. 有限要素法による不静定構造物の数値解析 |
必要な入力データについて説明でき、解析結果の妥当性が理解できる
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11週 |
2. 防波堤に作用する波力の数値計算 |
合田式を用いた防波堤への波力の算定法を理解でき,構造形式の違いによる波力計算ができる。
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12週 |
3. 不等流計算による水面形 |
不等流計算の方法が理解でき、水位を変化させた場合の水路内水位の変形が説明できる。
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13週 |
4. 材料強度データーの統計解析 |
与えられたデーターを処理してそのデーターが妥当かどうかの判断ができる
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14週 |
レポート返却、解説、および追実験(1) |
返却されたレポートの不完全部分を理解し修正できる。
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15週 |
レポート返却、解説、および追実験(2) |
返却されたレポートの不完全部分を理解し修正できる。
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16週 |
レポート返却、解説、および追実験(3) |
返却されたレポートの不完全部分を理解し修正できる。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 3 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 3 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 3 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 3 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 3 | |
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。 | 3 | |
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。 | 3 | |
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。 | 3 | |
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。 | 3 | |
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。 | 3 | |
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の工学実験・実習能力 | 建設系分野【実験・実習能力】 | 建設系【実験実習】 | 各種構造形式(コンクリート、金属などによる)による試験体を用いた載荷実験を行い、変形の性状などを力学的な視点で観察することができる。 | 4 | 前3,前5 |
層流・乱流を観測してレイノルズ数を算出できる。 | 4 | 前6 |
各種の流量測定の方法を理解し、器具を使って実験できる。 | 4 | 前6 |
常流・射流・跳水に関する実験について理解し、実験ができる。 | 4 | 前7 |
DO、BODに関する実験について理解し、実験ができる。 | 4 | 前9 |
pHに関する実験について理解し、実験ができる。 | 4 | 前8 |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。 | 3 | 前3,前5 |
態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。 | 3 | 前2,前4 |
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。 | 3 | 前3,前5 |
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。 | 3 | 前4,前5 |
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。 | 3 | 前4,前5 |