環境衛生工学

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 環境衛生工学
科目番号 0493 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 社会基盤工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「環境衛生工学」 奥村充司・大久保孝樹 著 (コロナ社)
担当教員 大久保 孝樹

到達目標

1.上水道の施設と浄水方法について説明できる
2.下水道の施設と下水処理方法について説明できる。
3.水環境保全と上水道、下水道の関連について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1上水道の施設と特殊処理・膜ろ過も含めた最新の浄水方法についても詳しく説明できる。上水道の施設と一般的な浄水処理方法について説明できる。上水道の施設と浄水処理方法について説明できず、それらの関連がわからない。
評価項目2下水道の施設と最新の処理方法である膜分離活性汚泥法と生物膜処理についても詳しく説明できる下水道の施設と一般的な処理方法である活性汚泥法について説明できる。下水道の施設と一般的な処理方法である活性汚泥法について説明できず、それらの関連がわからない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE学習・教育到達目標 (B-2) 説明 閉じる
函館高専教育目標 B 説明 閉じる
函館高専教育目標 D 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本授業で行う衛生工学の主な講義内容は、社会生活のライフラインとして重要な役割を果たしている「上水道」と「下水道」について、その役割と機能および設計概念等の専門技術を理解するための基礎知識を習得することに重きを置いている。上水道および下水道は、現在提唱されている「持続可能な循環型社会」を形成して行く上で、水の循環、環境としての水質問題を良好に維持するための手段として、特に重要であることを講義を通して熟知させる。本講義を受講することによって、実社会で行われている上水道・下水道の計画・設計・運用について内容を理解し適用できるようになることが到達レベルである。
授業の進め方・方法:
①定期試験は、記述式の問題を出題する。テスト範囲を示すので、その題意の内容を把握して詳しく説明できるようにしておくこと。
②レポートは、水道・下水道工学で重要となる人口推定と降雨量計算で重要なタルボット式の同定、及び、下水管渠の設計の3つの題目で行う。レポートは20%加味するので、提出期限に遅れないよう必ず提出すること。提出が遅れた場合は適宜減点するので、提出期限は必ず守ること。
③上下水道は、都市のライフラインの重要な一役を担っており、新聞、テレビ等のマスコミに良く取り上げられる。これらに関心をもって接することが、衛生工学の理解に大いに役立つ。
授業中の注意:
◎携帯電話をいじっていたり、居眠りをしている者に対して厳重に注意する。
注意点:
JABEE教育到達目標評価:
  定期試験80%(B-2:50%,D-2:50%),レポート20%(B-2:50%,D-2:50%)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス(衛生工学の概要)(1h)
第1編上水道
1.総説
1.1.上水道の歴史(1h)
衛生工学の概要を理解できる。
上水道の歴史を理解している。
2週 1.2.水道の目的と必要条件(0.5h)
1.3.水道の種類と施設の概要(1.5h)
水道の目的と必要条件を理解している。
水道の種類と施設を理解している。
3週 2.水量と水質
2.1 水量 と計画給水量(2h)
水量と計画給水量について理解している。
4週 2.2 水道水の水質(2h)
水道水の水質について理解している。
5週 3.水源と取水
3.1 日本における水資源(2h)
日本における水資源について理解している。
6週 3.2 取水施設 (2h)
水源と取水施設についてについて理解している。
7週 4.管路施設(導水,送水,配水)(2h) 導水、送水、配水について説明できる
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 試験答案返却・解答解説(1h)
5.浄水施設
5.1 浄水方式の種類(1h)
・試験問題解答を通じ間違った箇所を理解できる。
浄水方式の種類について理解している。
10週 5.2 計画浄水量(1h)
5.3 緩速ろ過方式(1h)
計画浄水量について理解している。
緩速ろ過方式について、詳細に理解している。
11週 5.4 急速ろ過方式
 (1) 凝集池(0.5h)
 (2)フロック形成(0.5h)
 (3)薬品沈殿(1h)
急速ろ過方式の凝集・沈殿について詳細に理解している。
