水理学Ⅲ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 水理学Ⅲ
科目番号 0529 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 社会基盤工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 日下部重幸・檀 和秀・湯城豊勝 共著 「水理学」 (コロナ社)
担当教員 宮武 誠

到達目標

1.層流と乱流について説明でき,円管内の層流流速分布及び流体摩擦を理解できる.
2.管水路における摩擦や形状損失を説明でき,各種の管路の流れ計算ができる.
3.開水路における等流・不等流の基礎式が説明でき,それらの流れ計算ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1層流と乱流が説明でき,それらの理論が理解できる.層流と乱流が理解でき,それらの理論が理解できる.層流と乱流が理解できない.
評価項目2管水路の摩擦や形状損失を説明でき,各種管路の計算ができる.管水路の摩擦や形状損失を理解でき,各種管路の計算ができる.管水路の摩擦や形状損失を理解できない.
評価項目3開水路の等流や不等流の基礎式が説明でき,それらの流れ計算ができる.開水路の等流や不等流の基礎式が理解でき,それらの流れ計算ができる.開水路の等流や不等流の基礎式が説明できない.

学科の到達目標項目との関係

JABEE学習・教育到達目標 (B-1) 説明 閉じる
JABEE学習・教育到達目標 (B-2) 説明 閉じる
函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
社会基盤工学の水に関わる分野は,河川,海岸,海洋,港湾,上下水道,水質問題,水力発電等ときわめて広い.それらの工業技術を理解するために要する「水理学」の基礎知識を習得する.「水理学」の基礎理論,特に式の誘導過程や物理的な意味を十分に理解するとともに,実際の水に関わる諸問題に適用できる力を身に付けることを目標とする.
授業の進め方・方法:
講義内容の理解を深めるため行う演習課題では,自学自習の継続性や当該科目に対する理解進度を確認するため,講義内容を応用させた問題を出題するので,日頃からの自学自習は必須である.講義は板書に加え,スライドや口頭を多用するので,特にスライドや口頭で説明したことも十分に注意してノートにとることが重要である.また,自学自習による復習の成果を定期試験に加え,大型休業 (ゴールデンウィーク,夏休み,冬休み) 明けに実施する復習小テストにより評価する.
注意点:
学年成績は,連休明け復習小テスト(10%),前期中間試験(15%),夏休み明け復習小テスト(10%),前期期末試験(15%)
後期中間試験(15%),冬休み明け復習小テスト(10%),学年末試験(15%),演習課題(10%)により評価する.
但し,演習課題は,すべての課題を提出し,全問正答であれば満点とし,ひとつの課題でも未提出の場合,その評価を零点とする.また,各期の定期試験に対する再試験は,普段の当該科目に対する学習意欲や授業態度を総合的に判断し,教員が必要と認めた場合に実施するものとし,100点満点の上限を60点として各期の試験を評価する.なお,復習小テストの再試験は実施しない.
JABEE教育到達目標評価 定期試験60%(B-2:100%),休業明け小試験30%(B-2:100%),演習課題10%(B-2:100%)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス (1hr)
7.1 流れの中でのエネルギーの消耗(1hr)
講義の進め方や評価方法について理解できる.
層流,乱流,遷移流の流れ特性を理解し,レイノルズ数によって判断できる.
2週 7.2 層流と乱流(1hr)
7.3 層流の速度分布と摩擦抵抗係数(1hr)
層流の摩擦応力,流速分布式・流量公式,摩擦抵抗係数,ダルシー・ワイズバッハ式等が誘導でき,それを運用できる.
3週 7.3 層流の速度分布と摩擦抵抗係数(2hr) 層流の摩擦応力,流速分布式・流量公式,摩擦抵抗係数,ダルシー・ワイズバッハ式等が誘導でき,それを運用できる.
4週 連休明け復習小テスト (1hr)
7.4 境界層(1hr)
「水理学II」で習った範囲の復習試験
境界層,遷移流,粘性底層,粗面,滑面を説明できる.
5週 7.5 乱流の速度分布と摩擦抵抗係数(2hr) 乱流における円管内の速度分布式を誘導できる.
6週 8.1 管水路定流の基本式(2hr) 管水路定流の基本式を誘導でき,運用できる.
7週 8.2 摩擦損失水頭と平均流速公式(2hr) マンニングの式等を管水路に適用できる.
8週 前期中間試験 層流・乱流におけるエネルギーの消耗及び速度分布則等が理解し,説明できる.
2ndQ
9週 答案返却及び解答解説 (1hr)
8.3 摩擦以外による損失水頭(hr)
試験問題を通じ,間違った箇所を理解できる.
急拡・急縮による損失水頭を誘導できる.出口・入口,漸拡・漸縮・曲がり・バルブによる損失水頭式を説明できる.
10週 8.3 摩擦以外による損失水頭(1hr)
8.4 単線管路(1hr)
急拡・急縮による損失水頭を誘導できる.出口・入口,漸拡・漸縮・曲がり・バルブによる損失水頭式を説明できる.
