測量学・測量実習Ⅱ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 測量学・測量実習Ⅱ
科目番号 0377 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 社会基盤工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 測量学 第2版,内田 修ほか,東京電機大学出版局
担当教員 永家 忠司,佐々木 恵一

到達目標

1. 平板測量の測量方法や誤差の取り扱い,器械の据付について説明できる.
2. 三角測量や多角測量といった平面基準点測量の手順や方法を理解し,それに関わる計算ができる.
3. 測量における誤差の種類を説明でき,これを考慮した計算ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1平板測量に関する知識を正しく理解した上で,器具を使った測量ができる.平板測量の測量方法や誤差の取り扱い,器械の据付について説明できる.平板測量の測量方法や誤差の取り扱い,器械の据付について説明できない.
評価項目2平面基準点測量の手順や方法を理解し,それに関わる計算の導出方法を踏まえて説明できる.平面基準点測量の手順や方法を理解し,それに関わる計算ができる.平面基準点測量の手順や方法を理解していない.
評価項目3測量における誤差の種類について根拠となる数式の導出により説明でき,これを考慮した計算ができる.測量における誤差の種類を説明でき,これを考慮した計算ができる.測量における誤差の種類を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
測量方法の目的や原理,器械の構造や特性,計測値の意味や誤差の消去などの測量技術を理解するための基礎知識を習得する.また,実習を通して授業で習ったことを実践し,土地の実態や状態,位置などを測り,地図(平面図,地形図など)を作成することでそれらの基礎技術を身に付けることを目的とする.
授業の進め方・方法:
 講義部門の試験は,測量の方法や特徴を問うため,その意味や目的を十分に理解していること.また,各種計算問題においてもやり方を覚えるのではなく,その導出方法についても理解しておくこと.実習部門については,班単位で実習を行うが,試験において各自実習で行った作業内容を問う.さらに,実習開始前と終了後には器械を検査し,格納時の調整方法を理解する.なお,天候により授業の順序を変更する場合があるため注意すること.
本科目は,基礎数学,三角関数,代数・幾何などの数学の基礎知識,測量学・測量実習Ⅰの講義,実習内容が必要とされる予備知識である.また,実習部門においては,実習で行う測量の内容について講義ノートを見直し,実習に備えること.
注意点:
評価は前期中間(25%),前期期末(25%),後期中間(25%),学年末(25%)により評価する.なお,前期中間・期末,後期中間試験については,講義部門(試験 45%,課題5%),実習部門(試験 25%,実習報告書 25%),学年末試験については,講義部門(試験 45%,課題5%),実習部門(試験 25%,製図 25%)で評価する.ただし,課題,実習報告書,製図が一つでも未提出の場合は,学年末成績における評定で合格点を与えない.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス(1.0h)
【講義部門】
平板測量 1. 平板測量の誤差(2.0h,コア)
・平板測量の誤差の取り扱いが説明できる.
2週 【講義部門】
平板測量 1. 平板測量の誤差(2.0h,コア)
   2. スタジア測量(2.0h,コア)
・平板測量の誤差の取り扱いが説明できる.
・アリダードによる間接水準測量を理解している.
3週 【講義部門】
平板測量 2. スタジア測量(2.0h,コア)
三角測量 1. 概要(1.0h)
・アリダードによる間接水準測量を理解している.
・三角測量の方法・特徴を整理し,原理を理解できる.
4週 【講義部門】
三角測量 2. 誤差補正計算(2.0h)
・三角鎖の誤差補正計算ができる.
5週 【実習部門】(6.0h,コア)
平板測量 1.トラバースの設置

2.トラバースの作図
・寮前平面図を作成することを考慮して,適切な選点のもと造標を行い,辺長を測定できる.
・複導線法によりトラバースを図紙上に所定の閉合誤差で作図できる.
6週 【実習部門】(6.0h,コア)
平板測量 1.トラバースの設置

2.トラバースの作図
・寮前平面図を作成することを考慮して,適切な選点のもと造標を行い,辺長を測定できる.
・複導線法によりトラバースを図紙上に所定の閉合誤差で作図できる.
7週 【実習部門】(6.0h,コア)
平板測量 1.トラバースの設置

2.トラバースの作図
・寮前平面図を作成することを考慮して,適切な選点のもと造標を行い,辺長を測定できる.
・複導線法によりトラバースを図紙上に所定の閉合誤差で作図できる.
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 試験答案返却・解答解説(1.0h) ・間違った問題の正答を求めることができる.
・偏心補正の誤差を理解し,補正計算ができる.
10週 三角測量 3. 偏心補正(3.0h) ・偏心補正の誤差を理解し,補正計算ができる.
11週 三角測量 4. 間接水準測量(2.0h) ・球差,気差,高低差計算が理解できる.
12週 【実習部門】(6.0h,コア)
平板測量 3. 細部測量Ⅰ
 4. 細部測量Ⅱ
・放射法,交会法により縁石の主要点を測定できる.
・放射法,交会法により地物の位置を測定できる.
13週 【実習部門】(6.0h,コア)
平板測量 3. 細部測量Ⅰ
 4. 細部測量Ⅱ
・放射法,交会法により縁石の主要点を測定できる.
・放射法,交会法により地物の位置を測定できる.
14週 【実習部門】(6.0h,コア)
平板測量 3. 細部測量Ⅰ
 4. 細部測量Ⅱ
・放射法,交会法により縁石の主要点を測定できる.
・放射法,交会法により地物の位置を測定できる.
15週 前期期末試験
16週 試験答案返却・解答解説(1.0h) ・間違った問題の正答を求めることができる.
後期
3rdQ
1週 【講義部門】
多角測量 1. 概要(2.0h,コア)
・多角測量の原理を理解し,種類,手順および方法を理解している.
2週 【講義部門】
2. トラバースの計算(5.0h,コア)
・トラバースの方向角計算,誤差補正,座標・面積計算ができる.
3週 【講義部門】
2. トラバースの計算(5.0h,コア)
・トラバースの方向角計算,誤差補正,座標・面積計算ができる.
4週 【講義部門】
2. トラバースの計算(5.0h,コア)
・トラバースの方向角計算,誤差補正,座標・面積計算ができる.
5週 【実習部門】(8.0h,コア)
三角測量 1. 単列三角鎖の選点

