物理Ⅱ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 物理Ⅱ
科目番号 0362 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 社会基盤工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 熱・波動(大日本図書)、力学I(大日本図書)、配布プリント/熱・波動問題集(大日本図書)、力学I問題集(大日本図書)、配布プリント(実験・自作問題)
担当教員 関川 準之助

到達目標

1. 円運動、単振動、波、熱力学に現れる特徴的な物理量について、その定義が説明でき、計算できる。
2. 円運動、単振動、波、熱力学に現れる物理現象と物理法則が説明でき、計算できる。
3. データ整理を行い、定められた形式で実験レポートを期日までに提出できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1複数の物理概念・物理量を含んだ問題を解くことができる。定義から物理概念が理解でき、物理量が計算できる。計算で求めた答は単位付きで表示できる。物理量の定義が概ね説明できない。定義式を用いた計算が概ねできない。
評価項目2物理法則の導出過程が説明でき、問題を解くことができる。重要な物理法則が説明でき、その法則を用いて、物理量が計算できる。重要な物理法則が概ね説明できない。
評価項目3表やグラフを正しく完成でき、「考察」を自分の言葉を用いて表現できる。データ整理を行い、定められた形式でレポートを期日までに完成できる。実験レポートを完成できない。

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
物理の学習を通じて、自然現象を系統的・論理的に考える能力を養い、自然現象を解明するために物理的な見方・考え方を修得する。物理は工学の基礎であり、科学技術の発展に欠かせない科目である。3年生で、円運動、単振動、波、音波と光波、熱とエネルギーについて学習する。また、実験では測定に用いる器具をグループまたは、個人で使用し、実験データをもとに、データ整理を行い、実験レポートを期日までに完成させること。
授業の進め方・方法:
・Blackboard上の教材で事前に予習し、授業時間はグループで問題演習に取り組むグループ学習を中心に行う。
・実験も数回、行う。実験終了後はデータ整理を行い、提出期限を守って、定められた形式で実験レポートを完成させること。
注意点:
・Blackboard上の予習の最後に「小テスト」があるので、自分の理解度を確認しよう。(学年通算成績100点中の10点分) 
・グループ学習では、教える側も教えることで理解が深まるので、積極的に自分たちの力で問題を解いていこう。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
【等速円運動】速さと角速度、周期と回転数
シラバス、授業の進め方、評価法などの理解
角速度、周期、回転数などの物理量の理解
2週 等速円運動の加速度、向心力 等速円運動している物体に生じている加速度と力の理解
3週 慣性力と遠心力 観測者の運動状態による力の見え方の違いの理解
4週 《生徒実験》等速円運動の向心力
【単振動】単振動の変位、速度、加速度
m,r,ωと向心力Fの間に成り立つ関係を調べる
単振動の変位、速度、加速度、力の式の理解
5週 単振動の復元力
ばね振り子と単振り子
単振動している物体に働く力の理解
ばね振り子、単振り子の周期の式の理解
6週 【万有引力】ケプラーの法則と万有引力 ケプラーの法則と万有引力の法則を理解する
7週 万有引力による位置エネルギー
力学的エネルギー保存則と第二宇宙速度
万有引力による位置エネルギーの式を導き、力学的エネルギーを考察する
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 【波】正弦波の発生、波の基本式とグラフ
縦波の発生、縦波→横波
横波の伝わり方、y-x図とy-t図の違いの理解
縦波の伝わり方を理解し、縦波→横波の変換を学ぶ
10週 重ね合わせの原理と定常波
固定端反射と自由端反射、波の干渉
波の独立性を観察しプリント作業により定常波を理解する
11週 ホイヘンスの原理と波の反射、屈折、回折
正弦波の式
ホイヘンスの原理から反射・屈折の法則を導く
時刻と位置、2変数の正弦波の式を理解する
12週 【音波】音の速さと三要素
音の伝わり方、弦の振動
音の速さと三要素(音の高さ・強さ・音色)、弦定常波についての理解
13週 気柱の振動、固有振動と共鳴共振 管楽器の音を気柱の振動から考える
共鳴・共振を知る
14週 ドップラー効果 様々なケースのドップラー効果を理解する
15週 前期期末試験
16週 試験答案返却・解答解説
《生徒実験》重力加速度の測定
間違った問題の正答を求めることができる
単振り子の周期から重力加速度を測定する
後期
3rdQ
1週 光とその種類、光の速さ、反射・屈折
全反射、ヤングの実験
光の反射・屈折・全反射の現象を理解する
ヤングの実験からレーザー光の波長を求める
2週 回折格子、光の分散・散乱・偏光
薄膜の干渉、ニュートンリング
回折格子でレーザー光の波長を求める
薄膜の干渉の原理を理解する
3週 《生徒実験》簡易分光器の製作 回折格子分光器を製作し、身近な光の波長をもとめる
4週 凸レンズによる実像、凸・凹レンズによる虚像
組合せレンズ
レンズがあるときの光の進み方を作図によって理解する
式の計算で像の位置や倍率が求められることを知る
5週 凹面鏡と凸面鏡 凹面鏡・凸面鏡での光の進み方を作図によって理解する
6週 【熱エネルギー】温度・熱容量・比熱
熱量の保存、物質の三態
熱平衡、熱容量、比熱の意味を理解する
熱量の保存の考え方を理解する
7週 熱膨張、熱と仕事 熱膨張、熱はエネルギーの一形態であることの理解
8週 後期中間試験
4thQ
9週 【気体】圧力・大気圧・水圧
浮力、ボイル・シャルルの法則
圧力の定義、大気圧の大きさを実感する
気体の圧力、体積、温度の間の法則を理解する
10週 理想気体の状態方程式、分子運動と圧力
平均運動エネルギーと絶対温度
ミクロの気体分子運動とマクロの圧力の関連を導く
気体分子の運動エネルギーと温度との関連を理解する
11週 「学習到達度試験」
気体の内部エネルギー、熱力学第一法則
内部エネルギーは温度のみで決まること、気体エネルギーの保存則を理解する
12週 気体の状態変化(定積変化、定圧変化、等温変化、断熱変化) 気体の状態変化をP-Vグラフとともに理解する
13週 気体のモル比熱、熱機関と熱効率 気体のモル比熱、熱機関の熱効率を理解する
14週 《生徒実験》金属の比熱の測定 熱量の保存の考え方から物質の比熱を求める
15週 学年末試験
試験答案返却・解答解説
間違った問題の正答を求めることができる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。2前5
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。2前4
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。2前1,前2
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.2前6
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。2前7
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。2後6
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。2後6
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。2後6
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。2後6
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。2後7
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。2後9
気体の内部エネルギーについて説明できる。2後11
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。2後11
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。2後7
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。2後13
熱機関の熱効率に関する計算ができる。2後13
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。2前9
横波と縦波の違いについて説明できる。2前9
波の重ね合わせの原理について説明できる。2前10
波の独立性について説明できる。2前10
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。2前10
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。2前10
ホイヘンスの原理について説明できる。2前11
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。2前11
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。2前12
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。2前13
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。2前13
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。2前14
自然光と偏光の違いについて説明できる。2
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。2
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。2
物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。4前4,前16,後3,後14
安全を確保して、実験を行うことができる。4前4,前16,後3,後14
実験報告書を決められた形式で作成できる。4前4,前16,後3,後14
有効数字を考慮して、データを集計することができる。3前4,前16,後3,後14
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3前4,前16
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3後14
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3後3
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。2後3

評価割合

定期試験小テストレポート学習到達度試験合計
総合評価割合7010101000100
基礎的能力0000000
専門的能力7010101000100
分野横断的能力0000000