各種の損失を含む単線管路のエネルギー線・動水こう配線および流量を算出できる.
11週 8.4 単線管路(1hr)
8.5 管網計算(1hr)
各種の損失を含む単線管路のエネルギー線・動水こう配線および流量を算出できる.
ハーディー・クロス法により管網計算ができる.
12週 8.5 管網計算(2hr) ハーディー・クロス法により管網計算ができる.
13週 8.6 側管を有する管路(2hr) 側管を有する管路の流量を計算できる.
14週 8.7 分岐および合流する管路(1hr)
8.8 サイフォン(1hr)
分岐および合流する管路の流量を計算できる.
サイフォンが成り立つ条件を説明できる.
15週 前期期末試験 摩擦や形状損失を考慮した一連の管路計算ができ,説明できる.
16週 試験答案返却・解答解説 間違った問題の正答を求めることができる
後期
3rdQ
1週 答案返却及び解答解説
夏休み明け復習小テスト (1hr)
試験問題を通じ,間違った箇所を理解できる.
「管水路(2)」の復習試験
2週 9.1 平均流速公式 (1hr)
9.2 水理学的有利断面 (1hr)
平均流速公式を用いて開水路断面の流量が算出できる.
水理学的に有利な開水路の断面を算出できる.
3週 9.2 水理学的有利断面 (1hr)
9.3 水理特性曲線 (1hr)
水理学的に有利な開水路の断面を算出できる.
水理特性曲線について説明できる.
4週 9.4 開水路の定流の運動方程式 (2hr) 開水路定流の運動方程式の誘導ができる.
5週 9.4 開水路の定流の運動方程式 (1hr)
9.5.1 摩擦応力と圧力分布 (1hr)
開水路定流の運動方程式の誘導ができる.
6週 9.5.1 摩擦応力と圧力分布 (1hr)
9.5.2 層流・乱流の速度分布 (1hr)
開水路等流のせん断応力と圧力分布を誘導できる.
開水路の層流・乱流の流速分布・流量の誘導ができる.
7週 9.5.2 層流・乱流の速度分布 (2hr) 開水路の層流・乱流の流速分布・流量の誘導ができる.
8週 後期中間試験 開水路の等流計算,水理学的有利断面,特性曲線,流速分布が理解でき,説明できる.
4thQ
9週 答案返却及び解答解説 (1hr)
冬休み明け復習小テスト (1hr
)
試験問題を通じ,間違った箇所を理解できる.
「水理学I」からこれまで習った範囲の復習試験
10週 9.6.1限界こう配 (2hr) 限界こう配式を誘導でき,それを運用できる.
11週 9.6.2不等流の水面形状 (2hr) 任意断面の不等流の基礎式が誘導でき,その式による各種こう配水路の水面形状を推定できる.
12週 9.6.3不等流の水面曲線の計算(2hr) ブレッスの式により不等流の水面曲線を計算できる.
13週 9.6.3不等流の水面曲線の計算(2hr) ブレッスの式により不等流の水面曲線を計算できる.
14週 10.1 降雨の流出過程 (1hr)
10.2流出曲線の特性 (1hr)
降雨の流出過程を理解できる.
流出曲線の特性を理解できる.
15週 学年末試験 不等流計算の基礎式を誘導し,その水面形を理解して説明できる.流出解析の概要を理解している.
16週 試験答案返却・解答解説 間違った問題の正答を求めることができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野水理ベルヌーイの定理を理解している。4前6,後4
ベルヌーイの定理の応用(自然現象、河川工学など) について説明できる。4後4
層流と乱流について、説明できる。4前1,前2,前8
円管内の層流の流速分布(ハーゲン・ポアズイユの法則)を理解している。4前2,前3,前8
流体摩擦(レイノルズ応力、混合距離)を説明できる。4前4,前5,前8
平均流速を用いた基礎方程式、摩擦抵抗による損失水頭の実用公式、ムーディ図について理解している。4前7,前8,前15,前16
摩擦抵抗による損失水頭の実用公式について説明できる。4前7,前8,前15,前16
管水路の摩擦以外の形状損失水頭について理解している。4前9,前10,前15,前16
管水路の摩擦以外の損失係数について説明できる。4前9,前10,前15,前16
各種の管路の流れの計算ができる。4前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16
開水路流れの基礎方程式について理解している。4後4
開水路の等流(平均流速公式、限界水深、等流水深)について理解している。4後2
開水路の等流(平均流速公式、限界水深、等流水深)について説明できる。4後2
水理特性曲線と水理学的に有利な断面について理解している。4後2,後3
開水路不等流の基礎方程式について理解している。4後5,後6,後7
開水路不等流の基礎方程式について説明できる。4後5,後6,後7
一様水路における不等流と背水曲線について理解している。4後10,後11,後12,後13,後15
一様水路における不等流と背水曲線について説明できる。4後10,後11,後12,後13,後15
流出解析法について理解している。1後14,後15
水文量の統計的性質について理解している。1

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90000010100
基礎的能力0000000
専門的能力90000010100
分野横断的能力0000000