2. 内角・方位角の角測量
3. 基線・検基線の距離測量
4. 細部測量
・第2グラウンド付近平面図を作成することを考慮して,適切な選点のもと造標を行い,辺長を測定できる.
・所定の精度内で内角ならびに方位角の測定ができる.
・基線の距離を測定し,三角鎖の調整計算ができる.
・地物や建物,地形変換点などの位置を測定できる.
6週 【実習部門】(8.0h,コア)
三角測量 1. 単列三角鎖の選点

2. 内角・方位角の角測量
3. 基線・検基線の距離測量
4. 細部測量
・第2グラウンド付近平面図を作成することを考慮して,適切な選点のもと造標を行い,辺長を測定できる.
・所定の精度内で内角ならびに方位角の測定ができる.
・基線の距離を測定し,三角鎖の調整計算ができる.
・地物や建物,地形変換点などの位置を測定できる.
7週 【実習部門】(8.0h,コア)
三角測量 1. 単列三角鎖の選点

2. 内角・方位角の角測量
3. 基線・検基線の距離測量
4. 細部測量
・第2グラウンド付近平面図を作成することを考慮して,適切な選点のもと造標を行い,辺長を測定できる.
・所定の精度内で内角ならびに方位角の測定ができる.
・基線の距離を測定し,三角鎖の調整計算ができる.
・地物や建物,地形変換点などの位置を測定できる.
8週 【実習部門】(8.0h,コア)
三角測量 1. 単列三角鎖の選点

2. 内角・方位角の角測量
3. 基線・検基線の距離測量
4. 細部測量
・第2グラウンド付近平面図を作成することを考慮して,適切な選点のもと造標を行い,辺長を測定できる.
・所定の精度内で内角ならびに方位角の測定ができる.
・基線の距離を測定し,三角鎖の調整計算ができる.
・地物や建物,地形変換点などの位置を測定できる.
4thQ
9週 後期中間試験
10週 試験答案返却・解答解説(1.0h)
【講義部門】
誤差と精度 1. 観測の誤差(1.0h)
・間違った問題の正答を求めることができる.

・誤差の種類,原因,消去方法について理解できる.
11週 【講義部門】
誤差と精度 2. 観測の最確値と精度(2.0h,コア)
・有効数字,数値の丸め方を説明でき,これを考慮して計算ができ,独立観測の最確値と誤差を計算できる.
12週 【講義部門】
誤差と精度 3. 誤差の伝搬(2.0h,コア)
・誤差伝搬の法則を説明できる.
13週 【実習部門】(6.0h)
平板測量  5. 実習結果の整理

三角測量  5. 実習結果の整理
・平板測量の成果を整理し,A3トレーシングペーパーに縮尺1/300で寮前平面図を作成できる.
・三角測量の成果を整理し,その結果を用いてA2方眼紙に縮尺1/200で第2グラウンド付近平面図を作成する.
14週 【実習部門】(6.0h)
平板測量  5. 実習結果の整理

三角測量  5. 実習結果の整理
・平板測量の成果を整理し,A3トレーシングペーパーに縮尺1/300で寮前平面図を作成できる.
・三角測量の成果を整理し,その結果を用いてA2方眼紙に縮尺1/200で第2グラウンド付近平面図を作成する.
15週 【実習部門】(6.0h)
平板測量  5. 実習結果の整理

三角測量  5. 実習結果の整理
・平板測量の成果を整理し,A3トレーシングペーパーに縮尺1/300で寮前平面図を作成できる.
・三角測量の成果を整理し,その結果を用いてA2方眼紙に縮尺1/200で第2グラウンド付近平面図を作成する.
16週 学年末試験
試験答案返却・解答解説(1.0h)
・間違った問題の正答を求めることができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野測量単測法、倍角法、方向法を説明でき、測量結果から計算ができる。4後5,後6,後7,後8
種類、手順および方法について、説明できる。4後1,後5,後6,後7,後8
閉合トラバースの計算ができる。4後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8
器械の据付と取扱いを説明できる。4前5,前6,前7,前12,前13,前14
測量方法や誤差の取り扱いが説明できる。4前1,前2,前5,前6,前7,前12,前13,前14
アリダードによる間接水準測量を理解している。4前3
地形図を理解している。2後13,後14,後15
有効数字、数値の丸め方を説明でき、これを考慮した計算ができる。4後11
誤差伝搬の法則を説明できる。4後12
分野別の工学実験・実習能力建設系分野【実験・実習能力】建設系【実験実習】距離測量について理解し、器具を使って測量できる。4前5,前6,前7,前12,前13,前14,後5,後6,後7,後8
トランシット測量や角測量について理解し、器具を使って測量できる。4後5,後6,後7,後8
トラバース測量について理解し、器具を使って測量できる。4前5,前6,前7,後5,後6,後7,後8
水準測量について理解し、器具を使って測量できる。4
平板測量について理解し、器具を使って測量できる。4前5,前6,前7,前12,前13,前14

評価割合

試験発表相互評価態度実習レポート課題合計
総合評価割合70000255100
基礎的能力0000000
専門的能力70000255100
分野横断的能力0000000