12週  (4)急速ろ過(0.5h)
5.5 塩素消毒(1.5h)
急速砂ろ過について理解している。
塩素消毒について理解している。
13週 5.6 特殊浄水処理(1h)
5.7 膜ろ過処理(1h)
特殊浄水処理と膜ろ過処理について理解している。
14週 6. 配水(0.5h)
7. 給水(0.5h)
8.上水道の維持管理(1h)
配水・給水設備について理解している。
上水道の維持管理について理解している。
15週 前期期末試験
16週 試験答案返却・解答解説 ・試験問題解答を通じ間違った箇所を理解できる。
後期
3rdQ
1週 第2編 下水道
1. 総説
1.1 下水道の歴史(1h)
1.2 下水道の目的と役割(0.5h)
1.2 下水道の種類(0.5h)
下水道の歴史、目的と役割(水域環境保全)、下水道の種類について説明できる。
2週 2.下水道計画
2.1 基礎調査(0.5h)
2.2 下水の排除システム(1h)
2.3 終末処理場とその条件(0.5h)
下水道計画のための基礎調査、下水の排除システム、終末処理場とその条件について理解している。
3週 2.4 下水量の算定(計画下水量)(0.5h)
2.5雨水量
 (1)合理式(0.5h)
 (2)降雨強度公式(0.5h)
 (3)流達時間(0.5h)
計画汚水量、計画雨水量について、計算することができ理解できる。合理式・降雨強度公式・流達時間について詳しく理解している。
4週 3.管路施設
3.1 下水管渠の種類と特徴(0.5h)
3.2 下水管渠の水理(0.5h)
3.3 管渠の敷設(1h)
下水管渠の種類と水理および管渠の敷設について理解している。
5週 3.4 付属設備
 (1)マンホール(0.5h)
 (2)雨水吐室(1.5h)
マンホールについて理解でき、雨水吐室の設計について理解している。
6週 3.5 管渠の設計と敷設(2h) 具体的に管渠の設計と敷設を理解している。
7週  (1)管渠の設計演習(2h)
所要の数値を用いて管渠を設計でき、設計について理解している。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 試験答案返却・解答解説(1h)
4.ポンプ場施設(1h)
・試験問題解答を通じ間違った箇所を理解できる。
ポンプ場の種類と施設について理解している。
10週 5.下水の水質と下水試験(2h) BOD等下水の主要水質項目について理解している。
11週 6.下水処理施設
6.1 活性汚泥法(0.5h)
6.2 活性汚泥の浄化機構(0.5h)
6.3 活性汚泥の管理指標(1h)
活性汚泥法について、詳細に説明でき、活性汚泥法の管理指標について理解している。
12週 6.4 活性汚泥法下水処理場の設計(1h)
6.5 活性汚泥法の種類(1h)
下水処理場の設計を計算でき、各種活性汚泥法の変法について理解している。
13週 6.6 散水ろ床法・回転円板法(2h) 生物膜法である散水ろ床法・回転円板法の処理法について理解している。
14週 7.下水汚泥処理施設(汚泥の消化)(1h)
8.下水道の維持管理(1h)
汚泥の消化法について理解している。
下水道の維持管理について理解している。
15週 学年末試験
16週 試験答案返却・解答解説 ・試験問題解答を通じ間違った箇所を理解できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野環境環境と人の健康との関わりを説明できる。2前1
過去に生じた公害の歴史とその内容(環境要因と疾病の関係)について、説明できる。2前1
水道の役割、種類を説明できる。3前2
水道計画(基本計画、給水量、水質、水圧等)を理解でき、これに関する計算ができる。3前3,前4
水道施設(取水・導水・浄水・送水・配水・給水等)を理解している。3前2,前5,前6,前7,前14
浄水の単位操作(凝集・沈澱凝集等)を理解している。3前9,前10,前11
浄水の単位操作(濾過・殺菌等)を理解している。3前12
高度処理を理解している。3前13
下水道の役割と現状、汚水処理の種類について、説明できる。3後1
下水道の基本計画と施設計画、下水道の構成を説明でき、これに関する計算ができる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9
生物学的排水処理の基礎(好気的処理)を説明できる。3後10,後11,後12,後13
高度処理を理解している。3後12
汚泥処理・処分について、説明できる。3後14
大気汚染の現状と発生源を理解している。1後14
溶解度について理解している。1前4,後10
化学平衡について理解している。1前4,後10
反応速度について理解している。1後12
土壌汚染の現状を説明できる。2後14

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力7520000095
分野横断的能力5000005