構造力学Ⅲ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 構造力学Ⅲ
科目番号 0528 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 社会基盤工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 嵯峨・武田・原・勇 共著 構造力学Ⅰ, Ⅱ(コロナ社)
担当教員 渡辺 力

到達目標

1. 静定はりの変形を計算でき,解法を説明できる。
2. 不静定はりを応力法(余力法,三連モーメント式)により解くことができ,解法を説明できる
3. たわみ角法(変位法)を用いて不静定ラーメンを解くことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1モールの定理やエネルギー原理を用いて,任意の荷重を受ける静定はりの変形を計算でき,解法について説明できる。単純な荷重を受ける静定はりの変形を計算でき,解法について説明できる。静定はりの変形を計算できない。モールの定理やエネルギー原理について説明できない。
評価項目2任意の荷重を受ける複雑な不静定はりの変形を計算でき,解法について説明できる。標準的な不静定はりの変形を計算でき,解法について説明できる。不静定はりの変形を計算できない。静定基本形と3連モーメント式について説明できない。
評価項目3たわみ角法を用いて,任意の荷重を受ける複雑な不静定ラーメンを解くことができるたわみ角法を用いて,標準的な不静定ラーメンを解くことができる。たわみ角法を用いて,不静定ラーメンを解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE学習・教育到達目標 (B-2) 説明 閉じる
函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
構造力学とは,構造物の力学的な性質を把握し,構造物を合理的かつ経済的に設計することを目的にした力学である。構造物の設計において基礎となる力学の考え方と計算方法に関して,基礎的な知識を修得することを目的とする。第4学年では,はりの変形,エネルギー原理による変形の解法,応力法による不静定はりの解法,変位法による不静定ラーメンの解法に関する理論と計算方法の基礎知識を修得する。「その知識を各種構造物の設計に応用できるようになる」のが到達レベルである。
授業の進め方・方法:
第4学年の構造力学では,はりの変形,エネルギー原理による変形の解法,応力法による不静定はりの解法,変位法による不静定ラーメンの解法について学びます。皆さんが良く理解できるように,各節・各章の終わりに演習問題を用意していますので,必ず自分で解いてください。定期試験前に講義ノートと演習ノート(演習問題を解いたもの)を提出させます。講義ノートと演習ノートを未提出のものは定期試験を0点として評価します。また,演習ノートで解いていない問題がある場合には減点します。
注意点:
授業中はしっかりとノートを採るとともに,学習内容が理解できるように集中しましょう。授業中に理解できなかった所は家庭にて復習しましょう。その上で,演習問題を自力で解いて下さい。理解が一層深まります。
JABEE教育到達目標評価:
  定期試験64%(B-2:100%),中テスト32%(B-2:100%),課題4%(B-2:100%)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス(1時間) 科目の位置づけ,到達目標および留意点を理解できる。
2週 第1章 はりの変形(11時間,コア)
(1) 基礎方程式の誘導
はりのたわみの微分方程式を理解できる。
3週 (2) 微分方程式による解法 微分方程式を解いて,たわみやたわみ角を計算できる。
4週 (3) モールの定理による解法1 モールの定理(弾性荷重法)を理解できる。
5週 (4) モールの定理による解法2 モールの定理により,変形を計算できる。
6週 (5) モールの定理による解法3 モールの定理により,変形を計算できる。
7週 第2章エネルギーによる解法(12時間,コア)
(1) 仕事とひずみエネルギー
仕事やひずみエネルギーの概念を理解できる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 (2) カスチリアノの定理による解法 カスティリアノの定理を理解できる。
10週 (3) カスチリアノの定理による解法 カスティリアノの定理により,変形を計算できる。
11週 (4) 最小仕事の原理による解法 最小仕事の原理を理解できる。
12週 (5) 仮想ひずみエネルギー 仮想仕事の原理を理解できる。
13週 (6) 仮想仕事の原理による解法1 仮想仕事の原理により,変形を計算できる。
14週 (7) 仮想仕事の原理による解法2 仮想仕事の原理により,変形を計算できる。
15週 前期期末試験
16週 試験答案返却・解答解説 間違った問題の正答を求めることができる
後期
3rdQ
1週 第3章 不静定はりの解法(12時間,コア)
(1) 静定基本系による解法1
静定基本系を用いた不静定構造物の構造解析法(応力法)を理解できる。
2週 (2) 静定基本系による解法2 静定基本系による解法により不静定力が計算できる。
3週 (3) 静定基本系による解法3 静定基本系による解法により不静定はりが解ける。
4週 (4) 三連モーメント式による解法1 三連モーメント式(応力法)が理解できる。
5週 (5) 三連モーメント式による解法2 三連モーメント式により不静定力が計算できる。
6週 (6) 三連モーメント式による解法3 三連モーメント式により不静定はりが解ける。
7週 第4章 静定ラーメン,アーチ(4時間,コア)
(1) 静定ラーメン・静定アーチの断面力
ラーメン構造・アーチ構造の断面力を計算し,その断面力図を描くことができる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 第5章 たわみ角法による解法(8時間,コア) 変位法と応力法を理解できる。
10週 (1) たわみ角法(変位法)の誘導 たわみ角法が理解できる。
11週 (2) 不静定ラーメン構造の計算1 たわみ角法により不静定ラーメンが計算できる。
12週 (3) 不静定ラーメン構造の計算2 たわみ角法により不静定ラーメンの断面力図を描ける。
13週 補足1 平面応力状態 平面応力状態を理解できる。
14週 補足2 主応力 主応力を理解できる。
15週 学年末試験
16週 試験答案返却・解答解説 間違った問題の正答を求めることができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野構造垂直応力とせん断応力について説明できる。4
はりのたわみの微分方程式を理解している。4
はりのたわみの微分方程式に関して、その幾何学的境界条件と力学的境界条件を理解し、微分方程式を解いて、たわみやたわみ角を計算できる。4
弾性荷重法を理解し、はりのたわみやたわみ角を計算できる。4
構造力学における仕事やひずみエネルギーの概念を理解している。4
仮想仕事の原理を用いた静定の解法を説明できる。4
仮想仕事の原理を活用して、静定・不静定構造物を解くことができる。4
カスティリアノの定理を用いた静定・不静定構造物の解法を理解している。4
カスティリアノの定理を活用して、静定・不静定構造物を解くことができる。4
最小仕事の原理を用いた不静定構造物の解法を理解している。4
最小仕事の原理を活用して、不静定構造物を解くことができる。4
重ね合わせの原理を用いた不静定構造物の構造解析法を説明できる。4
応力法による不静定構造物の解法を理解している。4
応力法を活用して、不静定構造物を解くことができる。4
変位法による不静定構造物の解法を理解している。4
変位法を活用して、不静定構造物を解くことができる。4

評価割合

定期試験中テスト課題合計
総合評価割合64324100
基礎的能力4422470
専門的能力2010030
分野横断的能力0000